ジャンヌダルク考少女期4
日本の戦国時代の略奪について、うろ覚えの知識で書いて行こうと思う。
その本では、日本では奴隷制度が発達しなかったと、書いてあったと思う。
奴隷ではなく、日本では奉公制度が普及したとかいてあったと思う。
まあ、大雑把なイメージで行くと、一生誰かに所有されるのではなく、労働力のみを売買する…
どちらかと言うと、派遣社員のようなイメージが私はした。
で、日本の兵士でも下の身分の人達は、村やら町で、略奪したものが給料なのだ。
ここでも、やはりドラマや小説では、野蛮な雑兵が町を襲い、火を放ったり、女子供を連れ去る話が出てくる。
が、火を放ったり、建物を壊す行為は生産的ではないし、第一、自分達の給料を減らす行為である。
相手が白旗をあげた時点で、そんな行為はしないのが、どちらの利益にもなる。
が、恐ろしげな兵士が来ただけで普通はパニックになって、円滑に物事はすすまない。
ここで登場するのが商人だ。
商人は、兵士と行動を共にし、戦後の処理…取引をすすめるわけだ。
心身売買と言われれば、悪いイメージになってしまうが、
値がつくと言う事は、村の人達は、相手側にも利益をもたらす…つまり、宝物になるわけだから、よほどの事がなければ、自分の能力で身を守ることが出来ると言うわけだ。
100年戦争とはいかなくても、戦国時代も長く続いたし、子供の頃から奉公に出されるのは、普通の事、と、いう設定ですすめる。
戦後の日本でも、仕事がない不安定な状態の時は、次男、三男が大工として出稼ぎに出たと聞いた。
まあ、戦争なんて破壊行為の繰り返しなのだから、大工仕事は、需要はあるのだろうし、
大工は国をまたいで職人の人間関係があったようだし(神社や寺を通したのか?)
子供の頃に奉公に出掛け、親方とその筋の知り合いを作ると、派遣の話は早いのだと思う。
だから、戦争で殿様が負けて、敵の兵士がやって来ると、ここで花いちもんめが始まるわけだ。
遠巻きに、ガラの悪そうな下級兵士。
その前を進むのは、商人だ。
彼らは固く閉じた家の戸を叩き、長老に話を始める。
広場に男たちが集まり、戦争の賠償金として、金を払えと村人は言われる。
みんな不安になるが、こんな時、交渉役の商人を知ってる者が一人でもいると空気が変わる。
「ち、ちょっとまてよ。アンタ、金ちゃんかい?」
村人の一人が商人に声をかける。
商人は、声の主を見つけて懐かしそうに返事をする。
「え?八ちゃん?ああ、ここは八ちゃんの村か、そうか、そうか。」
と、商人と村人が笑いあい、この辺りで少し雰囲気が変わってくる。
家にこもる女たちは固まって、料理をはじめる。
おとぎ話でも、飯をごちそうになれば、鬼だって情を感じて暴れたりしないのだから、怖い顔でも人間の兵士なら、なおの事、この村に好感を持ってくれるに違いない。
「そんな顔しなさんな、大丈夫、アタシが給仕をしに行くからね。
アタシの踊りを見たら、男たちはアタシの言いなりだよ。」
村一番の陽気な元芸子の姐さんか明るく笑い、
真面目そうな女が、押し入れに若い娘を入れ込むと、「良いと言うまで出ては行けないよ。」
と、注意をする。
小さな子供たちは、母親に怒られながらも不安そうにまとわりつき、
10才を過ぎた少年は、外に出て隠れるように遠くから、男たちの様子を探る。
が、商人が知り合いと言うことで、賠償の話は格段と早く進む。
出稼ぎ経験のある人間は、自分のスキルによって派遣先と、月賦払いにされた自分の身代金の交渉を始めた。
「金ちゃん、ふざけちゃいけないよ。俺はこれでも宮大工として10年働いてたんだ、年季は4年で十分じゃ〜ねえかい?」
「八ちゃん、ふざけているのはアンタの方だよ。
稲の借り入れと村祭りには暇を貰うつもりだろ?6年は頑張ってもらわないとね、うしろの兄さんたちにも示しがつかないというものだ。」
と、話を進める中、男慣れしている村の女とバーさんが、煮物と握り飯を持ってくる。
顔こそは怖いが、兵士もまた、人の子だ。
しわくちゃのバーさんに、自分の亡くなった祖母を重ねて、しばらくぶりの芋の煮物を、家庭の味に人の心を思い出す。
少し、甘いだろうか…
でも、私の話では、これでいこうと思う。
本の題名も忘れたが、あの本を読んだとき、こんな風景が見えたのだ。
家族は自分の身代金を稼ぐために、全国にチリジリとなり、
それをまとめ、連絡をつける…サーバーの役目を寺や神社、そして、商人がはたしたと、そんな設定にする。
で、日本の中心、人の行き交う信州では、これらの情報が、ネットの掲示板のように流れ、
それを分析する人物も現れるのだろう。
武田信玄のスパイの原点をこの辺りから作り出そうと思う。