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茶色いノート  作者: ふりまじん
魔法の呪文
456/499

コンタクティ29


「ここで、弥助について少し書いてゆくわ。」

作者はそう言って、ノートを取り出した。


弥助は、エチオピアで生まれる。8歳あたりで内戦に見舞われて家族と離れ、拉致される。


これは、超絶時代劇のキャラで、巨大なアークの力が解放されるのを阻止する役を与えられた、我々の弥助は、神様の加護を受ける。

ので、人の良い商人に買われて船乗りになる。


「この辺りが難しいのよね…私は、サン人…藪の人と呼ばれた人達が好きなんだけれど、彼らは、平均の身長は低いみたいなんだよね(-_-;)」

作者は鉛筆をトントンさせながらボヤいた。

「その前に、先祖がエチオピアの方から来たとか決めてませんでしたか?」

私が呆れると、作者が何かを閃いたように笑う。

「ああ、そうよね、うん、そうだわ。教会と関係してるんだから、宣教師の手伝いをしながらサン人の友達を作れば良いんだわ!

よし、これで、人類の祖先と関係が出来るわ。」

作者はニヤリと笑う。

「楽しそうですね。」

「うん。お母さんが好きだったし、私も、わりと好き。でも、狩猟民俗として生きづらくなって、幸せそうではないみたいね。」

作者はため息をつく。


現代では、その人口も減らし、時代の流れの中で定住、貨幣社会に馴染めない人など問題もあるのだそうだ。


「本来なら…こんな人達が、昔ながらの生活がおくれるようになると良いのよね…

なんか、国有公園の管理とかを手伝ったりして、狩りとかしながら。」

作者はため息をつく。

「まあ、何が幸せか、は、分かりませんし。一概に外国人が考える問題では無いとおもいますけれど。」

少し、政治的なテーマに心配になる。

「そうよね…これがデリケートな問題なのはわかるわ。

昔、サン人の映画があったけど、色々言われたもん。そうよね、とりあえず、この辺りで、弥助ならではの武器や戦い方を作らなきゃね。」

作者は顔をあげて気持ちをかえる。

「はい。」

「うん。まずは、この話は、アフリカをあげる為の話なわけよ。

確かに、私は、外人だけど、外人だからこそ、地元の人には分からない、売れ筋が分かるわけよ。」

と、作者はニヤリとする。そして、私は、ハラハラする。


「やはり、私の世代は『ブーメラン』これが一番刺さるわ。」

作者は嬉しそうにしてますが、私は頭痛がしてきました。

「ブーメラン…アボリジニの方が有名みたいですよ。」


ブーメランは、戦後日本でも人気になりました。

1977年西城秀樹さんが『ブーメランストリート』と言う曲を発表、人気を博したりしました。

が、基本、オーストリアの先住民アボリジニのものとして有名で、オーストリアとアフリカを混同していると、批判を受ける可能性があります。

「別に、ブーメランは世界中にあるみたいよ。」

と、言ってますが焦っているのがまるわかりです。

「う、うん、確か、古代エジプトで、ブーメランぽい打器で鴨狩を貴族がたしなんでいた…うん。たしなんでいたからOKよ。

モーゼからの話なんだから、エジプト関係あるし、うん。我々は、新しいオモチャで民芸品を考えるんだから、い、良いのよ。」


何を慌てているのだか。


「民芸品…ですか。」

「そうよ、だって、子供番組って、基本、オモチャを売るために作るんだもん。

それが一番分かりやすいでしょ?

モザンビークは、アルミの精製とか、天然ガスの輸出で国の建て直しを目指してるみたいだわ。

でも、それじゃ、一般人は潤わないし、博覧会とかで売れないもん。

なんか、スポーツブーメランなんてのもあるらしいし、新しく、かっこいいやつを作るのよ。

私たちの弥助と一緒に。」

しどろもどろな説明ですが、まあ、害は無いでしょう。

「そうですね。昭和に駄菓子屋で売ってましたし、馴染みはありますから。

木製品で、彫刻を施したり、麻紐を美しく柄に巻いたりすれば、美術品として高額の製品も紹介できそうですね。」

まあ、そう簡単な話では無いとは思いますが。

「うん。その為には、作品とキャラが人気にならないと…ファンアートは望めないからなぁ(>_<。)」

作者の頭には、既に、コミケにぶっ飛んでいるのでしょうか。

「…ファンアート、まずは、貴女が作らなくては。」

「そうね、ブーメランで手裏剣と戦わせるのよねっ。私、アクションって苦手なんだよね…はぁ」

作者はため息と共にノートを睨んだ。

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