食後酒
月明かりの書斎で私は1人そらを見上げる。
この数年…作者と2人で見上げた空を…
本当に…いつ帰ってくるのやら。
少し寂しくもありますが、いつまでも悲しんでもいられません。
私は、私の仕事を始めなくては。
6年の創作活動で、未完ばかりが増えているので整理が必要です。
その中でも、何とかお金になりそうで、いまだに、先を気にしてくださる読者がいそうなのが、『おねがい乱歩さま』
しかし、この物語はキャラクターが増えすぎて混乱している上に、作者が遅筆過ぎて現実に追い越されそうになっています。
改編するしかありません。
それと、複数のキャラクターの物語を個別に分ける必要があります。
本来、最新話の主人公は遥希くんです。
そこに、清貴くんが一途な恋情で入り込んで場を乱したのです。
ため息が出てきます。
これは、確かに良くない事ではあります。
しかし、キャラクターがたっているとも言えなくはありません。
一途に恋心を表現できる彼は…魅力的です。
が、もとの話から離れてしまいます。
問題は、遥希くんです。
遥希くんをもう少し、魅力的に存在感を引き出してあげないと、物語は上手く進んで行きません。
恋愛面はともかく…彼の小説については、こちらもテコ入れしてあげる必要がありそうです。
幸い、スチームパンク風味の話になりそうですから、歴史についての考察は、こちらで可能になりますし。奥手で朴訥とした彼を光らせるとしたら、物語の細かい設定力でしょうから、頑張らないと。
私は立ち上がり、サイドテーブルのウイスキーを手にしました。
今日は…スペイサイトのシングルモルトをストレートで。
『ウイスキーって、ホームズが活躍した頃に生まれたお酒らしいよ。
だから、ウイスキー派のホームズって、あたらし物好きなんだね。』
ふと、作者の言葉を思い出しました。
今年は…作者と花見をする事は叶うのでしょうか…
梅の花が咲き、桃がほころぶ弥生がもうそこまで来てると言うのに…
あの女は…