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茶色いノート  作者: ふりまじん
ダ・ヴィンチの偽コード
43/499

エタリ・ポイント4

もう、どうしていいやら…


私は倒れる寸前だ。

いや、むしろ、倒れてしまいたいくらいだ。


全く、なんであんな話を作ろうなんて考えたんだろう…


私は、初めての連載を歴史のジャンルに決めて、七転八倒を繰り返してきた。


(はた)からみれば、滑稽(こっけい)でも、結構真面目に話を積んできた。


史実も調べようと努力もしている。


なのに…なんで、先に進まないのだろう?


最初は簡単なノストラダムスの説明だけの話だったのに、

次話投稿を間違えて、そこから、おかしな方向に転がりだしたのだ。


ジョーム・ノートルダム。

ミシェル・ノートルダムの父である。この人、予言本ではチョイ役で、商人くらいしか書いてなかった気がする。

ミシェルが、母方の実家に住んでいたので、ミシェルの母方のお爺さんから、医術や占星術やカバラなんかのチート力を教わっている設定で話を進められて、その為に、ジョームは老師に息子を預ける父のような存在になり(wikipediaでは同居説みたいだったが)、預言者としての英才教育を受けるのを納得していた印象を、当時の頭の悪い私は持っていた。


当時、発売されたノストラダムス関連の本を読み返すと、ほぼ、ノストラダムス最強伝説が描かれ、結構、真面目な本ですら、ノストラダムスの予言チートを肯定こそすれ、否定するものはない。(まあ、世紀末が近くなると逆転するが。)


なぜなら、その方が売れるからだ。


予言のチート力のある最強のノストラダムスと、ユダヤと秘密結社の謎の儀式と魔術。世紀末の陰謀。


この世界観で本をつくれば、大概売れたのだそうだ。「なろう」のテンプレに感じが似てないだろうか?

人はお約束とテンプレが好きなのだ。


ノストラダムスは、チートでなければいけない。

チート伝説を飾るなら、父のジョームが、母方の祖父ジャンにミシェルを預ける方がドラマになるのだ。


私もこっちの話の方が好きだ。だから、現在私が考えているようなノストラダムスの本が出版されていても、決して買わないどころか、不快にすら思ったかもしれない。


そんなのは、違うノストラダムスじゃない。って。

別にノストラダムスなんて、知り合いでもないのに…

でも、毎年夏辺りのオカルトスペシャル番組で、数年にかけて作り出したノストラダムスのイメージにどっぷりとはまりこんだ私には、お茶の間の人気者的な、なんだかよく知っている人物のように感じていた。


勿論、怪しいと考えることもあった。


英語が苦手だった私は、各出版社でこんなにも表現が、と、言うか意味まで変わってしまうような、ノストラダムス詩の和訳は、不可解でしかない。


中学生の英語のテストは、こんなふざけた和訳では、絶対に丸なんて貰えない。

これ、中学の英語に例えるなら、

太郎(昔の日本の例えばなしは大概太郎だった)に、アメリカ人のガールフレンド、キャシーが


「I like tarou」


と言ったのを、

私は、太郎がすきです。

ではなく、


太郎、私と付き合って

と、訳し、なおかつ、先生に抗議をするようなものだ。


この解答をした少年は、教室で先生に中二病全開で叫ぶのだ。


「な、何故です?これはどうして間違いなのですか!確かに、キャシーは控えめにLikeと表現していますが、六ヶ月に渡り、太郎とキャシーの生活を見守り続けた我々には、もう、既に二人には友達を越えるなにかが芽生えて来ている事は明白です。そうでなければ、なぜ、キャシーは、太郎にだけ特別に優しく、クッキーを焼いたりするのでしょうか?(数字のレッスンの為ですが。)これは、友情を越えた愛情表現に他なりません!で、なければ、隣で笑っている宏には一つもクッキーを渡してない説明がつかないではありませんか?(当時の教科書はこの辺りの設定が雑だった。)こんな仕打ちを受けても、挿し絵の宏が笑っていられるのは、宏も薄々キャシーの気持ちに気がついているからなのですっ。故に、日本でこのLikeを訳するなら、付き合ってください。が、本来の趣旨であり、日本語としては正しい。なぜなら、我々日本人は、好きなんて台詞を異性に対して常時使わない。留学生活も長くなったキャシーが、それを知らないはずはありません。ですから、この台詞は、キャシーの愛の告白であり、私は、太郎がすきです。なんて、翻訳機のような無味乾燥な台詞を私は、彼女に言わせたくは無かったのです。」



ははは。なんか、楽しいなぁ。


こんな馬鹿馬鹿しい抗議は、勿論、通用しないのだが、しかし、解説を聞くなら、先生の英語の話より、こっちの方が面白い。


それに、なんだか、説得力もある。


英語の教科書は、無理矢理覚えさせたい英語のフレーズを盛り込むから、おかしな設定になりやすくて、その辺りをほじくると、なんだか面白い解説が出来る。


この少年は、クラスメイトの拍手と共に、追試を受けるはめになるけれど、先生は笑っているかもしれない。


いや、この少年はどうでもいい。

私は、こんな(ほが)らか展開にはならなかった。

なぜなら、英語の試験の答えは、一つしかない。


ノストラダムスの詩の和訳みたいに、バリエーションはつけられない。


だから、試験が近くなると、ノストラダムスの本に文句を言いたくなった。


ので、私は、ノストラダムスネタは好きだったが、疑ってもいた。


でも、アンチと言うやつで、チートなノストラダムスでいて欲しかったのは、同じだったのだと思う。



そんな私が話を作るわけだから、調べる度に新しい事実に困惑させられるわけで、結構話を作り上げてからのジョームがアヴィニョンで働いていた事実をしり、設定が崩れ、エタとエンドの迷宮にさ迷うことになったのだ。


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