5.僕はパンチラ星人になる(『【20面ダイス二回振って17未満なら名状しがたい粘液生物にモゴモゴされる!】』(1回)、『今日のパンツ何色か教えて?』(永続))
おまたせしました!
2019/5/8 22:00~2019/5/24 22:00の間に3名の方から感想、イベントを頂きました! ありがとうございます!
商人家族が来て2日目。
サウ、ノルス、スカーとともに、僕は教会にて神父様の講義を聴いていた。
他にも村の子どもが何人か聴きに来ている。
今日の講義はスキルについての話。
「神は何故スキルを基本1つだけしかお与えにならぬのか。
何故スキルを2つ以上持つ者が稀に存在し、その者達が偉大な功績を成すのか。
教会の解釈はこうだ。
神は、常人には一生を費やしスキルを1つ極めるのが精一杯である、とお考えである。
だが、稀にスキルを2つ以上与えられる者は、それだけの数のスキルを極める器があると神がお認めになったのだ。
故にスキルを複数持つ者は、王族や貴族によって保護されやすい。
スキル複数持ちの者をたくさん所属させる事は、ある意味、権力の誇示と言えるのだ」
なるほど。
だからスキル2つ持ちは、特別な人が多いんだな。
僕もスキル2つ持ちだけど、ひょっとして僕も特別な選ばれし存在?
なんてね。
そんな存在だったら、こんな田舎村で燻っていないだろう。
◇ ◇ ◇ ◇
その夜、夢を見た。
夢と分かる理由は、見たことのない家の中に居たからだ。
木造の家の室内で、草を編んだ床、そこに、僕と茶トラのデブ猫が居た。
確か、肉球魔王様だったか。
「にゃー(よく来たなズーク君。ここは俺の所持する空間内だ)」
「こいつ直接脳内に……!」
「にゃー(ファミ○キください)」
「え? 何だって?」
「にゃー(冗談だ)」
理屈は分からないけれど、今は肉球魔王様が何を言ってるのか分かる。
僕の頭に、何らかのスキルで言葉を伝えているのだろう。
さすが魔王様。
「ところで僕に何の用で?」
「にゃー(あぁ、せっかく知り合ったんだから、別れる前に少しアドバイスをしてやろうかと思ってな)」
「別れる?」
「にゃー(こっちの神様が、過干渉するな、そんなに世話を焼くな、ってうるさくてな。
だからしばらくは会うのをやめよう)」
「過干渉? 世話?」
「にゃー(ヲーの翼チン竜や、キラーボアを倒したのは誰だと思ってる?)」
「その節は大変お世話になりましたぁッ!」
僕は綺麗な土下座を決める。
あのキン○マ竜がいつの間にか居なくなっていたのは、肉球魔王様の仕業だったとは。
もし肉球魔王様が居なかったら、僕はまた殺されてたってことだよね。
マジで感謝しかない。
ってか、こっちの神様がとか言ってたし、普通に神と会話出来る存在なんだ、すげぇ!
「にゃー(アドバイスというのは、スキルについて、だ)」
「スキル? 僕の【感想乞食】のこと?」
「にゃー(あぁ、ズーク君、まだそのスキルを使いこなしていないだろ?)」
「正直、よく分からなくて」
「にゃー(スキルとは魂の一部。磨けば磨くほど、宝石のように輝く。
スキルは無限の可能性を秘めている)
にゃーにゃー(スキルを使うことを恐れるな。それはズーク君そのもの、体の一部のようなものなのだから。
人生を豊かにするかどうかは、使い方次第だ。
スキルを嫌わず使ってやれ。
ズーク君は自分のスキルのことをあまり好いてはいないみたいだけど、それでは寂しい。
ズーク君自身がスキルと本気で向かい合って、スキルを、ズーク君自身を好きになれたならば、その魂は研ぎ澄まされ、スキルは次の段階へと進化する。
ま、頑張れ)」
「抽象的な話で、何が何だか」
「にゃー(要するに、出来そうもないと思っても、自分を信じてやってみたら案外出来る、って事だ。じゃあな)」
「あっ、待って」
僕の視界が歪み、夢は覚めてゆく。
◇ ◇ ◇ ◇
起きた。
何だか妙な夢だった。
5匹の猫達は既に起きていて、僕の家の壁をガリガリと爪とぎに使っていた。
やめてよ。
それにしても、スキルを嫌わずに使え、か。
いつもはスキルが勝手に発動するのに身を任せていたけれど、肉球魔王様がそう言うのなら、使ってみようかな!
