3
ついに戦いの日が来た
アシュレイ学園の入試日だ
これに落ちれば潜入など夢のまた夢 だから決して落ちる訳にはいかない
それにこの入試はノルトエンデが運営している
いわばこれはノルトエンデとの戦いといっても過言ではないだろう
ならば俺は決して負けるわけにはいかない
そうして俺は確かな足取りで進みそして試験会場であるアシュレイ学園へとたどり着いた
試験は筆記と実技だ
筆記はこれまでルナさんにスパルタで教えられてきたがそれでも解けるかどうかはわからない
俺は入試の勉強をして来た訳ではないからだ
ならばやはり実技でぶっちぎるしかない多少は目立つかも知れないが仕方ないだろう
今は受かることを考え全力で取り組むだけだ
午前は筆記試験で午後からは実技だ
そして今俺は筆記試験を終え今はお昼休みだ
筆記試験は簡単すぎて舌を巻いた
だが簡単すぎて逆に本当に合っているのかと心配になってくる
やはり実技でぶっちぎるしかだろう
ちなみに俺はお昼は一人で誰もいない屋上で取っている
すると屋上に誰かが来た
「あら? ここなら誰もいないと思ったのだけど先客がいたのね」
女の子が俺に向かって喋りかけてい来た
その子も俺と同じく私服を着ていることから受験生なのだろう
そして俺は何か話さなければと思い彼女を見るとそっと息を呑んだ
その子は腰まである艶のかかったブロンドの髪をたなびかせ色白の肌にぷっくりと紅い唇少しツリ目がかった瞳にそして出るところは出て引っ込むところは引っ込む端整の取れた肉付き
そんな彼女の容姿はまるで全て黄金比で描かれた絵画のように美しかった
「ちょっとボーっとしてどうしたの?」
彼女が不機嫌そうに尋ねて来た
不味い思わず見惚れていた
「あーえっと次の試験のこと考えてたから」
「あらそう?」
と言いつつも彼女は納得のいってない感じだった
やはり苦しすぎる言い訳だっただろうか?
「ねえ私のこと考えてたんでしょう?」
っつ図星をつかれ思わず顔をしかめる
「はー貴方もなのね」
彼女はガッカリしたような諦めたようなそんな表情を浮かべる
やはり彼女ほどの美人にもなるとそういった苦労もあるのだろう
「まあやっぱり校長の娘ともなれば気にかかるのも当然だしここに来る間に少し慣れたわ」
なるほどやはり校長の娘という苦労が……
ってえ? 校長の娘?
「君のお父さんってアーノルド・アシュレイ?」
「え? 貴方知ってたんじゃないの?」
「いや知らなかったけど……」
「え? じゃあなんで私のことあんな見てたの?」
っつまさかの返しにビクッとなる
「どうしたの?」
急にビクッとなり不審に思ったのだろうか聞いてくる
「いやえーとそうこんな人気のないところに来たからビックリして」
我ながらめちゃくちゃ苦しい言い訳だと思う
こんな言い訳では誤魔化しきれな……「ああ成る程」
あれいけた
「そういえば貴方はどうしてこんな所に?」
「あーえーと人が多いのは苦手だから」
「あらそう」
「あ、うん」
なんだろう反応が薄いが寂しいやつとでも思われたのだろうか?
「そ、そういえば試験の方の出来はどうだったかしら?」
ん? 急にどうしたのだろうか
まあここは嘘をつく理由もないし正直にいうか
「筆記はそんなに自信ないから実技で頑張ろうかな」
「そうなのねまあお互い頑張りましょう」
筆記が自信ないと言ったら暗い顔をされたが一体なんだろう?
「あ、うんそうだね」
試験前のちょっとした昼休みが終わった
まさか監視対象の娘と会うことになるとは思わなかったが……
そしてこの時は彼女との出会いが俺の人生観を変えるとは夢にも思わなかった
ついにヒロイン登場です
気になる名前の方は後ほど
ブクマ 評価 感想頂けると執筆の励みになります