なつみらまいまい
何度も言いますがおふざけです。文章崩壊を覚悟の上お読みください。
M・Sたち読んでますか?
このおふざけ話。
ホントに面白いの?
あるところに、ココという少女がいた。ココは、たった今、一台のパソコンから出てきたパソコンの精霊だ。
「わぁっ、ここが地球かぁ。緑が多い所だね」
ココは、ここが地球と言うことしか知らなかった。辺りを見回してみると、女の子の部屋のようだった。
「ここ誰のお部屋なのかなぁ」
すると、部屋のドアがガチャリと開いて、部屋の持ち主が入って来た。
「うわーっお部屋の人が来た!」
「え⁉なになになになに、誰誰誰誰⁉」
部屋の持ち主は、ココを見て腰が抜けてしまった。誰だってそうだろう。自分の部屋に帰ってきたら、「うわーっ」と言いながら目をキラキラ輝かせてこちらを覗き込んでくる女の子がいるのだ。
……ロリコンだったら鼻血出してヒャッホーな展開だ。うわーっ。
「やっぱり女の子!あんまり可愛くないけど!でも愛嬌合っていいと思うよ!」
「なにがおきてるんだーっ!」
「わたしの名前は、ココ!このパソコンの中から出てきたの!」
「なにその設定ふるくさっ」
「貴女のお名前はー?」
「どうもリムドリです」
「リムドリ?」
「はい」
「だせェ」
「おま今なんつった⁉」
ココは、すぐに笑顔を取り戻し、リムドリに笑いかけた。
「これからどうぞよろしくお願いしまーす」
「えーえーえー無理無理無理。状況理解不可。わたしは一体何をすればいいのでせうか」
リムドリは相当戸惑っていますが、ココはそんなのおかまいなし。リムドリのお部屋を散策する。
「リムドリの絵?」
「そだよ。絵描くの好きだから」
「だせェ」
「出て行け!お前いますぐ出てけ!面倒みる義理がない!」
「だってわたし、このパソコンの精霊なんだもん」
「あ精霊なんだ⁉」
リムドリが目を回している様子がおかしいのか、ココはケタケタと笑って、リムドリの通学バッグに手を伸ばした。そして、
「うむむーっ、ていやぁっ!」
と掛け声をあげて、通学バッグをもう一つ作り上げた。
「え⁉わヤバい、やっぱりこの人ヤバい人だ。なんのドッキリだっての」
「ドッキリだーいせーいこーう。じゃないよ?じゃじゃーんわたしの魔法、分裂!」
ココは決めポーズを出しますが、リムドリの冷めた目に流されてしまった。ですが、ココの胸の中では静かな野望が燃えていた。
(絶対に、リムドリと同じ学校で楽しく生活してやるんだ!)
ラッキーなことに、精霊は飲食不要だ。つまり、学校の近くで寝泊まりしていれば……出来ない。
「わーっわーっできない!できないよリムドリぃっ」
「何が⁉突然何⁉お前さんさっきから怖い!」
「リムドリぃリムドリぃ……そうだ!」
ココは、さもいいことを思いついたかのように手を打って、満面の笑みでリムドリを見つめた。
「今日から一緒に寝ましょう!」
「性癖女ぁっもう二度と来るな!」
「えぇーっいーじゃーんリムドリー。一緒に学校行こうよぉ」
とまあこんな調子で押し切られ、リムドリはココを匿うことになった。
パソコンの精霊ココ。普通にモテる少女リムドリと一緒に共同生活。学校に行って楽しく孤立して人気者になる這い上がり系ファンタジー!なんかではなく、普通におふざけ精霊物語。開幕。
「リムドリ!この子は?」
「何かうちに来たココって人。今日から入学するんだってー」
「あーリムドリー、他人事ー!」
ココは、学校についてクラスメイトから質問攻めにされながらリムドリに不平不満を述べた。リムドリは迷惑そうにココを見下ろして、「ちょっと黙っててねーココちゃーん」と棒読みで言う。
「はいっ!分かりましたー」
とどこまでも能天気なココをよそに、クラスメイトの妄想はエスカレートしている。