「よーし、僕を甘やかしてくれ!
スキル発動! 【感想乞食】!」
テカー!
僕の額が光り、猫達が眩しそうにしてにゃーにゃー抗議している。
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スキル【感想乞食】を発動。
以下の3つの感想を得ました。
感想ポイントを3ポイント獲得しました。
『にゃんこにモテモテだけでなく幼なじみまで……!!ぐぬぬ優しいイベントなど生ぬるい!
うーむ、あんまり惨いのはちょっとアレだしうーむ。』
『面白かったです。自分の提案「遅効性モテモテ」が永続スキルになってしまったのが申し訳ないような気がします。』
『家畜系女子って中々斬新なジャンルですねw
猫系なら人でも有効な猫まっしぐらが地味に強力な気がしますw
さりげなくモテてるズークが妬ましいぜ…
そして安定のトミタ無双
ズークが堕落しそうなのは激しく同意なんで猫達の丸洗いだけで十分ですね
あまりの凄さに思わずポルナレフ化しちゃいましたがw
猫達もモフモフになりましたし、一休み一休み』
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幼馴染にモテてる……?
いや、昨日僕に迫ってきたミーアは、商人家族が雇った用心棒で、幼馴染じゃないんだけど。
僕を観察している人(?)達、割と大雑把に僕を観察しているらしい。
まぁ別にいいけど。
あとトミタって誰だ。
僕が堕落しそうって何だ。
勝手なことばっかり言いやがって。
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所持感想ポイントは9です。
所持ポイント数5以上なので、ポイント1使用、およびポイント3使用の効果が強制発動します。
まずはポイント1使用から発動。
イベントを1つランダムで起こします。(その話限りで効果は終了)
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僕の所持感想ポイントが貯まらないのは、強制効果分の4ポイント消費のせいなんだよなー。
これが無ければ、8ポイント使って好きなスキルを手に入れたり、好きなイベントを起こせるんだけど。
所持感想ポイントが実質12以上なければ使えないって、厳しいなぁ。
相変わらずの、宙に光のダーツボードが現れ、回り始める。
そして僕の側に光の弓と矢が現れ、弓が引かれる。
ダーツボードに書かれている文字は……
『毎朝1円玉がおでこに落ちきて起こされる(1円玉は残り、ズークくんのものになる)』
『ラッキースケベ(永続した場合ヒロインゲット……かも?)』
『スキル【不死身】を獲得』
……
この中で、一番来て欲しいのはラッキースケベだ。
近所のお姉さんのふとももに触れるかもしれないぞ。
来い、ラッキースケベ来い!
シャバドゥビタッチヘンシーン!
光の矢が的に射られた。
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ポイント1使用の効果は『【20面ダイス二回振って17未満なら名状しがたい粘液生物にモゴモゴされる!】』です。
効果は1回です。ダイスが両方17未満の目が出たらアウトです。
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おい肉球魔王様!
変なイベント当たったぞ!
何が『スキルは無限の可能性を秘めている』だよ!
思い出したぞ。
肉球魔王様は【困ったときには肉球大魔王様など】(効果はパル◯ンテみたいに来たり来なかったり、あっても微妙な感じで(=゜ω゜=))で出てきたんだ。
つまり、肉球魔王様の助言は微妙ということ!?
クソッ! 騙されたッ!
