コンタクティ30
穏やかな秋の昼下がり。
私は作者の為にお茶を入れるのです。
本日は、作者の好きなパン屋さんのロールケーキ。
贔屓のお茶屋さんから分けていただいた、取って置きのほうじ茶を。
「しかし…難しいわね…コンプライアンス…」
作者の深いため息をつきました。
「まあ、一服、しましょう。」
ロールケーキをテーブルに置くと作者は笑顔を見せる。
「ありがとう(^-^)」
「で、何を悩まれていたのでしょうか?」
私の質問に、作者は思い出したように顔を暗くする。
「いや、ね、モザンビークを持ち上げるグッツに、吹き矢や弓、ブーメランを考えたんだけれど…
今のご時世、吹き矢とか弓は、おもちゃでもダメなのかと思ってね。」
作者は深くため息をつく。
「おもちゃ…確かに、現在は色々と昭和とは違いますが、まずは、先を考えませんか?」
そう、考えすぎて私から離れるのは…寂しいのです。
「うん。そうだね。で、さあ、やっぱり、弥助のブーメランはV字にしようと思うの。」
作者は決心したように真顔で私を見た。
「はぁ…」
なんと答えるべきだったのでしょうか…しかし、私が返事を思案するまもなく、作者は右手で私のコメントをブロックしながら話始めた。
「わかる、わかってるわ。V字にすると、批判が来るかもしれないって言うんでしょ?
でも、いいの、これは伏線だから!…多分。」
「たぶん?」
「うん(//ー//)、古代のエジプト人は、オーストリアまでたどり着いていたから、大丈夫だとおもう。」
作者は赤面し、口を尖らせながらそう言った。
「エビデンスは?」
「なんか、昔、テレビで見た。壁画に書いてあった。」
作者は破れかぶれにぼやく。
「壁画って…テレビって…それ、調べましたか?」
もう、なんと危なっかしいのでしょうか。
「調べない(>_<)いいの、調べると、未完が増えるから、とりあえず、進める。
批判が来ても、私の記憶が正しければ、ナイトが助けてくれるからっ。」
「ナイトって…」
「なんか、私の見方のオカルト知識チートのコメンテーター('∇')
居なければ、私が、論破られて終わり…」
と、言いながら、『子連れ狼』のテーマを歌わないでください。
『子連れ狼』とは、小池一夫さんの人気の時代劇です。
劇画漫画から、ドラマ、映画と昭和の人気のコンテンツでした。
同名のテーマ曲は、1971年リリースの橋幸夫さんのヒット曲です。
「貴女が退会られたら、キャラクターは、みんな死んでしまうのですからね。自覚してください。」
そう、貴女が書くのを止めてしまったら…私達は、途方にくれてしまうのです。
「大丈夫だよ…」
と、叫んでから、作者はうつむいて深くため息をついた。
「いや、そうだね。確かに、反応無いから、無人島にいるような…なんか、破壊的な解放感が口をつくときがあるんだわ。
でも、それ、ダメだよね。
何億の金をかけて、時の名職人を集めても爆死の可能性があるのがエンタメ…水商売なんだもん。真摯に向かわなくてはね。」
作者はお茶を口にして、それから、落ち着いたように笑った。
「そうね、なげやりな話し方はいけなかったわね。
でも、勝算が全くなかった訳でもないのよ。
弥助が先にたどり着いた先、覚えている?」
作者はそう言ってほうじ茶を口にした。
「インド…でしたね?」
何を言いたいのでしょうか?
「そう、インドよ!かつて、ナチスが調べ、あのチャーチワートが『ムー帝国』の碑文を見つけた、あの、インドよ!!」