「例えば、リムドリのうちに送り込まれたスパイとか!」
「えーこの子がー?」
「じゃ、リムドリのことが好きなアイツが作ったロボットで、思いをさり気なく伝えるための機械とか!」
「ないわー!」
リムドリは、目を見開いて二つ目の発言をしたクラスメイトを睨んだ。まるで、ココに知られたら面倒でしょ!とでも言いたげに。
だがココはその甘ったるい雰囲気にピピッと何かを感じ、にまにまとリムドリを見つめた。
「なぁにぃリムドリぃ、モテモテ~?」
「ちがうわ!何でわたしがモテるんだよぉ、寒気がする、おーっ、鳥肌」
「リムドリ超モッテモテだよ?」
「きゃーっ!」
「ぎゃーっ……」
ココは興奮したように叫び、リムドリは絶望したように呟く。その後、ココは色々と聞き込みをした。リムドリのことが好きな人、人数、ファンクラブ。
「ファンクラブ⁉わたし入りたいっ!」
「やめろぉマジでやめてくれココさん」
ココは、ファンクラブの話を聞いた瞬間舞い上がって喜んだ。たとえそこが男子しかいない汗ダラダラの熱血クラブだとしても。
ファンクラブの名前は『ゴリラーズ』。毎日五人に告白されているリムドリを狙い撃ちするためのファンクラブだ。
ゴリラーズは、顔がブスでも握力が30以上あればいいというルールだ。その途端、ココは絶望した。
「嘘、わたしそんなない……」
「とりま受けてみろよ!」
ゴリラーズ会員に引っ張られるがまま、ココは握力測定をした。
「じ、13……」
「へこむな!会員でなくとも、リムドリを愛する権利は人々に平等に与えられるのだ!」
ココが沈んだ瞬間、会長が叫んだ。それに合わせて、会員も雄叫びをあげる。それに合わせて、ココも絶叫する。
「「リ・ム・ド・リ!うえーっ!」」
「で、これはどういうことなんだいココくん」
「ご、ごごごめんねリムドリ!」
「きもい」
「うはぁっ」
ここは誰もいない教室。のはずなのに、壁の裏側でゴリラーズが待機している。もちろん、握力が13でもほぼゴリラーズ会員のココの応援に来ているのである。
リムドリはめさくさお怒りだ。ココを睨んで足を淡々と床に小刻みに打ち付け貧乏揺すりをしている。蔑んだ目、というわけではないが、「きもい」という言葉は確実に嘘ではない瞳をしている。
「わ、わわたし、ただゴリラーズ会員になって、リムドリのファンの位置をしっかり確保しようと思っただけなの!」
「きもい」
「うああぁぁ」
ココは、絶望したように肩を落としてゴリラーズ会長を見る。会長は涙ぐみ……いや、その範疇を超え、滂沱。涙の滝が瞳から溢れ出て、号泣をついでに顔面の穴という穴から液体を出す始末だ。
……こっちの方がよっぽどきもい。
「ね、ココ。お願いだからきもくならないで。まだ同居は許せる範囲内だけど、ファンクラブはナッシング。わたし欠乏症になってぶっ倒れるなんてこと、ないでしょ、ココは。ゴリラーズ会員はしょっちゅうそんなんだから、ココはそんな風にならないでください」
「うぅぅぅ……ゴリラーズ会員になって、もっとリムドリを応援しようと思ったんですぅ」
ココは必死になって言い訳するが、リムドリは厳しい顔でココを見つめる。その間にゴリラーズ会員(「はあぁっ、同居を許してしまうリムドリよ!君の慈悲の心は女神のようだ。是非オレを隣に、いや高望みは駄目か」と目を輝かせた瞬間に昏い瞳に変える会長除く)は、「「ど、同居、だと……⁉」」と叫んでいるが。
「じゃあ、喧嘩スタートします。3、2、1……」
「ちょ、リムドリさん何ですそのカウントダウン⁉」
「0。……あーもうわたしココのこととか大っ嫌いだからー?もう喧嘩するんでー」
「唐突な流れで喧嘩勃発!こんなん見たことないけどその喧嘩買ったぁっ!」
