魔法の呪文東欧考察
「トラウゴッドの件がなんとかなりそうで、次は、童話のカテゴリー問題(>_<)
プリンセス・シシィーの登場で、大河風味になり始めてきたわ(T^T)」
作者は、頭をかき回す。
………。仕方ありません。
このまま、時代をあわせて進めると、トトのいる時代に第一次世界大戦がっ、 世界大戦の勃発です。
「そうですね…。でも…、あなただって、『ベルサイユのばら』を見ていたではありませんか。
しっかり理解できていたでしょ?
祖母世代だって、そんな経験があるのですから、少し歴史的な難しい問題が入っていても、それで即、カテゴリー違いをとられるとは思いませんよ?」
私は、思い付いた話を考えずに口にする。
実際、この後の話は、私にも予測がつかないのです。
「フランス革命…(ーー;)」
作者は、そう呟いて、ベルばら主題歌『バラは美しく散る』を再生した。
「………。アンタ、1話の雰囲気から、この世界観に合わせられる?(;_;)
わたしゃ、泣きたくなるのを通り越して笑いが込み上げてきたわ。」
作者は、インスタントコーヒーを乱暴にカップに振り入れながらお湯をついで、ため息をついた。
「確かに…。ほのぼのした短編でしたのに…。」
私も呟いて差し出された乱れたコーヒーに手をかけた。
つい、最近まで、トラウゴッドで悩んでいたと言うのに…
それが終わってから、まさかの激動の大河展開。
さすがに、疲れてきました。
「そうよね…。まさか、ウィーンで、こんなに混乱するとは、
と、言うか、オーストリア史がまるっと抜けて生きていたことが驚きよ。
最初の童話の構成は、『オーデション』のアンコールがわりの音無の作るサイコな童話だったのに…
トトが可愛くて、話が大きく変わっちゃって、
ああ、思えば、ヨーゼフ・シュトラウスなんて出さなきゃ良かったわ(ーー;)
と、言うか、シュトラウス家の物語は、ワルツの優雅なものでは無かったのね…。」
作者は、再びベルばらのOPを聞きながら苦笑した。
「でも…1章は良い感じの物語でしたよ。
ポイントも頂きましたし、沢山の方に読んでもらえましたからね。」
私は、コーヒーに自分をうつして苦笑した。
「…そうね。文字数の確認をする度に、あの消えてないブックマークと評価点に慰められるわ…。
そして、この展開で、ポイントくれた人、怒ってないか心配になるの。」
作者は、歌のさびの部分を静かに胸に染み込ませていた。
「まあ…、大丈夫ですよ。確かに、激しい時代背景が加わってきましたが、エリザーベト…プリンセス・シシィーの登場は、ロマンを加算しても、軽減はしませんから。」
私は笑った。
実際、アクセス数も激減はしていませんし、
元の設定から、それほど外れてはいないのです。
逆に、丁寧に時代背景を描写する事で違う読者を引き込める可能性もあります。
つまり…外からの検索で来てくださる読者の方です。
「ふふふっ。浪漫…。確かに、エリザーベト妃は美しい方よ。
マリー・アントワネットに負けないくらい。
しかも、旦那のヨーゼフ・1世は、姉と見合いをして、付き添いで来た妹のエリザーベトに一目惚れして、姉さんとの婚約破棄をしたんだよ(ーー;)
なろうで流行りらしい、婚約破棄。
実在の皇帝の…
婚約破棄!
タグ、つけるべきかしら?」
作者は、からかうように私を見る。
でも、こちらで人気の婚約破棄とは、少し、事情が違うようなので、タグをつけるのはやめた方が良さそうです。
「本気ですか?」
私は、作者を見た。
「まさか…。はぁ…。でも、一度、しっかりと考察するべきよね。
歴史エリアの設定ノート、『茶色いノート』の方でね。」
作者はコーヒーをぐっと飲んで穏やかに微笑んだ。
「まあ…仕方がありませんね。」
私は、少し疲れが見える作者の目元を見つめて苦笑する。
私の作者は、物語の種を無自覚に発芽させてゆく。
でも、全てを同時に動かせなくとも、忘れたわけではありません。
ウィーンの近代史を知ることは、後の世界大戦、ドイツ革命をよりよく知ることであり、
ヒトラーとナチスの物語へと続いてゆくのです。
と、言うことで、いきなり変な会話劇が挿入されていますが、ご了承ください。