ゲームシナリオ6
作者と昭和歌謡を聴きながら小説を考える…そんな至福のひととき。
時間は矢のごとく過ぎて行き、彼女が帰った後の秋の夜長は…時が止まったかのように遅く、ぬるく流れてゆくのです。
なにもしたくない気持ちを励ましながら、辺りを掃除して、食器を片付けます。
一応、作者も手伝ってはくださいました。食洗機で乾燥も済ませた皿を私は、丁寧に拭き始めました。
BGMにはワーグナー。
当分、クラッシックの話題は無さそうですから。
歌劇タンホイザーより『夕星の歌』を
この曲は、ヒロインのエリザベートに片恋をするヴォルフラムが、死を間近のエリザベートを想い、歌う独唱曲。
なんでも、気持ちを静めるのに良い曲なんだそうです。
夕星とは、宵の明星の事です。
様々な解釈がありますが、私は、キリスト教の騎士であり、信仰と一途な愛を貫くヴォルフラムの見上げる宵の明星は、ビーナスなどと言う異国の女神ではなく、キリスト教の伝説から、騎士と世界を悪魔から守る大天使ミカエルを選びたいと思うのです。
♪愛しい姫の命の終わりを告げるように
夕日が大地を赤く染める。
谷は既に、死に装束に…漆黒の衣を纏う
暗闇に昇天する彼女の魂が闇の嘲笑に怖じけてしまわぬように
星よ、彼女を導いておくれ
そして、お前に打ち明けた、私の想いを
天国の扉をくぐるその前に…
伝えておくれ
少し、蛇足と脚色をしましたが、こんな風な歌詞でしょうか…
ふと、ポンセの『エストレリータ』を思い出しました。
どうも、男と言うものは星に女性を思うものなのかもしれません…
お皿を拭き終わり棚にしまいなおします。
本日は、星がとても綺麗です。