ココは、ガッツポーズを決めて椅子から立ち上がった。その様子を見て、ゴリラーズ会員(「その心意気、よし!認めようじゃないかココよ!」と顔をぐちゃぐちゃにして歓喜に叫ぶ会長除く)はハァとため息を着く。
「いい、リムドリ!たとえ何があったって、わたしは屈してあげないからね!」
「いーよわたしも屈しないからー?もう喧嘩してるしー、同居はまぁ許容しちゃうけどー」
緩いリムドリの喧嘩に、その場にいた全員(「リムドリ、君の優しい心にうぃずまいらぶ」と言ってバラバラ泣く会長除く)が落胆を隠せずに先程よりずっと深いため息を着く。
「ち、ちょっと何そのため息ぃ!しっかり本気で喧嘩してるつもりだしー!」
「リムドリ……頑張って、喧嘩しようね」
「宣戦布告になってないし~!ココ~!」
<しっかし驚いた。ココやるねぇ>
《ホント~。じゃ、そろそろ孤立も始まるころだし、向かいますか》
〔疲れるけど仕方ない!やるよ、みらい、なつみ!〕
<《まいまいは元気だね~》>
という会話が、ヒーロー界で繰り広げられていることも知らずに、ココは順調に孤立していっていた。
「ねぇ、何で孤立してるの、わたし」
「そりゃあ、リムドリと喧嘩したからに決まってっだろうが」
朝、ココは一人のゴリラーズ会員と相談をしていた。喧嘩してから三日、まだ仲直りには程遠い。会員は、眠そうに欠伸をしながらココに言う。
「仲直りするしかねぇべよ」
「突然の訛り⁉いきなり重要キャラフラグ立ててきた⁉」
「いらねぇよそのくだり。とりあえず、リムドリと一緒に行動してるところを見せるしかねぇべな」
会員改め、訛り会員は、ココの肩をポンポンと叩いて別の会員の下に走って行った。ココはため息を着いて、一人で学校に向かう。
突如、ココの耳元で聞き慣れない声が響く。
<ね、ココ、でしょ?>
「ふぇっ⁉あ、ひゃい、ココですが貴女は何者ですか?」
《人間じゃ、ないかな~》
〔だって、ヒーローだから!〕
<こぉらぁまいまい、ビビらせないのー>
〔ひゃーいみらい様ー〕
「え何なのこの会話」
いきなり、三人の会話が一気にココの耳に流れ込んでくる。背の高い美人の女子生徒、ココと同じくらいの背のミディアムボブの女子生徒、背が低くて可愛い女子生徒。
確実に目の保養になるトリオメンバーに囲まれ、ココは一人、「背の高さの違いがすげぇいいです」と零した。
「えっと、<>がみらいさん、《》がなつみさん、〔〕がまいまいさん、ということでいいですね?」
<あーあー敬語なんていらなーい>
《普通に友達カウントだから》
〔ラフに行きませう~♪〕
ココは、やっと状況を理解した。
この三人が、孤立状態にある自分を救い出し、人気者にしてくれるヒーローだと言うことを。
「ってこの設定謎過ぎ!大草原が瞼に浮かぶんですけれども⁉」
<大草原でもただの雑草でもいいから>
〔君を救えるなら、何でもいいのサ〕
《まいまいのかっこつけ、かっこつけられてないし》
と小躍りしながらまるで日常コントを繰り広げるヒーローとは思えない三人に、ココはため息を着いて衝撃の告白を口にする。
「あの、わたし、精霊だから、やろうと思えばヒーローの助けなんて借りずに自分を人気者に出来るよ?」
<《〔え?〕》>
「いや、例えばね、リムドリと喧嘩する前とかに時間、戻せたりとかね?」
<うわうわうわ>
《ずっるーココ》
〔チートは酷くない?〕
「ごめんねー、でもヒーロー三人と精霊一人が会話してるなんて誰も思ってないよねぇ。……ホントにヒーローなの?」
ココの疑わしい視線を前に、三人はむっとした表情を作って、全員で頷き合う。
<みらい!>
《なつみ!》
〔まいまい!〕
<《〔合わせて、なつみらまいまい!〕》>
