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あの世界  作者: ろー
冒険者
11/20

第7話

PV2000達成しました!!!

この小説を読んでくださってる

皆様ありがとうございます

月並みな言葉ですが読んでくださっている

皆様には感謝しか思い浮かびません。

ありがとうございます。

では、第7話どうぞ!


!!!!!!!!!!!!!!!!!!


俺はベットから飛び起きた。

・・・・・今は朝方かな?

窓の外はうっすらと明るくなってきているところだった。


俺は二度寝もしたい気分でもなかったので部屋を出て外に出る事にした。

部屋の外はリリ達や他の冒険者がまだ寝てるのか静かだった。

宿屋の裏手の小川にきた。そのあいだシキは一言も話しかけてこなかった。

たぶんシキなりに気を使ったのだろう。その優しさが少し嬉しかった。


『・・・・・・・・主殿・・・・・大丈夫か?』


俺が腰を下ろすとシキが心配したような声で話しかけてきた


「たぶん・・・・・・・」


俺の声は自分でも聞いていて分かるくらいに沈んでいた。

俺は昨日記憶のかけらを見た。

まだ全然思い出せない事だらけだが、1つ分かった事がある。それは俺が仲間と思わしき人を刺した事だ。あの場所に見覚えはない、あの仲間の事も何もまだ思い出せないままだ。

・・・・・・・・・・羽根のある男・・・・・・・俺を必死の思いで止めていた耳が長い女の子・・・・・これが俺の記憶の手がかりになるかもしれない。

フっと意外に冷静な自分に驚いた。たぶんその仲間の事を明確に思い出せないから実感がわかないのだろう。物事を客観的にとらえている自分がいた。


『のう主殿・・・・・我は思うのじゃが、やはりあの時の主殿にも理由があったのではないのか?その辺の記憶はまだあいまいなのじゃろう?ならば分からぬではないか』


シキが言うとおりなのである。

・・・・・・・・ぐちぐち悩んでいても仕方がない。あの時の俺にも理由があったはずだ・・・それを知りたい、どんな理由だったとしても・・・・・・


「そうだな・・・・・」


『そうじゃぞ、主殿。それに扉を開けた事によって、自分の中の力を感じれるのではないか?』


俺はそうシキに言われて、自分の中に意識を向けてみた。

ちょうど昨日やってみた事と同じ事だ。

すると昨日とは違う感覚を感じた。不思議な感じだった、温かいような。懐かしいような。


「これがそうなのか・・・・・これをどうすれば?」


『感じれたか?その感覚のままわしを握って創造するのじゃ。主殿の武器を』


俺はシキに言われるままネックレスを握って創造する。

俺の命を守ってくれる武器、俺の大切なものを守ってくれる武器を

するとネックレスが一瞬光った。

次の瞬間俺の右手には一振りの刀が握られていた。


『ほう・・・・・・。主殿、昨日も説明したと思うのじゃが主殿が我を持っている間は先人たちの戦いの記憶が宿るので、主殿が剣など扱えんでも戦えるはずじゃ。』


シキに言われたとおり今の俺は知っている

刀の振り方から体の動かし方、どうすれば一番効果的か、など

・・・・・・つまり俺は戦えるようになったわけか?


「すげ・・・・・」


俺は刀を振り回す。その動作1つ1つが洗礼されているような鋭さを出せる。

・・・・・・なにか変な感じだ。俺は刀の使い方を知らないのに体が分かる。


『どうじゃ、我は!主殿すごいじゃろ?』


「シキ・・・・・最高だ」


『そんな・・・・・ほめるな。照れるではないか』


俺はさらに調子に乗ってシキを振り回す

だが振り回しているとだんだんと息が切れてきた。


「はぁ・・・・・はぁ・・・・・」


『どうやら・・・・・・型は綺麗じゃが、体は主殿じゃ・・・・体力をつけんとの・・・』


たしかに、良く切れる剣があってもそれを使う人が素人では意味がない。


「よし!・・・・・まずやる事は見えた」


まずは体力をつける事、サラさんやリリの足をひっぱていたら申し訳ない。

もう鳥のさえずりが聞こえて来て朝日が顔を出していた。町の方も騒がしくなってきてる。

俺は毎朝素振りをやろうと決意した。





「キョウイチ君、おはよう。」

「キョウ。おはよう」


俺が宿屋に帰ってくるとサラさんとリリが朝食を取っていた。

シキは刀からネックレスに戻ってもらっていた。昨日まで武器を持っていなかったのに、いきなり武器を持って現れたら驚かれると思ったからだ。ちなみにシキにはあらかじめ2人の事は説明してある。


