表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
茶色いノート  作者: ふりまじん
魔法の呪文
448/499

コンタクティ21


「かえすがえすも、この本から話を盛ればよかったのにって、腹立つわ。」

作者は『神々の刻印』を片手にボヤく。

「まあ、人には人の色々がありますから、我々の話を考えましょう。」

私は笑う。

「普通ならね、でも、これだけ問題になると『侍、弥助』を皆が使えなくなったじゃない!」

作者は膨れっ面で睨む。

確かに、ネットでは、弥助の侍問題でわいています。

「でも、貴女の弥助は侍では無いのでしょ?」

私の質問に、作者は諦めたようにため息をつく。

「そうよ、侍では弥助が使えなくなるから、それ以外の弥助で新たなミームを作らなきゃ、いけないもん。

ついでに、自分の話にも関わってくるから、なんとか頭を整理したいし。」

作者はため息をつく。


本当に…色々な問題で創作活動は止まるのです。


「では、話してください。貴女の思う弥助の物語を。」

私の言葉に、作者は気持ちを変えて話はじめた。


「全く、黒人のカッチョいい話を考えるなら、絶対に『神々の刻印』を読むべきだったと思うわ。

とくに、テンプル騎士団と聖杯と日本を絡めるなら、侍…軍人ではなく、ただの寺男(ぜんにん)の方が扱いやすいのに。」

作者は口を尖らせる。

「確かに、旧約聖書の聖人は、羊飼いや、漁師など、第一次生産者が多いですよね。寺男は違いますが。」

「軍人が聖杯を手にすると、国取り物語になるから、血が流れるのよ。皆んな気がついてないけれど、弥助が本当に日本で最初の黒人の侍なら、最初に日本人を大量に虐殺した人物ってことになるのよ。

 これ、史実扱いが可能なら、雰囲気が悪い方に向かった時、虐殺者として扱われるわ。そこが嫌なのよ。

 光秀が外交と、弥助を思って無関係である事をわざわざ記したとしたら、そも気持ちも無にするし。

物語としても、キリスト教は、人殺しは基本、許さないし、聖杯なんて探すなら、気のいい寺男で、子供や学者を連れて旅をする方がエンタメ的にはよかったのよ。」

作者はため息をつく。

「エンタメ…ですか。」

「そうよ、エンタメ!もう、史実がどうたら…とか、そうゆうのは、空想科学、史学のおじさま達の役回りとしてとっておくのよ。それで、たんたんと本文は作って行けるの。昔は、映画や夏アニメの前に、ドキュメンタリー風味の関連番組や雑誌が出たじゃない?

最近、あれがないのよね(´ヘ`;)寂しいわ。」

「確かに、映画の前とかに、スペシャル番組がありましたね。」

私は、ミステリーまがじん『みぃ・ムー』を発売日に自転車で買いに行く作者を思い出しました。


昔は、雑誌の裏面の予告が情報源で、1ヶ月、次の雑誌の発売日まで、短い予告文に夢想したものです。

「うん。あの部分の余白を作るのよ。

本来、作品はフィクションで間違いや飛んでもエンタメ、でも、実は…が、楽しかったのよ。 」

作者の照れ笑いに、少女の日々が思い出されます。

「まあ、今は、あまり人気が無いのでは有りませんかね…ドキュメンタリー風味の番組。

夏の怪談も減りましたし。」

お茶のお代わりをいれました。作者は嬉しそうに一気に飲み干します。

「そうね、でも、今は、ネットの動画サイトがあるのよ?

知識系のチャンネルも多いし、アニメ関連の史実、キャラ説明は人気よ?

それに、地上波が取り上げない、地味に人気のテーマは、ご贔屓を作るのに良いテーマよ。

作品が人気なら、自分のサイトも関連で『おすすめ』されるじゃない。まあ、そこまで人気のラノベを作るのがぁ…難しいけどね(>_<。)」

作者は叫ぶ。なんだか、笑いたくなってきました。


「では、頑張って、人気ラノベを作ってください。」

「……。夢の中なら無双できるけれど、現実は厳しいわ!

まあ、ともかく、史実とか、誤字とかは、外野でやってもらうわ。」

叫んじゃって…作者の謎の自信はなんでしょうか?

「誤字は…御自身で訂正された方が良いと思いますが。」

と、さりげなく言って睨まれました。


「それにしても、エチオピアには、土着のユダヤ人がいるそうよ。『ベタ・イスラエル』と言われるらしいけれど、ユダヤ文明の影響があるみたいなの。


西暦1年辺りにローマ軍に追われたユダヤ人が、原住民をユダヤ教に改宗させて現在に至る…みたいなのよ。エビデンスは無いけど。」

作者はちゃっかり、話題を変える。

「エチオピアは、アークの伝説と無関係では無い。と、言いたいのでしょうか?」

なんだか、面倒になる話にため息がこぼれる。

「さあ…それは、私達の『とりぶん』じゃないわ。

私達は、そんなエピソードから話を広げるのよ。

別に、人間に教わる必要も無いし、役目を終えたモーゼが立ち寄っても良いわけよ。」

作者は面倒くさそうに言葉を投げる。

「モーゼが…ですか。」

ため息が…本当に、その設定で大丈夫なのでしょうか。

「なに、驚いてるのよ?別に、想像だけなら、設定は、広げてみないと…」

「でも、現地の方たちは、ソロモン王との関係を信じているみたいですよ?」

「別に、ソロモン王の時代より昔だし、矛盾はしないでしょ?

平家の隠れ里の伝説だって、昔からのゆかりの土地みたいなのもあるじゃん。

逃げのびるときは、知り合いがいるとか、土地勘があるところへ逃げるでしょ?」

作者は少し、うろたえながら、シドロモドロと答えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