三人それぞれの決めポーズを披露してみせる三人。急に現れる救世主の存在がいかに大切なものだとしても……
「だせェ」
<《〔おま今なんつった⁉〕》>
なつみらまいまいと出会ってから更に一週間。ココの立場は、学校の中で劇的に変化しつつあった。ヒーローの力、恐るべしである。
「まさかこんなにすごいヒーローだとは思ってなかった……逆の意味で」
ココは学校の人気者、更にはこの学校<なみまレンジャー>の緑として大活躍しているのだ。もちろんセンターの赤がリムドリなのは変わらないが、今となってはセンター変更も考案されている。
ココは緑!という定義があるようで、緑がセンターの見たこともないレンジャーが出来そうなのだ。
「でもねぇ……肝心のヒーローがねぇ」
ココは、疲れたように椅子に座りながらため息を着く。
「どったの、ココ?」
「え?あー、うん、何でもないんだけどねー」
「そ?なら良いんだけどさー」
相変わらずモテるのはリムドリ。ココはただの人気者だ。そこはきちんと守った上で、ココの立場はしっかりとしたものになっている。
今も、ココの席を取り囲む大勢のクラスメイト……いや、クラスメイト以外の女子と話している最中だ。奥の方にいすぎて声が届いていなかったり、姿が見えなかったりする者はいすぎて数えきれない。ざっと……30はいるだろう。下手したら40だ。すごいな。
「あ……ココ、あの人たちがまた呼んでる」
不意に、女子の一人がココに呼びかけた。その女子は比較的ココにもドアにも近い位置にいたため、すぐにココの耳にも入る。
「ココ~、あんな人に時間割いてなくていいよ~」
「もうちょい話してこ~」
ココの頭にも浮かぶメンツは、皆も予想できているようで、中にいる人たちまで気だる気にココを引き留めようとしている。
が、ココは「ごめんっ、ちょっと用事を頼んでたの」と言って、ドアに向かった。
「……久しぶり、なつみらまいまい」
<久しぶり~、どお?様子は?>
《見た感じいいと思うよ?》
〔うぇ~い、目標達成~〕
「え待って自分の置かれてる状況を知ってそんなこと余裕綽々で言える君たちに脱帽。いや脱帽しないけど楽観的+ポジティブすぎだろ」
ココは的確に鋭いツッコミを入れたと勘違いしながらなつみらまいまいを見る。
「さすがにさ……」
――わたしのためだけに自分を蔑ろにするヒーロー――
「だせェ」
<《〔おま今なんつった⁉〕》>
いや、嘘だけど、と前置きし、ココは本日11回目のため息を着く。
「あのさぁ、わたしのために自分の価値観下げないで良いからさ。三人ともバッチシ陽キャじゃん?もっと、楽しく青春学園生活謳歌だ!って出来ると思うんだけど。てか言ってるじゃん。わたし精霊だから、何でも出来るし」
ココが発した言葉に、なつみらまいまいは一度に首を傾げる可愛らしく綺麗に制服を着こなしたヒーロー共は、ココを見つめて一人一人呟く。
<はぁ?仕方ないじゃん、ヒーローなんだもん>
「こんなだせェヒーロー見たことないわ」
《えっヒーローってみんなこんなんじゃないの?》
「ちげェわ、もっとまともだわ」
〔ま~い~んだよ、結果良ければ全てよ~し!〕
「結果良くねェわ!むしろ悪ィわ!」
ココはツッコミ疲れでハァハァと息切れをしながら、額の汗を拭う仕草をする。人気者になっても変わらないオーバーリアクション。見ている側も悲しくなるのに、これが人気者なのだから……
「だせェ」
<《〔脈絡なさすぎて何も言えない!〕》>
「言えてる」
<《〔知っとるわぃ!〕》>
「ココ」
「ふぇっ、リムドリ」
「ひゃいっ、じゃないよ、もう」
「ひゃいっ、じゃないよ、ふぇっ、だよ」
「どーでもいーわ」
なつみらまいまいが<《〔知っとるわぃ!〕》>と叫んだ日の放課後。ココはリムドリに声をかけられた。