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なお、モゴモゴされるだけで無害です。見た目がアレで村人に見られたら評価だだ下がりになります。
目のどちらかが18以上ならセーフで、名状しがたいモフモフ生物にモフモフされるだけです。
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どっちが当たっても名状しがたい生物が出るじゃねーかッ!!
ふざけんなー!
まぁ仕方ない。死なないなら安いものだ。
セーフの確率は、16未満しか出ない確率を引いたものだから、1-(16/20)^2で0.36、つまり36%か。
およそ3分の1か。
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何を勘違いしてるんだ?
誰も1~20の20面ダイスだなんて言ってねぇ!
お前が振るのは0~19の20面ダイスだ!
セーフの確率は1-(17/20)^2で0.2775、つまり約28%!
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「3分の1どころか4分の1近くだ!?
ふざけるなクソがーー!!」
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さっそくダイスロール!
出た目は12、8!
名状しがたい粘液生物登場!
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ゴゴゴゴゴゴ!
畑から何か生えてきた。
紫色の巨大キャベツ?
何故かヌメヌメしている。
そいつが、地面から根を伸ばして僕を絡めてきた!
ギャー! 根もネバネバしてるんだけどォ!?
気持ち悪いぃいぃぃい!!
バクッ! モゴモゴモゴ。
僕は巨大キャベツに捕食される。
はぁ、はぁ、はぁ……体が火照ってきた。
このヌメヌメは催淫作用があるのか!?
それにいい匂い。
僕の意思とは関係なく、下半身が反応する。
こんな所誰かに見られたら……
「おい、あれ見ろよ」
「ズークが、ヌメヌメのキャベツに顔を突っ込んで、テンポゥルを立ててるぞ」
「可哀想に。女の子と縁がないせいで、あんな倒錯したプレイをしてるなんて」
「うっわ、キモっ」
「サイテー」
何でこんな時に限って村人が何人も近くに居て、こっち見てるかなぁ!?
っていうか助けてよ!
くっそ! この淫乱キャベツめ!
食ってやる!
僕はキャベツに歯を立てる。
ぬっちゃ、ぬっちゃ。
おおよそ野菜を食べてるとは思えない音を立てる。
ってかどっちかというと肉の食感だ。
うっ……!
うめぇ!
1時間後、僕はヌメヌメキャベツの中心を食い破って活動停止させ、無事に脱出した。
ついでにソイツをよく洗って鍋に突っ込んで、スープにしてやった。
2、3日分くらい持ちそうだ。
◇ ◇ ◇ ◇
・スカー視点
ズークが名状しがたい生物とイチャイチャしていた頃。
俺はノルスを教会の裏に呼び出していた。
幼かった俺達は大きくなり、ノルスは胸も大きくなり、魅力的な女性になった。
もう最近は彼女の事しか考えられない。
彼女が王都に行ってしまうから、一緒に居るために、俺の思いを伝えるのだ。
既に親父からは、王都に行く許可とお金を貰っている。
彼女のためなら、商人の下働きでもなんでもやってやるぞ!
「話って何」
「俺と……結婚を前提にお付き合いしてください」
「嫌」
嫌、いや、いや、いやぃゃ……(脳内エコー)
「うぉぉおおおおん!?」
俺は夕日に向かって走り出した。
(※まだお昼です)
◇ ◇ ◇ ◇
・ズーク視点
あぁ、酷い目に遭った。
やっぱこのスキル、クソだな。
仲良く出来る気がしない。
自発的に使用するとか、冗談じゃない。
家で猫をモフってると、スカーがげっそりした顔で玄関の引き戸を開けた。
「ズークぅ……」
「どうしたの? 何だか大好きな人に告白して撃沈したばっかりだ、って顔してるけど」
「その通りだよ畜生ッッ!! あー、やってらんねー!」
「そっか。なら僕が慰めてあげようか」
今こそ忘年会用に密かに特訓していたアレを使う時だ。
んんっ。
「(ノルスの声で)スカー……おっ○いに興味があるの?」
「!? ノルスの声!? どこだ!?」
「(ノルスの声で)いいよ、見せてあげる……」
「ってお前かズーク! お前がノルスの声真似してんのかー!!」
「あっはっはっは! あーーっはっはっはっっは!!」
「楽しいか!? 振られた俺の心をえぐる事して、楽しいか!?
