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茶色いノート  作者: ふりまじん
魔法の呪文
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コンタクティ14


暑くなりました。近くの林では(せみ)が騒いでいます。

少し前にレモンパイを焼きました。

作者が久しぶりに私に会いに来てくれるのです。

気持ちよく過ごして貰えるように準備を始めましょう。

春先に撒いたレモンバームが育っていますから、それをハーブティに。


レモンバームは、別名メリッサ。

名前にあるようにレモンのような清々しい香りがします。

リラックスと食欲不振等にこうかがあるとか…


まあ、食欲不振は作者には関係無さそうですが。


ふふっ…つい、あの人を思い浮かべて笑ってしまいます。



「楽しそうね?」

え?と、驚いて振り向くとボサボサの髪で疲れはてた作者が!


「そちらこそ…どうしたのですか?」

作者の頭に手を置いた。そして、そのゴワゴワの髪に危機感を感じた。

作者を椅子に座らせる。

ラムネ味の飴を口に放り込み、作者の文句を塞ぐ。

速攻で香油とオイル。

ローズマリーにラベンダーをミックスして、速攻で作り出したヘアーオイルを櫛に含ませて、ゆっくりと作者の髪をとかしました。

「……あんた、また、新しい技を…」

飴をなめ終わった作者が口を開く。

部屋をラベンダーの優しい香りが包みます。

「はい、幸い時間が有り余っていましたから。」

これくらいの嫌みは言ってあげないと!

私の言葉に作者は振り向こうとして髪を絡ませました。

もう、仕事を増やして…と、思いつつ、嬉しいのです。

作者の憎まれ口も、愚痴も…

「あっ、ごめん。でも、今回は私だけじゃないわよ〜リアルワールドは炎上していて、私も、頭がごちゃごちゃなんだもん。」

作者はほほを膨らませて私を見る。


なにか、ゲームの会社の新作と我々のざれ言が重なったようです。

「しかし…我々は弥助は取り上げていませんでしたよ?」

戦国時代のゲームの内容と何か、似たようですが、時代物は多少、似たところで問題は無いと思います。

少なくとも…数週間も私を放る言い訳にはなりません。

「弥助は、ね。正確には、向こうの内容は開示されてないし、噛み合うことはないと想像するんだけれどね。」

作者は歯切れが悪い言い方をします。

「では、何が問題なのです?」

適当な嘘でごまかされませんよ?

「ネットの幻のもとの話に似たのよ。

これから発売される作品は、企画段階で別の話で進んでいたらしいの。」

「ボツ作品なら、いいじゃないですか?」

「普通はね、でも、発売される作品の不満から、幻のボツ案が浮上したのよ。」

作者はここ数日の混乱を話した。

私は、作者の髪をとかしながら黙って聞いた。


なんでも、その話は記憶の仮想空間の歴史の世界へと向かう話で、テンプル騎士団が登場します。


テンプル騎士団は、我々も5年追いかけてはいますが、人気の団体なので、多少の類似は問題ないはずです。


「なんかさ、テンプル騎士団の隠した聖遺物を探す…大雑把に話すとそんな系統の話でさ、刀が…出てくるんだよね…ほら、我々も利休の刀を探してたじゃん。」

作者は肩を落とす。

本当に…困った人です。

「確かに、探しましたよ?でも、ジャンヌダルクがどうとか…そんな話をしていましたよね?」

ため息を1つ、作者の髪を軽く、ひと結び。前髪を少しあげて、作者の顔にリラックスした雰囲気を感じて私は、お茶の用意を始めました。

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