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茶色いノート  作者: ふりまじん
魔法の呪文
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ゲームシナリオ5


穏やかな秋の夕暮れ。

私はカレーを作っています。居間には作者が何やら調べものをしています。


暑い日が続きましたが、クーラーをつけずに静かな夜を迎えられそうです。


ご飯が炊けて準備が終わると私はカレーと共に作者の元に。


今日はシーフードカレー。作者の好きなイカを増量した特製です。


「ご飯にしましょう。」

私の声に作者は笑顔を返す。

「はぁっ…カレー素敵。」

作者は嬉しそうに笑いました。

「はい。」

私も笑いました。




夕食は静かに、しかし、楽しく進みました。

作者は物語を話はじめました。


「やはり、ゲームシナリオとすると、シナリオライターを作りたくなるよね。」

「脇役が増えて…エタりますよ?」

心配になってきました。

「いや、ただの設定だよ。

ピンクレディーの曲を聞いていたらさ、なんか、色々と思い出してさ。

それに、書く人を決めると客も決まるんだ。


イメージは、子供の頃、作ったシナリオを令和の現在、たまたま見つけた主人公が、現在のパソコンを使って作ろうとする…

そんな設定でかんがえるわ。」

作者に言われて、何となくイメージが浮かびました。

80年代、パソコンは100万円は用意しなければいけないような高価な品物でした。

ですから、パソコンがあるのは会社等で、子供や家庭には普及はしていませんでした。


まだまだ、ウインドゥズは登場していませんから、色々と…そう、ただ、起動するのも…消すのすら、大変で面倒なものだったのです。


緑色の電色で、写真なんて載せるのも大変な時代…それでも、子供たちには憧れの存在でした。


テレビゲームもまだ、出始めで、この頃、ゲームをするように読める『ゲームブック』と言う作品が一時、人気になりました。


選択肢を選んで、そのページを読む、そんな作りでした。


現在の複雑なゲーム作成を子供が考えるのは難しいですが、

80年代の少年は、既存のゲームの地図を書き、アイテムやモンスターの細かな情報を記し、熱心にゲームを楽しんでいたのですから、アナログなゲームのシナリオを考える子を想像するのは容易(たやす)いですし、

機械関係の現在の進歩を考えれば、年を取り、定年になって、そんな少年時代のシナリオを見つけたなら、復活させて作りたいと考えるかもしれませんし、中年層の読者を狙えます。


「でも、それだと、パソコンの知識が必要になりませんか?」

心配になって聞いてみると、作者は優しく笑った。

「だから、私が作るのは80年代のノートの部分よ。

80年代少年が、夢を見て、ピンクレディーが恋の歌を歌うような。」

夢見るように語る作者に、主人公の『彼』が見えるような気がしました。


「で、弥助は、『スーパーモンキー孫悟空』のイメージなのですね。」


少しだけ、イメージがわいてきました。

戦国武将と言えば、誠実でしっかりして、キリキリしたイメージですから、体が大きく、おおらかな三枚目の弥助は、それだけで目立ちますし、存在感が生まれます。

「うん。人に言われると恥ずかしいわね〜でも、そんな感じ、戦国武将からみて、あきれるけれど、憧れもあるような、そんな存在で考えるわ。」

作者が楽しそうに笑った。

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