霊廟2
「しかし、オープンワールドを作るって大変なんだね…
弥助の話、なんか、酷いことになってるもん。」
作者は深くため息をつく。
「御神体を…破壊出来る機能が炎上したのでしたのでしたね。」
「うん…あれは、日本人には衝撃だよ…
色々あったけど、まさか、あんなのあるなんて考えなかったわ。」
作者はため息をつく。
「そうですね。侍は、意味もなく神社に武装して破壊行為何てしませんからね。」
「うん。天皇陛下だって、神殿に入られるときは身を清めて正装されるわよ。
私の子供時代は、フィクションでも弥助、海外からの客人として配慮する人物として語られていたわよ。
ペットや芸人とか、ひどい言われようだけど、そう言うことじゃなくて、ポルトガルとの外交問題をさけるために戦闘行為なんてさせないでしょ?
なんで兵士にしようと考えたのか…しかも、インテリと言われる人達がそれに違和感がなかったのが呆れるわよ。」
作者はため息をつく。
「確かに、このままでは外交問題になりかねませんからね。」
実在の神社で蛮行が出来る仕様のゲームをリリースはさすがに、氏子や信者の方々を…有権者が政治家に要望をだす可能性も出てくるでしょう。
「うん…宗教施設の破壊でもさ、比叡山の焼き討ちくらい有名な話なら、まあ、分からなくもないのよね。まあ、御神体とか仏様を壊したら、さすがにダメだけどさぁ。でも、気持ちは理解できるわ。」
「でも、時代が違いますよ?」
比叡山の焼き討ちは1571年。弥助が来日する随分前の話です。
「まあ、ね。しかし…面倒臭いことをしてくれたわよ。これで、実在する名所とか扱いづらくなるし、この同時期に…芸能人のオンラインカジノの問題が出てくるし(T-T)」
作者は渋い顔をした。
「オンラインカジノは関係ありませんでしょ?」
「あるんだよ…清貴のオープンワールドは、商売が出来る仕組みにしようと考えていたから、でも、オンラインカジノの問題をみていて、金を稼げれば、悪い奴も沸いてくるって事を思い出させたんだよぅ…
全く、これから作品書こうって時に、やめてほしいわ。」
作者は頭を抱える。
そんな作者に私は、チョコを1つ、渡した。
それからドビッシーのピアノ曲『月の光』を再生し、幻想のタージマハルを登場させる。
「知ってますか?満月の前後、数日間は夜間、タージマハルを拝観できる事を。」
私の質問にチョコを口に入れながら作者は頷く。
「うん…昔、憧れたわ…行ってみたかったわ。月光に輝くタージマハル。
私は、タージマハルを見たことも、異国の宗教もわからないけれど、皇帝のお妃様への愛は、この建物から感じるわ。
言葉や人種や習慣が違っても、人を愛する気持ちは同じだって思えるの。」
作者は私の肩に寄り添ってしばらく、美しい幻想を見つめていた。
「それで良いのではありませんか?
ただ、好きな気持ちを表現する為に作られた世界で。」
そう、愛する気持ちは…ただ、それだけで心を豊かに、幸せにしてくれるのです。
貴女が…私にそうしてくれるように…