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茶色いノート  作者: ふりまじん
魔法の呪文
437/499

コンタクティ13


「この話、『人間50年』の信長が使った草薙の剣を『人生70年』の利休が仕舞う物語になると思うのよ。」

作者が夢見るように語り始める。

フランクインセンスの(かお)りを(まと)った火の精霊が、古代エジプトの神官の装束で歌を歌う。


フランクインセンスは、樹脂から作られる精油で、リラックスと瞑想を助ける働きがあると言われています。

私は、静かに作者の横に座り、続きを聞いていました。


「信長は、武将のイメージが強いけれど、家系は神官なのよね。

織田家は尾張を支配している…つまり、伊勢を守護する者でもあるのよ。

今川家がどうかは分からないけれど、とにかく、桶狭間の合戦で負けたのだから、信長に贔屓(ひいき)で話を作るわ。

幕府が不安定になり、戦国時代に、国が混乱しているわけだから、次の(あたま)を皆、探しているはずよ。

ここで無名の神官が戦国時代に新星として生まれたのは、その時代の強者達も興味がわいたでしょうね。」

作者は灯りを見つめながら夢の中をさ迷うように話しています。


声を…かけるべきでしょうか?


気持ちにブレーキがかかり、ただ見つめる私に、作者は夢に酔った視線を流す。

「…そうですね。オカルト…と言うより、神秘(ミステリー)な雰囲気で作り込むなら、安倍晴明風味に作り込みたいところですね。陰陽師の雰囲気を信長に纏わせましょうか。

『敦盛』を舞うのですから、装束も違和感がありませんし、歴史好き、刀好き、神社巡りに、地方の観光組合、全うに進める分には見方になってくださるでしょう。」


信長は、一説によると女性とみまごう美男だそうで、これは戦国美人とうたわれた市を妹にもつので、批判はあっても、炎上はしないと思います。


が、装束姿の美しい陰陽師の信長に設定したら、やはり、腐女子むけと思われる…覚悟は必要でしょう。

しかし、作者は小銭儲けを目的にしているわけですから、女性向けとして話を作り、刀剣、腐女子、歴女を中心に話を作り込んでゆけばいいのです。

女性の旅行客は、観光協会も誘致をしたいはずですから、この辺りも狙って行けるはずです。利休と茶道…これも、女子向けのサービスとして広げやすい。

ああ、だだ、私の作者のBLは全く駄作で、未完になる可能性があります。


「そうね…『猿酒』を作るときは、ジャン一世の生まれ変わりをイメージしていたわ。でも、今は、ジャンヌダルクが見える。」


作者は蜃気楼を追いかけるように遠くを見つめていました。


全く…


この人は、いつも金儲けの話を下品にしているわりに、変なところで純粋なのですから。

『猿酒』は、ジャンヌダルクの時代のキャラクターが戦国武将に転生したら?のテーマに作っていました。

作者(あなた)は、まだ、その物語を探していたのですね?

もう、我々を忘れたかもしれない読者の脱け殻を連れながら。

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