「サラさん、リリ話があります。実はこのネックレス昨日ある人からもらいました。で、このネックレス~~」


俺はこの2人に事のいきさつを話す事にした

どうやって話すかで悩んだが・・・・

しかし記憶の断片の事は話せなかった。話そうにも言葉が出てこなかった。


「信じられないかもしれないけど・・・・・シキお前の声を2人に聞こえるようにはできるか?」


『できるぞ・・・・・・よし!これで聞こえるはずじゃ。』


「え!頭に声が聞こえる・・・・これがシキ?」


シキが何かしたのだろう。リリが驚いたように声を上げた、サラさんは一切動じていなかったが・・・・2人にも聞こえるようになったようだ。


『そうじゃよ。サラとリリじゃろ?主殿からあらかた聞いとるぞ』


「へ~念話で話せる意思を持った武器か・・・・・・さすがは"人間"っと言ったところかしら・・・って事は今日はもう武器屋巡りはいいのね。それに今の説明だとキョウイチ君を戦力に数えていいのかしら?」


『うむ!我がついておるからの・・・・・ただ主殿はまだ長い時間戦い続ける事はできんがの。』


「でも一応自分の身は守れるようになってくれたのはうれしいわ。どうしようか悩んでたのよね。」


「キョウ!キョウ!」


リリが俺の名前を呼んで真剣な顔で話しかけてくる


「なんだ?」


俺もリリの真剣な顔に見されて真剣な顔になる。


「あたしにシキ頂戴!」


それはもうすがすがしいほどの笑顔で言われた。

肩すかしをくらった俺はリリの頭をポカンと叩いた。


「いたい!何すんの!?」


そんなに強く叩いてはいないのだが、涙目で見てきた。

少し罪悪感が出てきたが・・・・・・無視無視


「誰がやるか・・・・・・それに俺以外にはシキは使えないらしいしな。」


『そうなのじゃよ。すまんなリリ、我は"人間"である主殿しか使えないのじゃ』


「う~~」


「あ!そういえば・・・・・・サラさんが持っている銃って特別製なんですか?」


俺は昨日武器屋を巡っていて気付いた事を聞くことにした。


「よくキョウイチ君これが銃だって気付いたわね。これは魔銃と言って自分の魔力を使って魔法を打ち出すとても珍しい武器なの・・・・」


サラさんが自分の腰から銃を取り出して説明してくれた。


「だから・・・・定期的に点検と整備が必要なのがネックなのよね・・・そういえば今日は・・・・」


そんなたわいもない会話をしながら朝は過ぎていった。

俺は生活費だけでも稼がなければならないので、今日はギルドに行くことを2人に伝えた。サラさんは魔銃の点検に行くと言っていたので、サラさんとは別行動になるようだった。リリはサラさんではなく俺についてくると言ったので、ついてきてくれるようだ。

1人では不安だったので知り合いがいてくれるとありがたい。





リリとともにギルドに来た。今日も昨日と変わらず人が多い。

リリが言うには右の方の掲示板に依頼が張ってあるらしい。

俺たちは2人で向かう・・・・・はずだったが・・・・リリは受付のシャナの方に行って2人で楽しそうにおしゃべりを始めてしまった。


掲示板を眺めてみる、色々な依頼がある。どうやら依頼の種類ごとに板が分けられているようだ。

ウルの討伐、なんかの動物の討伐かな?

ココア草の採取、何かの草かな?

グリズリーの毛皮の採取、・・・・・はは、凶暴な熊の皮だな・・・・

隣町までの護衛、これは無理だな・・・・

猫を探してくれ、これはわざわざギルドに頼む事なのか?

