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ヒューっとビル風が吹き闇夜にひとつの風が吹く


ビルの屋上にはひとつの黒い影が見える


「ターゲット視認」


魔法で視力を強化した目で3人の屈強な男に護衛された1人のおっさんを見つめる


そして大型の狙撃銃を構え躊躇わず引き金を引いた


闇夜に一瞬の閃光が爆ぜる


スコープを覗くとターゲットが赤に染まり横たわっていた


「ターゲットの死亡を確認これより帰還する」


そして少年は闇世の中に消えた





「ボス今戻りました」

目の前には歴戦の戦士のような佇まいで腕を組んだ男が立っている

「おつかれベルナンド任務はどうだった?」

「余裕だった」

「はっは余裕か一応相手は引退してはいるが魔導騎士団の隊長だった男だぞ」

「遠くから殺ったから」

「お、おうそうか」

ボスことアレクさんが引き攣った顔で言う

どうしたのだろうか?


「……ハアボスの俺が隊員より弱いってこのままじゃボスの威厳が……」


ボスが何かブツブツ言っている

本当にどうしたのだろうか?


「ボース黄昏てどうしたんですか?」

横から艶のかかったヴァイオレットの髪をなびかせた美女がやってきた


「あらベル君任務おわったの?」

「はい」

この人はルナさん5年前にここに来てから何かと世話を焼いてくれている

この組織の清涼剤のような人だ


「もう相変わらず無表情なんだから笑った方が可愛いわよ」

「可愛いって俺男ですよ」

「いやぁー可愛いに性別は関係ないんだよ」

何故かドヤ顔で言ってきた


ルナさんは確かにいい人だがことある事に俺に女装させようとしてくる

ここに来た最初の日は俺はまだ10歳であどけない顔をしていたので襲いかかられたことは今でもトラウマだ


だが今では身長も160cmちょいと普通の人と比べ小さいものの少しは伸び顔も凛々しくなったはずだが

子供扱いされてるようでなんか悔しい


そう思い少しルナさんを睨みつけると

「はう!?」

何故か嬌声をあげた

「はあはあ年下に睨まれるのもジュルリ……」

ルナさんのスイッチが入ってしまったようだ

不味い逃げるか

とそんな時鶴の一声がかかる

「ベルナンド任務終わりで悪いんだが次の任務がある」

「え? もうですか?」

「ああすまないだが今アジトにいる中ではお前にしか頼めない依頼だ」

「分かりましたそれで誰を殺るんですか?」

「いや今回は暗殺ではなく潜入だ」

「潜入ですか?」

「そうだ」

「場所は?」

「ジャパンのアシュレイ学園だ」

「そうですか」

「お前絶対どこかわかってないだろう」

「はい」

「ハアーここはノルトエンデが直轄の学校だ」

「っつ!?」


ノルトエンデ 正式名称は神聖ノルトエンデ帝国

100年前太平洋に突如として大陸が出現した

それにより島国であった日本とユーラシア大陸は陸続きとなった

迅雷の如く現れたノルトエンデは魔法という未知の力により世界を瞬く間に征服していった

ノルトエンデの理念は力こそ全て それ故に弱きものは淘汰される弱肉強食の世界が出来上がった


だがその理念に反し100年経った今でも反抗している勢力がある

それが俺たちナイトレイヴンズだ

通称カラスと呼ばれている

俺たちの活動は不正を働き民を苦しめる物を糾弾することだ

だがその対象にはノルトエンデもその他も区別はない

弱いものを不当に苦しめる者には等しく裁いてきた そう死をもって


そういつもなら俺は暗殺の仕事なんだが今回は……


「あの潜入って本当に俺じゃないと……」

「ああお前ももう15歳だ だから年齢的にお前出ないとダメだ」

「えー年齢なら俺とアリア同い年ですよねあいつでもいいんじゃ……」

「いやアリアは任務が立て込んでてな」

「じゃあ俺が代わりますから」

「いやもうお前で決定してるから」

「えー」

「お前どんだけ人と関わんのやなんだよ」

「そりゃいやですよ」

「まあこれもいい機会だと思って頑張ってこい」

「そうよベル君人と関わるのが上手くなれば魔法も進化するかもよ」


魔法とはもともとこの世界にはないモノだった

だがノルトエンデが現れたことにより同時に魔素という物質が出現した

魔素とは魔法を発現させる素だ 魔素がなければ魔法は扱えない

しかし魔法は誰もが扱えるというモノではなかった

魔法が使えるかは血統によって決まる

そのため魔法を扱える家は特別視され貴族制度のような物が現代で復活した

魔法は血統によって依存するだが稀に血統に関わらず突如として魔法を発現するものが現れる

そういう者たちはイレギュラーと呼ばれる

ちなみにナイトレイヴンズは全員イレギュラーだ

話は戻るが魔法の進化とはどういった経緯で起こるかは謎に包まれている

修練を重ねて進化に至る者もいれば急に至る者もいる

だが進化へと至るには何か精神的なきっかけを必要とするのかも知れない


「まあルナさんが言うなら……」

「おいルナの言うことには素直に従うのかよ」

「いや別にそう言うわけじゃ……」

「……俺ボスなのに……」

ボスが何か呟いてるが気にしない

「それじゃあルナさん行ってきます」

「うん! ベル君行ってらっしゃい」


こうして15年間住んだ故郷イタリアを離れ異国の地日本へと旅立つことになった

まさかこの潜入が自分にとって分岐点になるとは思わずに……




不定期で連載します

リアルの事情によりなかなか投稿出来ない日があるかも知れません

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