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老ウサギと性格の悪い白猫のいる日曜日

「老ウサギと性格の悪い白猫のいる日曜日」

 昨日は僕の方が早く起きたのに、今日は妻が先に目覚め「早く起きて」とうるさく言う。僕が先に起きたときは、そんなことは言わないのに。どうして彼女が先に目覚めたかというと、今朝は天気がいいからだ。

 昨夜眠る前に飲んだビールとつまみの生協のチョコレートが胃に残っていて、食欲がない。それでもコーヒーを2杯飲み、トースト1枚、トマト1個、レタス2枚、ウインナー2本を食べた。僕は朝食をしっかりとるタイプなのだ。

 BS放送では福留が出場しているゲームを放映していた。シカゴカブスの球場はものすごい。外野フェンスは枯れた蔦がびっしりと覆われている。日本だったら絶対に認められないだろう。試合の方はカブスがパイレーツを大差でリードしていた。福留は満塁のチャンスに押し出しの四球を選んで打点1、渋い働き。

 快晴なので、ペットのウサギを裏庭に放つ。こいつはもう12歳くらいのよぼよぼウサギで、白内障のため目も見えない。体も硬くなって走ることもできない。(まっすぐ歩くこともできない)それでも食欲だけはある。よたよたと歩きながら、裏庭の雑草をむしゃむしゃと食べている。もう一匹、性格の悪い白猫も最近外に出ることを覚えて、家の近所をうろうろしている。友達なのかライバルなのかわからないキジ猫(通称ワチュネコ)と対峙している。この白猫はずるくて、自分の家の人間が近くにいるときはワチュネコを挑発し、いないときは逃げまくるという技を持っている。

 僕が2階の部屋で掃除機をかけていると、妻が下から「後でパンパンしといて」と言ってきた。洗濯物の皺を叩いて伸ばして干してほしいということだ。僕は洗濯物の皺伸ばしは好きではないが、洗濯物を干すことは結構好きだ。白いTシャツやカッターシャツが風にゆらゆら吹かれているのを見ているのは、なかなか気持ちがいい。下着類やタオル、ズボン類などは見ていてもつまらない気がする。(この日は都合4回洗濯物を干すことになる)

 ときどき裏庭に出てよぼよぼウサギが大丈夫かどうか点検する。網かごを移動させて違う場所で草を食べさせているのだが、案の定ひっくり返って動けなくなっているときがあった。

 夕食をとり、後片付けをしたらいつのまにか8時になっていた。珍しくNHK大河ドラマを観る。主演の宮崎あおいのおでこが面白いと妻はいつも言う。娘は鼻が面白いと言う。

 よぼよぼウサギは自分の家に連れ戻され、うつらうつらしている。性格の悪い白猫も家のどこかで眠りをむさぼっている。

 こうして僕の平和な休日は終わるのだ。



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