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広告とはるやまのDM、そしてドストエフスキー

 僕は基本的に広告というものを見ない。

 たとえば新聞の折り込みチラシやインターネット、雑誌に掲載されている広告などほとんど興味がない。ただしテレビのCMだけは例外で見てしまう。なぜかというとテレビCMは面白く、映像作品としての完成度も高いものがあり、ついつい見入ってしまうのだ。しかしテレビCMに触発されてその商品を購入することはない。

 だが妻のように日常品を買う人間にとっては、新聞の折り込みチラシなどの情報は貴重だ。ときどき彼女から「牛乳はササオカ薬局が安いから買ってきてくれ、ティッシュペーパーはどこどこが云々」と携帯電話のCメールに指示が入り、僕はいそいそと支持された場所に行く。家計を管理している者にとっては、様々な広告の情報が役に立っている。

 このように購買意欲の少ない僕でも、必ずチェックしている広告がある。それは何であるか? それは紳士服メーカーはるやまのDMだ。そのDMの情報でスーツやブレザージャケットなどが、どれだけ安く買うことができるのか知るためである。(なぜ「あおやま」でなく「はるやま」なのかはとくに理由はない)

 どうしてこの件だけ広告をしっかり見ているのかというと、僕がお洒落だからではない。それは僕の仕事が一応外回りの営業だからである。

 営業の仕事をしている方はおわかりかと思うが、世間一般の常識として、人間やはり第一印象が非常に重要である。(僕は一般常識というものが嫌いだが)そして営業職において、会う人間に不快感を与えないことが最低条件となっている。

 そのような消極的な理由であまりファッションに興味がない僕でも、年相応の格好をしていなければならない。だからスーツやブレザージャケットがくたびれてくれば、買い換えなければならない。だがこのような種類の服というものは、動きにくくて汚れやすいくせに、値段が高い! ような気がする。僕はこういったものにお金をかけるつもりはさらさらない。(けちな性格なのだ)だから一定期間使用に耐えて値段が安ければそれでよい、というあまり志の高くない購買方針を実践している。

 余談だが、あのドストエフスキー氏は洋服を新品同様に長持ちさせる技? を持っていたらしい。服の管理の仕方やブラッシングにその秘密があるらしいのだが・・・・・・ついでにこれも余談だが、そのドストエフスキー氏は子どもの前では、いつも糊のきいたシャツにネクタイをしめピシッとした格好だったとか。(家にいるときの話です)彼にとってみれば、フォーマルなファッションのほうが、リラックスできたのでしょうね。さすが世界の文豪は違う!

 話はもどるが、結局僕にとって広告とは、極めて限定された商品を欲するときだけに、有効に機能するのだ。それ以外のときは、馬の耳に念仏である。(最近は人の耳にも念仏のような気がする) 



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