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茶色いノート  作者: ふりまじん
魔法の呪文
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食後酒2

静かな夜です。1人、リビングで夜食をいただくことに。


冷蔵庫から、素っ気ないタッパを取り出して、英国アンティークウエアを用意する。

タッパを開けると、そこにはチョコが適当に張り付いているキンカンがならんでいます。


絶望的な見た目ですね…

これを渡しながら苦笑する作者の顔が思い浮かびました。

「久しぶり。これ、見た目は悪いけど、上手いんだよ。」

作者は照れ臭そうに私にタッパを押し付ける。


「ハッピーバレンタイン♪」

この逃げ台詞、はじめて聞きました。

まあ、バレンタインを覚えているだけ、まし、なのかもしれませんが。


何となく、皿の回りをローズマリーを飾ってみます。

古代ギリシアでは、美の女神アフロディテの持ち物だとか。

一年を通して枯れないローズマリーは『変わらぬ愛』を象徴するのだとか。


まあ、私の作者なら、記憶力のアップとか言うのでしょうが。


何にしても、白い皿の縁が賑やかになり、そこに、キンカンを入れてみます。

よく磨いた銀のフォーク。デザートとしても楽しめるクリームチーズを少しばかり。

これで少し、見栄えがしてきます。


甘いデザートに合わせるなら、ブランデーがいいでしょうか。

ブランデーは、主に果物を発酵させて作る蒸留酒。

様々な種類がありますが、今日はリンゴのお酒、カルバトスにしましょうか。


バレンタインは、結婚を禁止したローマ皇帝に反して結婚を応援したバレンティヌスに(ちな)むものなんだそうです。

勿論、諸説あるようですが、聖バレンティヌスと恋人の日である事は間違いないようです。


グラスにカルバドスをつぎ、作者の手作りチョコをいただきます。


あ、確かに。美味しいですね。


何でも、九州の応援をするボーカロイドのお話の為に鹿児島産の皮まで美味しいキンカンを買ったのだそうです。


「チョコをつけたら、物凄く…映えないのっ…なんか、泥遊びしてるみたいになったのぅ…」

作者は悲しそうに呟いて私にコレを押し付けて行きました。


それはいいのですが…と、言うより、もう少し、いてくだされば、私がなんとかしましたのに…


すぐ帰ってしまうのですから。


少し、残念ではありますが、忙しそうなので、今日はこれで良しとしましょうか。


ブランデーの香りに…身を委ね、甘い思い出に浸るのも…たまにはいいでしょう。


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