夕日の照らすクラスルームに、二人きり。ムードとしてはかなり上位に入る方ではなかろうか。
リムドリは、ココを見つめ、柄になく優しい笑みを浮かべる。
「すっかり、ココも人気者だね」
「うんっ!」
「まるでゴリラーズ会員事件がなかったようにね」
「うんっ!……うんっ?」
ココは笑顔でリムドリを見ながら疑問を返すと、リムドリは何事もなかったかのように笑い返して、ココに言った。
「カウントダウン。3、2、1……」
「えっ何⁉まさか人気者に成り上がったわたしを蹴落とすためのもっと酷い喧嘩とか⁉まさか既成事実を作ってわたしをまた孤立させるとか⁉いやいや、リムドリはそんな非情な事――」
「0。……よぅっし一緒に帰ろ~ココ!」
「ぎゃんっ!違うの!違うのよ皆!これはこれこそ、作った事実既成事実!信じちゃ最期にゃ地獄行き!転生転移完全不可――え?」
「何言ってんの、ココ。早く帰ろ」
ココはポカンとリムドリを見つめる。そして、花開くように満開の笑みへと――
「リムドリぃっ!」
「ココぉっ!」
リムドリはココを、柔らかく受け止めてくれる。そう、嬉しそうに楽しそうに、「ココぉっ!」……
「――とでも言うと思ったか」
「――へ?」
思わずリムドリに抱き着いたココの耳元で囁かれる冷やされた声。恐る恐る青ざめながら顔を離すと、そこには真顔のリムドリがいて――
「感動的には、終わらせない」
そう言って、リムドリは――
「ぶほぉぉっ――っ!げほっごほっ、げふっげぷっおえっぶぅっ」
「ところどころにゲップと嘔吐とオナラを混ぜるな」
「げふっ、変なタイミングでぐふっ、それで言うなごふっ」
「今度は吐血かい」
「うっさいわぁっ!」
真顔で首から上を高速で回した。
<いや、888>
〔見事なはっぷぃ~えんどぅ!〕
《この茶番劇の意味よ……》
ヒーロー界。
三人の美少女ヒーローが、楽しそうにわきゃわきゃと話し込んでいた。
《この制服、可愛かったけど、もうおさらばか~》
〔バイバイ~〕
<まいまいの割り切り方よ……!>
背が小さい女はぽいっと、背が高い女とちょうど中間の女は、大切そうに制服を空間にしまう。
<また、時間があったら、二人の様子も見に行こうね>
《そうだね~》
〔毎日茶番しか披露してないけどね~〕
三人は楽しそうに笑い合ったあと、さて、と立ち上がった。
<《〔また、身を粉にしてハッピーエンドを作りに行きましょう!なつみらまいまい、えいえいっ、おー!〕》>
「ねぇ、知ってる?」
「えー、何ー?」
「最近有名な、ヒーローの話」
「イマドキヒーロー?わたしは知んない」
「自分の社会での地位を没落させてでも、不幸な人をハッピーエンドに導く美少女ヒーローらしいよ。三人一組なんだって」
「ヒーローならパパっと解決、が定番じゃん。自分を不幸にしながら誰かをハッピーにするって……」
「精神パネェ」
「それな」
「人生の無駄」
「同じく」
「わたしんとこにも来るかな~」
「こないでしょ、阿保なの?」
「阿保」
「あー、そうでしたね。君はそういう人だった」
「でもね、わたしの友達にいるの、そのヒーローにハッピーエンドにしてもらった人」
「えっ⁉」
「その友達のこと、聞く?」
「じゃあ、聞いてみようかな。体験談なら、まだ信じられる」
「それはわたしに信じる価値がないと⁉」
「そこまでは言ってない」
「そこまでは⁉」
「はいはい分かりました。ほら、早く」
「はーい。えっとね、わたしの家の近くに同姓と同居してるんだけど、名前はね――」
END
ホントに面白かったの?
ねぇ、M・S!君の提案実行しちゃったからね!?
しょうもない話でごめんね⁉笑いのセンスゼロに等しいもんで、よぅ分からんです。