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茶色いノート  作者: ふりまじん
魔法の呪文
454/499

コンタクティ27


「ともかく、私は、弥助の話を『国作り』をテーマに考えるわ。

万博に弥助をテーマに考えているモザンビークや近隣の国の思いを乗せたキャラに。

信長の生きた時代は、日本は長い内戦の終結の頃で、そこからの長い平和な時代を考えると、国を作ると言う事の参考にもなる話はあると思うのよ。」

作者は静かに話始めた。

「そうですね。人生に…戦争の心配の無い世界…このテーマは難しいですが、それ事態を批判はされませんから。」

一定の思想を盛り込まなければ、と、言う条件はつきますが。

「うん。どちらにしても、弥助は出国するわ。

どこに行ったのか…それは分からないから、今回は故郷に帰る設定で考える。

長い内戦で地獄の様な国に行き、そこで必死に未来を…理想の国家を夢見た武将達と接して、故郷のモザンビークの為に何かをしたいと考える…弥助の物語。」

作者は優しい顔で窓の外を見つめた。

「故郷に帰る…ですか。」

弥助はモザンビークまでたどり着けたでしょうか?

それを、宣教師は許したのでしょうか…

考えると、切ない、夢設定です。

「うん。これはモーゼにも繋がるテーマよ。

モーゼは直接、神様とコミュニケーションを取った人物で、信仰というより、取引をしているわよね?

年を取り、役目を終えて、約束の地に自らが行けないと言われたとき、彼は何を思ったのかしら?」

作者はアイスティーを手に私に質問する。

「そうですね、まずは、何も考えずに休んだ気がします。」

モーゼに、完結前に友人を亡くした作者が重なりました。

「休む?その発想は無かったわ。私は、故郷のエジプトを思い出していたと思ったの。

知らない土地を神と民の間にたって激務を終えた中間管理職が疲れはてて思い出すのは、多分、穏やかで楽しかった思い出。

故郷の…

でも、その故郷は、震災に見舞われて大変なはずよ?」

作者は目を閉じて思案する。

「『十の災い』ですか。そうですね。海を割った時には、ファラオも溺死が予想されますしね。」

ため息がでる。

川から流れてきた命を助けて、大切に育てた赤子は成長し、過失とはいえ、エジプト人を殺害、災いを起こしてファラオの命を奪ったのだ。

エジプト側からみる物語のモーゼは、よき人とは言えない。

「それも、自分が原因でね。まあ、歴史書なんて、他国の人間が翻訳した時点で、どこまで正確でいられるか、は、謎だわ。

私は異教徒だし、『十の災い』も、自然現象ではないかと考えるけれどね。」

「異常気象や震災で、国を捨てた…と、そうお考えなのですね?」

私の質問に、作者は少し首をかしげる。

「それは分からないわ…でも、モーゼが活躍したと考えられるのは紀元前13世紀と思われているわ。

まあ、100年単位で誤差のある説が複数あるみたいだけれど。

80年代のオカルト界隈(かいわい)では、アクエンアテン王と関連付けて話されていたわ。」

作者はほろ苦い顔になる。

「超常現象と共に、ですね。」

私も苦笑した。

「うん。アクエンアテンは、あの有名なツタンカーメン王の父親よ。

そして、この頃、エジプトは荒れていたわ。」

「国家神を変えるほど、でしたね。」


エジプトは、太陽神が最高神でした。アメン・ラー神です。

しかし、アクエンアテンは、その最高神を含め、神々を排し、変わりに唯一神ともいわれる、日輪の化身アテン神を信仰しました。

「これについては、色々と噂があったわ。

真実はともかく、この時期、ファラオが首都を上エジプトから、下エジプトへと遷都(せんと)するほどの『何か』がおきたのは確かだと思う。」

作者が真顔になる。

何か、物語が流れてゆく予感がありました。


「それが『十の災い』になっていった、と、考えているのですね?」

なんだか、面白くなってきました。

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