新学期少女
こんにちは。料理ってあんまりしたことないんですが、やってみたいなとは思ってます。思ってます
さて、先日訪ねてきて一緒に暮らすことになった少女は小学生である。
その訪ねてきた日は3月、つまり春休み中だったわけである。
そして今日は3月最終日で世間一般的にはあと1週間ほどで新学期が始まるところまで迫っていた。
学校というものに通わなくてよくなってから数年が経ってしまっている純は、少女が小学校へ通わなければならないことを、すっかり忘れていてこの日にようやく思い出した。
「ねえ亜希ちゃん?そういえばさ、学校とかは大丈夫なの?すっかり忘れていたけど」
恐る恐る尋ねる。
「はい大丈夫ですよ。校区が同じなので転校とかはないです」
「そうだったんだ。でもごめんね、忘れちゃってて」
「そんな言ってなかった私も悪いんですし謝ることじゃないです」
少女はそう言ってくれたが、学校が始まればアルバイトが夕方からのシフトになっているので、下校との入れ替わりになり、少女を1人で留守番させることになってしまう。そうする訳にはいかない。外出してるときの合鍵を作っていない。そういったことも考慮していなかったことも含めの謝罪だった。
1週間後の月曜日、少女の5年生が始まる日になった。
「それではいってきます」
「うん、いってらっしゃい」
自分のためにも毎朝、少女を送り出そうと思っていたが、家を出る寸前になってしまった。明日からはもっと早く起きて一緒に朝ごはんを作って、一緒に食べよう。少女が用意してくれた朝ごはんを食べながらそう決意した。
朝食の食器を洗っていると改めて感じる。自分以外の人と暮らしていることに。1人分多い食器、増えた調味料の小瓶、キャラクター柄の生活雑貨、去年の自分が見れば羨ましがるだろう、ただその使用主が小学生であることを除いては。
今日はアルバイトのシフトが入っていないので、今朝の罪滅ぼしのためにも、少女が好物だと言っていた、オムライスを作ってあげようと思い、具材の調達とレシピを頭に浮かべながら、久しぶりに早く起きたので何かすることはないかと考えるが何も思い浮かばない。
とりあえず、少女にガッカリされないオムライスを作ろうと、卵を焼く練習をしてそれを昼食にした。
「ただいま帰りました」
昼食の具なしオムレツを食べ終わったところで、少女が帰ってきた。話を聞くと、今日は始業式と諸注意だけだったので昼までだったらしい。そんなことまで忘れてしまっている自分が情けなくなってしまった。
「お腹空いたよね、何か食べる?」
「焼いた卵の匂いがしたので卵が食べたいです」
「そうか、じゃあオムライス作ってあげるから、手洗ってうがいしておいで」
「はい!楽しみです」
「期待しないでね」
思っていたよりも早く、罪滅ぼしが出来そうだ。
1月中に投稿出来て良かったです。




