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茶色いノート  作者: ふりまじん
魔法の呪文
458/499

ゲームシナリオ


雨です。

秋の雨、と、言うには蒸し暑い陽気ですが、既に、10月…そろそろ、作者の公募作の一次選考も結果が発表される時期です。

どんな結果になりますか…

否、結果がわかっているのです。

が、あの作者(ひと)の次の行動が読めないのです。

最近では、なかなか、こちらにも来てはくださいませんし、

このまま、忘れ去られてしまいそうで、少し、寂しくも感じるのです。


コーヒーを作りながらの物思いは、少し、甘さのあるほろ苦い気持ちになります。


本日は、モカを。


一昔前には、喫茶店で頼むと言えば、モカ、でしたが、最近は高級品になってきました。


ドリップします。


優しい香りが私を慰めます。

今日のデザートは何を用意しましょうか?


コーヒーをカップに入れると、作者が裏庭からひょっこり現れました。


カップを…作者の為にカップと…何かデザートを探しましょう。




「なんかね、弥助のゲーム、危機なんだって。」

作者はクッキーをサクサクと美味しそうな音をたてて食べながら言いました。

「発売が延期されるのでしたね?」

私の答えに作者が渋い顔をした。

「なんか、弥助の存在事態、消される可能性もあるんだって…それもなんだかなぁ〜っておもうのよ。」

作者は不満げに頬を膨らませる。

「それは、大変ですね。」

「うん。なんか、もと案では、服部半蔵が登場するとか噂があったけど、私は、弥助推しなのよ。設定は違うけれど。」

「随分と不満がたまってそうですね。」

「あら、そうでもないわ。不満はあるけど、ここに来て、攻略不可能に思えた、ジャンルVRゲームに投稿できそうなんだもん。」

作者の笑顔に未完の予感が込み上げます。

「新ジャンル…ですか。」

「そんな嫌な顔しないでよ〜ここで考えた事をゲームのシナリオっぽく書き直すだけだから。

別に、それほど人は見ないだろうし、整理用に書くだけだって。」

作者は笑った。

「未完が増えますよ。」

「まあ、ね。でも、全ジャンル制覇は、夢だし、変なゲームっぽい話を投稿するより、いい気がするんだよね。」

作者は笑う。

「…それで、どうするのですか?」

私の質問に、作者はノートを取り出した。


「まず、好きに書いてみようとおもうのよ。

これを逃したら、もう、ゲームシナリオなんて思い浮かばない気がするもん。」

「そうですね。」

確かに、作者はゲームは好きではありません。

「うん。イメージは80年代のRPGかな。それくらいだと、『おやくそく』も少ないだろうし、手探りかんもあるし。」

作者は笑う。

この笑顔に…私は弱いのです。

ああ、ため息と共に批判するのを諦めてしまうのです。

「で、どんな風につくるのでしょう?」

「今回は歴史物だし、大筋は見えてるじゃない?

80年代の雰囲気を醸して、素人の手探りかんを出しながら書いて行くと、あのジャンルでも批判は少ないとおもうのよ。」

作者は嬉しそうにペンを走らせる。

「80年代の雰囲気…ですか?」

「うん。基本は冒険もの。あの頃は…ゲームよりアニメの方が人気も認識率も高かったし、今より、漫画や小説に寄せた内容で釣っていたのよ。」

と、作者は昔話を懐かしそうにする。

「そうでしたね。基本、ゲームは、知っている物語の、見えない部分を掘り下げるイメージで作られている印象でしたね。


もしも、自分が主人公なら、

海賊として

騎士として

泥棒として

探偵として


どう行動するだろうか?


それが基本だった気がします。」

「うん。昔はドット画で、画像で魅せられない分、内容を重視していた気がするわ。こうして、考えてみると、私でも、見えない部分が理解できてくるのね。」

作者は笑う。


「そうですね。確かに、シナリオライターも、機械の性能を考慮して話を作る必要があるのですね。」

なんだか、少し、楽しくなってきました。

作者の弥助は…どんな冒険を繰り広げるのでしょうか?

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