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家族からひんしゅくをかう猫

 我が家の猫は五月に飼われ始めたので「めい」(メスで避妊手術すみ)と命名された。この雌猫の素行に問題があることはたびたび述べてきた。

 先日も裏庭で12歳のよぼよぼうさぎの面倒をみていると、めいが隣の庭の境目で居心地悪そうに佇んでいた。どうしたのかなと辺りを見回すと、通称「ギャング」(白地に黒ぶちのちょっと強面のネコ)が物置倉庫前にドーンと座っていた。めいはギャングにびびって、自分の好きなところ(倉庫の前)をとられてしまっていて、困っていたのであった。

 私の姿を見つけると、「ウニャ」と言って、偉そうにギャングの前に進み出た。私がめいと一緒にいるのでギャングは渋々その場を離れた。するとめいは「ウーッ!」とギャングを威嚇した。そして寝転んで背中をごしごしと地面にこすってみたりしてギャングを挑発するのだ。まさに虎の威を借るめいである。

 私は少々あきれてその場を離れると、めいは状況が変わったと察知したのか、ギャングに向かって「ニャーン」と甘ったれた声を出したのであった。

 そのことを家族に話すと、妻も娘も「情けない!」と言い、めいに軽蔑の眼差しを向けるのだが、めいは我関せずと知らん振りをしている。

 めいの前にまるという雄猫を飼っていたが、彼は弱いくせに自分のテリトリーを守ろうと外敵に果敢に立ち向かい、怪我をしては帰っている猫であった。当時、家族のみんなは、「こんなにひどい怪我をするのだったら、戦わなければいいのに」と彼を諌めたのだが、まるは戦うことを止めようとはしなかった。

 そんなまるのイメージが家族に残っているので、みんなは要領よく立ち回るめいに対して時折冷たい視線を投げかける。だけど、めいは全身真っ白なふわふわな毛に覆われており目は澄んだブルー。見た目は可愛いし、なおかつ甘え上手なので、ついつい可愛がってしまうのが猫好き人間のさがなのだ。そして彼女もそのことがわかっているのではないかと、家族の者は疑っている・・・・・・



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