そこは
「夢オチかよ」
そこがピコライト国でないことも、案内されていた城の客間でないことも一目瞭然だった。見知らぬ天井だけれども、見たことはある病室。現代的日本的一般的な病室である。勢いよく体を起こして辺りを見渡して思わず口走って見たものの、記憶が混濁しているのかもしれないと改めて時系列を確認しなければならなかった。まず自分は入院をしていた記憶はない。だから病室にいるのは、神隠しの件を調査しに行った後ということになる。
さらには、思い出してみる。カトゥンが叫んだ必殺技。英語にしてみよう。Magical・Absolute・Extreme・Reverse・Dimension。ただでさえ一つ一つの単語がなんだか物騒に思えて仕方ない。さらにはその頭文字を逆読みしてみよう。DREAM。
「やっぱり夢オチかよ。災悪、いや最悪」
自分だって危うく壊滅的に陥らせる呪文を唱えそうだったことは棚に上げてしまっている。とはいえ、あまりにも体感的にはリアリティがありすぎる。ヴァーチャル・リアリティとかフル・ダイブ型オンラインゲームというのはこういう感覚になるのかもしれない。
検温に訪れた看護師が目をぱちくりさせてからドクターを呼び、メディカルチェックをさんざん受けた。彼らの姿、言語からもここがピコライトではないことが容易に分かった。
さらに、しばらくして警察官まで現れた。事情聴取だった。聴取されているのだが、むしろ聴取したい気分だった。さすが治安維持に関わる役職である。察してくれたのか春日大に入院までの経緯を話してくれた。




