作者、無怖公に混乱す2
なんだか面倒くさいキャラに遭遇した。
色々考えても先に進まないので、もう、書く。
無怖公・ジャン1世、語ろうじゃないか!
この人、何度かジャンヌダルクを調べていて登場したけど、こんなキャラじゃ無かったのに。
なんだろう?レクスと言うキャラクターを秀吉をモデルに作ったりしていたからか、無怖公、なんだか織田信長みたいなキャラとして、頭の中で話が爆走中だ。
(;_;)もう。なんだかなぁ。
こいつのせいで、一週間考えていたローファンタジーな設定はかき消えた。
さよなら伝説のイス
さようなら100万円の物語。
なんて、悲しんでもいられない。
とにかく、書いて落ち着こう。
全く、なんでこうなったかと言うと、無怖公、最後の十字軍に参加して、捕虜になったエピソードがあって、それを見ていたら、頭の中で話が始まってしまったのだ。
他の人は知らないが、私には度々こんなイベントが発生する。
思えば、こんな設定をさらすハメになったのは、ノストラダムスの父ジョームからだった。
まあ、それはいい。
この人は、無怖公と呼ばれている。それはオスマントルコと戦い、捕虜になり、帰ってきた猛者だからだ。
無怖公というのは、無鉄砲の意味もあるらしい。
そんな男だから、きっと、捕虜になっても命乞いなんてしなかったと思う。
「捕虜の価値?私にはそれはない。父ならムザムザ捕まった子供の為に、敵に戦費を渡すような愚かな真似はしない。子供なら他にもいる。さあ、ひとおもいに殺るがいい。」
史実は知らないが、私の頭の無怖公は、そう言ってトルコ兵を睨んだ。
wikipediaで軽く見ると、捕まった捕虜は裸にされて、生かす価値のある人間と、ない人間に分けられて、価値がなければ殺されたらしい。
この当時、トルコ人の考える捕虜の価値はなんだろう?
なんとなく、昔調べたプラド3世のエピソードを思い出した。
プラド3世もまた、オスマントルコに人質にされたけれど、その後、国に帰ったプラド3世が、イスラム教に改宗させられたりしてなさそうなので、その辺りは話が通じる相手、将来外交の助けになる人物を価値と考えていたと設定した。
確かに、身代金が高い方がいいが、後に恨まれて仕返ししてきたり、話し合いが出来ないような人物は早めに始末したのではないかと考えた。
で、無怖公。とりあえず助かる。
この戦いにヴェネチア共和国も参戦していたので(海軍だったみたいだけど)。捕まった捕虜のヴェネチア人が、トルコ人に口を聞いたのだ。
ヴェネチアは、地中海の海路を支配していて、オスマントルコともつきあいがあるし、彼は身分が低いが、アラビア語の読み書きとトルコ側の人脈もある。
彼は、トルコ人にこう説明する。
「私が保証する。彼は20万フローリンの価値のある男だ。」と。
無怖公は、驚いてそのヴェネチア人を見る。
彼は、初めての会合で貴族出身の騎士達にバカにされていた人物で、無怖公が助けた人物だ。
このヴェネチア人は、無怖公だけを助けるつもりだったが、無怖公がそれでは牢を出ないと言うので、彼の仲間も仕方なしに助ける。
この時、アラビア人の進んだ知識や、世界に触れることになる。
この時代、まだ、ヨーロッパよりもアラビアの方が学問が進んでいて、天文学なんかも、ヨーロッパ人が教わる側だったはずだ。
後に、ルネサンスにメディチの人間がアカデミーを開くけれど、それはまだまだ先の話だ。
無怖公は、ここでアラビアをはじめとした色々な国の人物と知り合い、また、教養もつけたことにする。
多分、史実は違うかもしれないが、これは、習作の習作のサイドストーリーで、こんな事に関わっていたら、本編に私が死んでもたどり着かなくなりそうだから、軽く設定だけしておく。
とにかく、無怖公のとーちゃんは、20万フローリン払ってジャンを解放してもらう。
この時、無怖公は、父親に愛情と信頼を感じたに違いない。
で、この捕虜生活の中で、本当に信頼できる親友を手にしたことにしよう。
ニコポリスの戦いでは、ヨーロッパから殆どの騎士団が参加したみたいだから、ここで無怖公は、ヨーロッパの騎士団との繋がりを持つことにしよう。
そんな無怖公。1412年、イングランドの裏切りに怒り狂っている。
が、捕虜時代の厳しい生活を経て、表だって感情をあらわになんてしない。
吠える犬は殴られる。
冷静沈着でなければ、生き残ることも、人の信頼も勝ち得ることが出来ないからだ。
と、まあ、こんな感じでさらりと設定した。
この人、それほど有名でもないし、人気があるキャラでもないので、あまり資料もないし、史実とちがうかもしれないが、これでいこう。
ただ、無怖公の息子フィリップ3世は、ジャンヌダルクの話では悪役になるものの、善良公と呼ばれていて、
羊毛騎士団を創設したり、
北方ルネッサンスに貢献したりしている。
こんな人物が、ジャンヌダルクを殺されるのを分かってイングランドに売り渡す仮定には、私は、父親無怖公への愛情がある気がする。
和平の席で父親を殺させたシャルル7世(直接手を下したわけでも無さそうだが、藪の中だ)。
彼が神に選ばれた王と認める事が出来なかったように思うからだ。
21世紀を過ぎて、ジャンヌダルクの悲劇とともに悪役にされるフィリップ3世。
当時は、ジャンヌダルクの人気の中で、それを実行するのは、強い信念が必要だと思う。
そして、フィリップ3世にそんな強い信念が生まれたのは、父親がそれに価する人間だったからだと思うのだ。
何度も内乱と和解を繰り返した、アルマニャックとブルゴーニュ。
普通なら、こんな少女をイングランドに売らなくてもいいはずだが、500年を過ぎても悪役になるとしても、それをしたのは、神に対して問いただしたかったからではないだろうか?
主よ。私の父をムザムザ殺させたこの男を、本当に助けるつもりなのですか?