私の気持ちをあの人に伝わるように協力して、・・・・・・・・もうなんか、どうでもいいや・・・


最後の方の依頼は見なかった事にして、俺はどれが一番いいのか掲示板の前で悩んでいた。

・・・・・・・・できれば一日で終わるのがいいのだが・・・


「これなんかどう?」


すると隣からリリが一枚の依頼書を手にとって俺に見せてくる。

いつのまにシャナと話し終わっていたようだ。

・・・・えっと・・・なになに、店番をしてくれ・・・?


「いやいや・・・・・・・店番って雑用じゃないか。どうせならシキも試してみたいんだが・・・・」


「あんた・・・・・この依頼人の名前を見てみなさい」


そこにはベレッタさんの文字が・・・・・なんと!・・・

どうやら宿屋の店番の依頼らしい。

・・・・・・・報酬も申し分ない、知らない人が受けるよりはベレッタさんも安心できるだろうな。


「よし!これにしようかな・・・・でもシキも試したかったんだよな・・・・・」


『そうじゃな。まぁ主殿、我はいつでも試せるからの』


「また明日でいいじゃん。雑用系はあまり人気ないし、それにロゼッタ達にはいつもお世話になってるしね~」


俺とリリは依頼書を持って受付まで持って行きシャナに依頼書を見せた。


「シャナこれで頼むよ。」


「はい。雑用系ですね・・・・・・・雑用系はギルド側が冒険者のみなさまに受けさせない事はありませんのでどんどん受けてくださいね。それでは・・・・すいません、右手をこの水晶にかざしてください」


俺はシャナに言われるまま右手を水晶にかざした。

次にリリも右手をかざした。


「はい、結構です。あ!キョウイチさんは今回が依頼を受けるのが初めてでしたね。依頼書をこちらの受付まで持ってきてもらって、この水晶に右手をかざせば依頼を受けた事になります。依頼が終わればこの紙にサインして貰ってください。この紙をギルドの受付に提出して終わりとなります。では場所は・・・・分かりますね?」


シャナが一枚の正方形の紙を渡してきた。これにサインを書いてもらえばいいのだろう


「わかるよ・・・・てかあたしがいるから説明はいいって・・・・シャナの説明は長いし眠くなるもん。」


リリがあくびをしながらそう言った。


「リリさん・・・・・・・キョウイチさん頑張ってください。」


シャナが一瞬呆れたような顔をしたが・・・・俺は見なかった事にした。

俺は眠そうなリリを立たせ、朝もと来た道を戻る事にした。




俺達はいつも泊まっている宿屋に着いた。

今はお昼前なので、なんとかお客さんでいっぱいの時間帯は避けられたようだ。

ベレッタさんの酒場は・・・・いつもお昼時は結構なにぎわいを見せている。


「あら?キョウにリリどうしたの?今日はギルドで依頼受けてくるって言ってなかった?それともサラさん?サラさんならさっき出たとこだけど・・・・」


扉を開けると、ロゼッタさんが向かってきてそう言った。

お客さんも今はあまりいないようだ。


「ロゼッタ違うよ~ギルドに依頼出したでしょ?あたし達が受けたんだよ~」


「あ!そうなんだ。ちょっと待って今お母さん呼ぶから・・・」


そう言ってロゼッタさんがベレッタさんを呼びに行って、すぐに戻ってきた。


「話はロゼッタに聞いたよ・・・・あの店番の依頼を受けてくれたのかい?」


俺の前にいるのがベレッタさんだ。

親子2人並んで、思うがこの人たちは似ていない。

いかにもおかみさんといった風貌のベレッタさんから、こんなかわいいロゼッタさんが生まれたとはどうしても信じれなかった。


「はい、そうです。」


「そうかい。ありがとうよ。これでアクア草を取りに行けるわ。」


「アクア草?」


俺は聞き慣れない草の名前におもわず聞き返してしまった。


「アクア草はね、普通は魔法薬の調合とかで使うんだけど、お母さんはそれを料理の隠し味に使うの・・・・貴重ってほどでもないのだけど、すぐ手に入るってものでもないから、市場ではあまり手に入らなくって・・・」


「そっちの方をギルドに依頼すればいいんじゃないのですか?」


俺は不思議に思ってロゼッタさんに尋ねる事にした。


「キョウってバカ?雑用系の依頼の方が報酬があまりかからなくてすむんだよ・・・・・・・・・そうだ!ベレッタさんあたし達が行こうか~?」


俺はリリにバカと言われてムッときたが抑えた。

だが確かに少し高い報酬を払って頼むより、自分で行った方が安くつく。外は魔物が出るので自分たちで対処できればだが・・・・ロゼッタさん戦えるのかな?


