提出物。
第2話!鉄板中の鉄板ですが読んでいただけるとありがたいです。
誰だこいつ。なんか突っかかってきたけど俺別になんもしてないよね。怖い怖い。
「ちょっと!きいてんの!?」
「聞いてるって。でも、俺なんか言われるようなことしたっけ?」
「自覚ないの?ほんっと馬鹿ね。あんただけ提出物出てないのよ。そのせいで室長の私が職員室まで持ってくるように言われたの!さっさと出しなさい。」
そういえば入学式の日に出すはずだったのに忘れてたんだよな。
「ごめんごめん。今出すよ。」
そういって俺はプリントたちを室長に渡した。
「あなたがバカなせいで貴重な休み時間が減ったじゃない。あんたがちゃんと出してればこんなことにならなかったのに。」
そういって室長は教室を出た。職員室に向かったのだろう。
なにも本人の前で言わなくても。と思 ったが、これに関しては俺に非がある。文句を言える立場でないと悟った俺は黙って嫌悪感をしずめた。
少しすると、あたりをきょろきょろしていた可愛らしい女子がこちらにむかってきた。
「あの、、」
「どうしたの?」鵜木がこたえる。このとき、鵜木がちょっと変な顔をしていた気がした。
「あの子、根はとってもいい子なんでどうか嫌わないであげてください。」
「あの子って?」今度は俺がこたえる。
「話の流れも読めないのかお前は。第1今日俺らが話したのはあの室長だけだろうが。」
「そういえばそうか。」
「あっ、自己紹介がまだでしたね。私、波川和花と申します。」
そういって深く頭を下げた。
「俺、音瀬威月。よろしく。」
「俺は鵜木了。よろしくね。」
「音瀬さんに、鵜木さんですね。こちらこそよろしくお願いします。」
めちゃくちゃ礼儀正しい子だな。俺は素直に感心した。そんなことを思っていると、さっきの室長が帰ってきた。
「ちょっと和花!何してんの!?」
「音瀬さんと鵜木さんと少しお話しを、、、。」
「そんなことしてないでさっさと席に戻るわよ!」
そういって室長は波川さんを連れて自分の席に戻ってしまった。この言動を見せられていい子だなとは、、、、ちょっと思いにくい。
「なあ、」
「ん?」
「お前さっき波川さんと話してるときなんか変な顔してなかった?」
「別にしてねえよ。」
そうか。なら単に俺の勘違いだったのかもしれないな。
「そうか。ならいいんだ。」
「なんだ。威月のくせに人の心配か?」
「お前の目に映ってる俺はどんだけ非道なやつなんだよ!」
心外だ。俺はちゃんと人のこともちゃんと見えてるはずだ。多分。きっと。そうに違いない。
そう自分に言い聞かせれば聞かせるほど違和感が膨らんでいった。
今日の授業が頭に入らないくらい気になってしまう。
しかしあくまで他人のことだ。
いくら考えたところで結論は出ない。自分に言い聞かせて忘れることにした。
一方で、、、、、
「アリスちゃん、あんな言い方してたら嫌われちゃうよ。」
この子は隼美アリス。私の幼馴染で幼稚園からの仲で家も近い。
「だって、緊張しちゃってついきついこと言っちゃうんだもん。」
「その癖直さないと音瀬さんに愛想つかされちゃうよ。」
何を隠そう、このアリスちゃんは音瀬さんが大好きらしい。