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茶色いノート  作者: ふりまじん
おまたせしました ゲオルグさん
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ホラーファンタジー

「ごめん、話を変えるけど、ちょっと聞いてくれる?」

作者は、思いついたように慌てて私をみる。

「ええ。なんなりと。」

私は、穏やかな笑顔を作りますが、内心はヒヤヒヤです。何があったのでしょうか?


「ありがとう…春がくるんだよ…ボーッとしていたら、春がっ(>_<)」

作者は少し混乱しているようです。私は少し困りながら彼女の肩に手をかけた。

「そうですよ。春が来ます。何がそんなに心配なのですか?

そうだ、素敵な春の曲でもかけましょう。」

私は、スマートスピーカーに語りかける。


「松任谷由実さんの『春よ、来い』をかけて。」


私の声に反応し、透明な小ぶりのビー玉が弾けるようなピアノのイントロが流れ始めました。


「あああっ…春…。」

作者は、美しい松任谷由実さんの歌声に悶絶します。

逆効果だったようです。

私は、曲を止めて作者の頭をあげさせた。

「一体、どうしたのです?」

「春がくるんだよ(;_;)。剛が出稼ぎから帰ってくるんだよ…。

私、1円も稼げてないわ°・(ノД`)・°・」

作者は頭を抱える。


はぁ…


私は言葉を失って、どうしたらいいか思案した。

私の作者は、このサイトを小話を披露して小銭が稼げる小説のフリマサイトと勘違いして登録した。


目的は金。


フリマ仲間との最初で最後の慰安旅行の為の、

と、言うわけで、たまに、季節の変わり目にこのような発作がおこるのです。

この4年、獲得金額0円ではありますが、数点の短編と未完ではありますが、10万万字に近づく作品が3作あるのです。

他のサイトで、作者が理想としているような小銭稼ぎが出来そうな場所を見つけ、しかも、公募などイベントに参加すると、お得なポイントアップがあるのもわかりました。


今年こそ、

未完といえども、これまで書き続けた文章をお金に変換できる可能性までたどり着いたのです。


石の上にも3年、とは言いますが、確かに、頑張ったと思います。


去年から、コロナで大変ですが、作者のフリマ仲間のロクデナシの剛さんが、予定の仕事のキャンセルから無職、そして、そこからの出稼ぎ決定です。


日頃から、やる気もなく甘えてばかりのオッサンが、出稼ぎ行ったら本気だす。をしたために、この人は変な競争心が芽生えたようなのです。


「でも、あせる必要ありませんでしょ?

丁度『ラジオ大賞』に良さそうなイベントを見つけていましたよね?」

私は声をかける。


『ラジオ大賞』とは、我々の作品で、作者と主人公のスミレが似たような立場なので、面倒な設定も、ストーリーの矛盾もなく現在99,600字を稼いでいます。

あと、一万字のファンタジーを何処かへ投稿し、よくも悪くもスミレと共にその気持ちを共有し、それを書ききれば完結。


ああっ……完結。なんと甘美な言葉でしょうか。


この3年、はじめの作品の史実の誤解から、40万字近くの設定文を書きなぐり…

やっと、長編が、ジャンル的には歴史でないのが不本意ではありますが、


長編作品完結。予定


までたどり着いたのです。

「でも、『ラジオ大賞』が、もうすぐ完結ですよね?

そして、これを投稿できそうな公募も5月にあるのですから、少し遅れてもいくらかにはなるはずですよ。」

私が励ますと、作者はふて腐れた子供のような顔になる。

「そうよ、あれは、やっと、やっと、なんとか形のある長編で終れそうな唯一の作品よっ。

でも、現在99,600字…

この微妙に10万字にならないところに不吉さを感じない?


それに、この話を完結させるには、一万字のファンタジーを投稿しなくてはいけないわ。


私、とうとう人気ジャンルに到達するのよ…(T-T)

長かったわ…

長すぎて、なんだか、あの伏魔殿のような恐ろしい噂の耐えない、異世界ファンタジー部門に足がすくむわよ…


でも、そんな事は今はいいわ。

手酷く終わっても、『ラジオ大賞』の肥やしになるもの。

とはいえ、酷評だって、作品を投稿しなきゃ貰えないんだわ。


何かを書かなきゃ行けないわけだけど。


見つけたのよ。3月にホラーの公募があるのを他のサイトで!


締め切りがある方が終われるし、やはり、活気が違うでしょ?

違うサイトの雰囲気を作品に描けるし…で、ね、


ホラーファンタジーを書いてみようかと……まあ、思うわけよ。ゲオルグで(^^ゞ」

作者は苦笑する。


嫌な予感がする…


私は、自分がこの人の運命の岐路に関わっている気がした。


なにしろ、この『茶色いノート』は、3000字のノストラダムスの短編がかけなくなって作られた、公開型の設定ノートなのですから。


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