この人でなしィィ!!」
「ひゃはははははは!!」
ぜぇ、ぜぇ……笑いすぎてお腹痛い。
スカーをからかうために特訓したかいがあったってものだ。
女声が出せるようになるまで苦労したけど。
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スキル【感想乞食】を発動。
ポイント3使用を発動します。
イベントを1つランダムで起こします。(効果が永続する)
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「うぉ、眩しっ?」
「あー、僕のスキルだよ。ごめん」
宙に光のダーツボードが現れ、回り始める。
僕の側に光の弓と矢が現れ、弓が引かれる。
びゅーん!
光の矢が的に射られた。
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ヤッホー、ズークくん見てる~~? 見てるなら今日のパンツ何色か教えて?
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「いつもと違うってか、何言ってるの!? 嫌に決まってるだろ!」
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へっ、そうかい! なら強制パンチラ発動だ!
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「は?」
僕は首を傾げた。
◇ ◇ ◇ ◇
・ノルス視点
スカーに告白されたけど、ズークへの思いがこれぽっちも揺るがなかった。
やっぱり私にはズークしか居ない。
ズークに振り向いて欲しくて、オシャレを勉強した。
都会の可愛い服に、香り付きのリップ。
アクセサリーは、派手にならない首飾りを1つ。
ズーク以外に声をかけられたくないから、前髪はわざと伸ばしている。
どうせ男子なんて、私の胸しか見てないし。
ズークの前で、そっと前髪を上げて顔を見せるんだ。
ズークには借金があるけれど、大した額じゃない。
私が立て替えてあげる。
で、私がズークを店のお手伝いに雇う。
王都で、同じ屋根の下で寝泊まりするの。
妄想していたら、ズークの家の前まで来た。
よし、言おう。
借金を代わりに払ってあげるから、王都に一緒に来て、って。
ぴかっ。
スキルが発動した光が引き戸の隙間から溢れる。
しばらくしたら収まった。
よし、入ろう。
「……お邪魔します」
「にゃーん」
「ひゃっ!?」
どすっ!
私の足元に来た子猫を避けようとして、コケた。
「いたた……。…………!!?」
スカートがめくれ上がっていて、ぱ、ぱ、パンツがズークとスカーに…………丸見え!!?
「ごくり」
「これはパンチラ……って僕のスキルせいなのか!?
うわぁぁぁあゴメン、ゴメンよノルス!」
頭が真っ白になって、
「きゅぅぅ……」
「ノルス!? ノルスが気絶したぞ!?」
「しっかりしてノルス! ……息はしてるな。
神父様の所に運ぼう、彼は医療知識も豊富だから」
「よし、俺は上半身持つから、ズークは下半身を持つんだ!
せーのっ!」
「(ノルスの声で)やぁん、胸触っちゃ駄目ぇ♪」
「ふざけてる場合じゃないぞズーク!?」
目が覚めたら、教会のベッドで横になっていた。
ズークとスカーが、意識を失った私を運んだのだと、神父様が教えてくれた。
この気絶のせいで、念のために絶対安静ということで両親からしばらくの外出禁止令を食らい、両親とサウ、ついでにミーアは王都に向かってしまった。
私は、村長の家にしばらくお世話になり、コッチノ町の医者が診に来るまでこの村で待機、だそうだ。
ミーアに関しては、仕事が終わったらまっすぐこの村に引き返すつもりらしい。
彼女が戻ってくるまでに、ズークを落とさないと。
ズーク君の残り所持感想ポイントは5です。




