484/499
春分8
乱歩様は自作の青春ものです。
2021年執筆を開始しました。コロナの真っ只中で友人と名古屋に、そして、大阪に行く約束を夢見て描いた作品でした。
2025年今年は明智小五郎のデビュー100周年でもあるのです。
しかし、よく年、友人が突然死し、そこから作者は混迷し、と、同時に物語の登場人物も混乱することになるのでした。
2025年の約束。自分が果たせなかった夢を登場人物達には叶えて欲しい。
それは作者の願望です。
「本当に、この話面倒臭のよ。」
作者は仏頂面でぼやく。
「そうですね。」
私も深くため息をつく。
この物語が面倒に陥ったのは、2021年、コロナのパンデミックの時に描いたことから始まります。
時代を正確に決めた物語の場合、様々な社会状況がついてまわります。
コロナについては書き直しで回避しましたが、明智小五郎の100周年だけはどうにもなりません。
2025年、小五郎のデビューに何かを起こさなければ物語は完結しないのです。
つまり、今年、物語の決着をつける必要が生じるのです。