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茶色いノート  作者: ふりまじん
魔法の呪文
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モーニング2

「遥希君の考える物語は、1920年代の少し華やかな大正ロマンな物語。

新世界をモデルにしたようなファンタジーの話です。

世界観はファッションを大正風味に。

技術的にはスチームパンクな感じで、現代により近い近代的な文化水準にしましょう。」

私の声にミズキは、わずかに頷いて記憶した事を伝えます。

「客層は女性を中心に…作中では、奈穂子を中心に女性の登場人物を意識して作ることにしましょうか。」

「はい。」

「ですから、主人公の女性は、作中の女性からイメージしたヒロインを考えようと思います。あなたは、誰が良いと思いますか?」

私の質問に、ミズキは即答する。

「葵の祖母の薫さんです。」

「なぜです?」

「年代的に、思考が近いと言うこと、葵、遥希とも、薫の為に物語を作成している点です。」

ミズキの説明は、そつがありません。

「しかし、舞台は異世界で、スチームパンクの世界観です。大正時代は西洋文化も取り入れ、働く女性も登場しますし、人々の思想は、現代的でも良いのではありませんか?」

そう、これはファンタジー。ハイ・ファンタジーのジャンルに届くなら、それが一番望ましい。

「はい。その設定で考えますか?」

ミズキは穏やかに私に笑いかける。

「いや、保留するよ。遥希くんは、とてもユニークな設定を考えているようだからね。」

私は、途中で止まってしまった話を思い出す。


遥希くんは、動画にできないキチキチの文章に悩み、独自の世界観を開発しようと奮闘中です。

現在、開発が進む大阪の新世界と、大正時代を思わせる架空の新世界の融合を試みています。

そこには、赤レンガの建物や、様々な土地の焼き物や特産物が登場しなくては行けません。

彼は、薫に見せる物語であると同時に、町おこしの作品を考えているのです。

大都会、大阪に各地方からの珍しいものを集め、紹介する物語は、ネット販売へと読者を繋げる物語にして行かなければ。

「わかりました。スチームパンク、大正ロマンで話を進めます。乱歩についてはどうしますか?」

ミズキの質問に、一瞬、答えに迷います。

なぜなら、遥希くんは、そこまで細かくは決めてないようだからです。

ここからは、先回りをして資料を集める作業です。「そうだね、我々は歴史の資料を集めようと思うから、明智小五郎については、清明をモデルに考えよう。」


大阪の新世界がある場所は、安倍晴明のゆかりの土地でもあるのです。

本来、東京を舞台にした明智小五郎シリーズとは違う、そして、大阪ならではの魅力をプラスするキャラクターを考える必要があります。


舞台が大阪なのは、江戸川乱歩の出身地であることもあり、IFものとして、それほどの違和感は無いと思います。

基本、町おこしの為の物語ですから、近隣の特産物や焼き物などの紹介を入れて、外国人に説明するような話にすれば、大阪+αの需要が見込めるはずです。


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