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茶色いノート  作者: ふりまじん
魔法の呪文
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ゲームシナリオ7


いつのまにか、夜風は秋のもの寂しさと冷気をまとっています。


それでも、毛足の長い冬用の絨毯に敷き変えたこの部屋は温かい光に満ちています。

今夜は作者の笑い声も追加されています。


私は、お土産のアメリカンクッキーとミルクを温めます。


穏やかな秋の夜長…


BGMは落ち着いたjazzにしましょうか…


「さて、弥助の話をするか。」

作者は苦笑しました。

今回、他の連載を止めてまで参加を目指した秋イベントは参加できませんでした。

未完でも参加は出来るようにはなりましたが、しなくて良かったと私は考えているのです。


「秋のイベント…残念でしたね。」

私の言葉に、作者は苦笑してコーヒーを口にしました。

今日はブルーマウンテン。私からの慰めの気持ちです。

「うん…色々、混乱するけどまあ、あれはあれで続けるよ〜

でも、今日は弥助の話をしよう。」

作者が笑います。

「はい。」

私も笑い返しました。


物静かな秋の夜が我々を包み込んで行きます。


「まあ、弥助ブームも沈静化してきたみたいだけれど、私は、あの時代に未完があるから考える必要はあるんだよね。」

作者は少し疲れたような笑顔を私に向けた。

「はい…レクスに続く謎ですよね?」

昔、話した物語の案が脳裏をかすめる。

「うん…それと猿酒…。あの話、2回目のユニーク100以上を取れた話で、音声テキストって売り方に、読者からエールを貰ったのよ。」

作者は嬉しそうに目を細める。


あれから…数年が経過してしまいました。

あの話を楽しんでくださった読者の皆さんも、我々を忘れてしまったかもしれません。


「そうでしたね。」

切なくも懐かしい思い出が込み上げます。


あの頃は、本気で一万円は稼げると信じていましたよね?


作者の達観(たっかん)した顔に、なにか、突き上げるような焦燥感が込み上げてきます。


夢を…信じていきてほしい…


それは、口に出して言ってはいけない願い。

そんな事は、本人が一番、辛く思っているのでしょうから。


「本当は、気のきいた短編のアンコールを書くつもりだったわ(T-T)

〆切間違えて未完を抱える…今の私には辛い記憶だけれど…

でも、短編の主人公は明智光秀だったわ…

あの頃、書いていたら、きっと、私も、よくある悪役で作っていたと思う。

でも、今回の弥助の件で、様々な事を仕入れたわ。

乱歩先生が、自作の探偵に明智の姓を与えた理由がわかった気がしたもの。

いつか…そんな話を書いてみたいわよ。」

作者は嬉しそうに笑う。

そのやる気に私もつられて笑う。

「それでは、明智光秀の話でもしましょうか?」

と、言う私に作者はため息をつく。

「違うわ。今回は、弥助の目線で物語を追うのよ。

様々な視点で話を考えると、奥行きが生まれるもの。」

作者はニヤリと笑った。

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