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茶色いノート  作者: ふりまじん
魔法の呪文
498/499

面倒

 血糖値がどうとか言いながら、作者はケーキを食べている。

 私はそれを楽しそうに眺めている。

 穏やかな午後。でも、作者には物思いに悩んでいた。


 作者の物思いの種は2つある。夏のホラーをなんとかしたいというのと、幽霊作家の軌道修正をしないといけないということだった。


 「まずは、夏ホラーをなんとかしなきゃね。」

しばらく、飲み食いをしていた作者は急に私に言った。

「わかりました。で、どんな話にするのでしょう?」

私は作者を見る。作者はゆっくりと考えて、話し始める。

「短い手紙文にするつもり。ワトソンの手紙って、少し面倒だけど、もう、考えるのはやめようと思う。」

作者は苦笑する。それを考えるまで、ホームズのドラマと本を読み込んでいたのですが、何か、決めたのでしょうか?

「はい。」

「この話は、『パラサイト』と『通り魔』とも関係が出てくるから。と、いうか、『幽霊作家』も加えて、なんでこんな、似たふうな話になるのか、頭が痛くなるのよ。」

作者は不満そうだった。しかし、私には、どの作品も作者との懐かしい思い出の物語だった。

「まあ、一人の人間が考えることですから、なんとなく、似てくるのだはありませんか?」

と、今度はオレンジを加えたアイスティーを作者に渡す。ナンシュガーですから血糖値は気にせず飲んでいただきたい。

「そうだとしても、なんで、こんな伏線みたくなってるのかしら?と、いうか、今回のワトソン先生の手紙の話だって、元から離れているじゃない。」

作者はそう言って話し出した。


 明智小五郎デビュ−100周年。

 新世紀の小五郎は、やはり、有名人とのコラボをしようと作者は考えた。

 ホームズの著作権が切れたことで、乱歩先生も諦めた有名作品とのコラボが、我々でも出来る時代になったのです。

 江戸川乱歩はルパンと明智を戦わせたかったようですが、実力のない作者は、乱歩、ドイルのファンに突っ込まれない新たな組み合わせを考えました。

 ジョン・ワトソンと明智小五郎。そして、ミステリーから自然科学分野に移行します。

 まあ、この辺りまでは良かったと思うのですが、これが切り裂きジャックを追い詰める、そんな話にsたことから、いろんな問題が登場するのです。


 「そうですね。舞台は今から100年前。1925年。パリ万博にやってきた明智小五郎というのは、面白いとは思うのですが。」

私は苦笑した。

「そうね。私も、ここで、決め手を病気にしようと思ったのよ。だから、ワトソン先生が登場するんだけれどね。切り裂きジャックなんて考えたから、面倒なことになったのよ。」

作者は深くため息をついた。

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