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茶色いノート  作者: ふりまじん
おまたせしました ゲオルグさん
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ホラーファンタジー2

「でも、『ラジオ大賞』でファンタジー設定が二つありましたよね?

そのどちらかでも選ぶのが大変なのに、どうしてこちらの話を使う事にしたのです?」

私は、先の予測をしながら聞いた。

『ラジオ大賞』で、主人公のスミレは、短編の小説を公募に送るのです。

物語の終わりを考えるなら、この設定で話を作るのが普通で間違いはないのです。

「まあね…でも、私の実力で初長編一発勝負はキツいわ。

本命前に一度、向こうのサイトの雰囲気をつかみたいのよ。」

「それなら、スミレの作品でやればよろしいでしょ?

なにも、こちらのキャラクターの話にしなくても。」

私は不安になりながら、少し強めに否定する。


大体、この人の変な思いつきで『パラサイト』はエタり中なのです。


私の抗議を聞きながら、作者は、口を尖らせて私をにらむ。


「それ、私だって考えたわ。

でも、それだと、物語の性質上、ジローが本当に死んでしまいそうで嫌なんだもん。

あと、微妙に小さな勇者と老騎士がハッピーエンドから遠退く感じがする(-"-;)

今ですら、くちべらしとか、飢饉とか…ヤバイ感じになってるんだもん(;_;)

もうさ、金稼いでも、名古屋なんて…

慰安旅行なんて、当分行けないのは分かってるじゃん。


でも、私、筆が遅いから、夏の話を書いてるの。

まだ、希望があった夏の…(T-T)


まさか、コロナ、超進化するなんて………。


泣きたくなるわよ。


でも、だからこそ、少しでいいから…っても、500円は欲しいんだもん。


二回公募に応募すれば、例え、250円だったとしても、二回でギリ、500円になるじゃん。


それに、一度、偵察すれば、本命で作戦もたてやすくなるし。


と、言うか、本当、私の文章って、いくらの価値になるんかね(T-T)


それが知りたいわ。」

作者は、不満を吐き出すように叫ぶ。


不安なのですね…


私は、眉間を寄せて口を尖らせる作者の頭を軽く撫でる。


確かに、初めての事は誰でも戸惑いますし、

年配になれば、若い人ばかりの所で必要以上の恥をかきたくはありませんから、慎重にもなるのかもしれません。


それに…『ラジオ大賞』の雄二郎は、剛さんに似すぎていますから、この時期、死を予感させる話はあまり考えたくはないのでしょう。


私は、芸能人のコロナの発病のニュースを心配そうに見ていた作者を思って胸がつまる。

私だって…この作者(ひと)が発病したら…そう考えるのは恐ろしいのです。

「そうですね…。確かに、こちらも随分と更新していませんでしたし、考えてみるのも、悪くはありませんね。」

私は努めて明るくそう言って立ち上がった。


それから、嫌な考えを降りきるように、作者に少し歩きましょうと言った。


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