「本当かい?でも・・・・・・・・」


「いいよいいよ。キョウも武器を試したいって言ってたし。あたしもキョウがどれぐらい戦えるのか見ておきたいしね。それに報酬の事なら安心してあたし達が雑用系で払うはずだった額でいいよ~。」


「俺も問題ないです。」


「それなら頼もうかね。場所は~~~~」


場所の話はリリが聞いてくれている。俺が聞いても分からないからだ。

その間俺はロゼッタさんの接客を目で追っていた。すごい身のこなしだった。

昼間からお酒を飲んでいる客の絡みなどをスイスイ交わしている。


『あの動き・・・・・できるの・・・・・』


シキがぼそっと言った声が俺には聞こえ、俺はそれに心の中でうなづいた。


「早く行こうよキョウ。近そうだから夕方までは帰れると思うよ。」


リリがベレッタさんから詳しい場所を聞き俺にそう言って、扉の方に1人で歩いて行く


「キョウ、いってらっしゃい!リリ報酬が入ったら少しはお金返してね!」


ロゼッタさんが手を振りながらリリの後ろ姿に言った。

俺はロゼッタさんに手を振ってリリの隣まで早歩きで追いついた。


「う~分かってるって、ロゼッタ」


リリが苦い顔をしている。


『リリよ、昔から金にだらしない者は嫌われておったぞ。』


そこにシキの突っ込みが入った。


「う~・・・・シキに言われると心に響くよ~」


そんなリリの様子に俺は少し笑った。

初めての冒険だ。モンスターに会うかも知れない。何が起こるか分からないのだが俺は少しわくわくする心を感じている。


外は快晴だ、絶好の冒険日和である。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



私は今武器屋に来ている。

ここは昨日キョウイチ君とは来ていない。今日は私の武器、"魔銃"の点検と整備をお願いしに来たのだ。私の銃は特別製で、前にある遺跡の調査を行った時の戦利品だ。すごく繊細なので整備と点検をしっかりしていないと、うまく使えなくなるのだ。自分で出来ればいいのだろうが、あいにく私にはそんな技術はない。

魔銃とは魔法を打ち出す武器である。

魔法とは、本来魔力を持ったものが起こしたい現象を創造し、そして決められた呪文を唱えて初めて発動する。だがこの銃があれば、呪文を唱えなくていいのだ。魔法を発動するうちの三つの工程を二つに短縮できるのだから戦闘に置いてこれほど重宝するものはない。


「今日もお願いします。」


「はいよ、いつもどおり1週間で出来ると思うから取りに来てくれよ」


「はい分かりました。」


私は用事が思いのほか早く終わったので、ギルドへ行く事にした。

・・・・・・・・なんだかんだ言ってキョウイチ君達の事が心配なのよね

ギルドに着いて受付に向かった。

いつもどおりシャナちゃんがいて聞いてみると、2人はベレッタさんの依頼を受けて向かったと言っていた。

どうやら入れ違いだったらしい。私は2人を追う事にした。


ベレッタさんの酒場も今はちょうど昼時でたくさんの常連客が来ていた。

一階が酒場、二階が宿屋という作りなのでやはり冒険者が多い、何人かは一緒に仕事をしたこともある。私は1人なのでカウンターに座り、そこで私はロゼッタちゃんから事情を聞いた。

・・・・・・・どうやらまた入れ違いだったようね。


場所を聞いてもそんなに遠くないようだったので、危険がないと判断し、今日は本でも読みながらのんびり待つ事にする。忙しそうに動き回るロゼッタちゃんを呼びお昼を頼む。


・・・・・・・・・あの子達大丈夫かしら?・・・・

・・・・・・・・・リリが着いてるから大丈夫だとは思うけど・・・・・


サラの心配は宿屋の騒がしさに打ち消されていった。



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