秋雨
陰鬱な曇り空に、物悲しく秋雨が泣いていました。
窓辺のソファに腰を下ろして、作者は窓に流れる雨を眺めています。
秋のイベント…結局、寝落ちのタイムアウトで投稿が叶いませんでした。
が、とりあえず、ミステリー大賞を完結すべきだと思うので、それは構わないのですが。
「もう、『ミステリー大賞が終わらないよぅ。」
作者は叫ぶ。
「そうですね…。本当に、あの話は混乱しますね。」
私はため息をつく。
そして、作者の好きなブレンドコーヒーを淹れる。
全く、あちらの話にかかりっきりで、こちらになかなか来てくださらないのですから。
本当に、何とかしてほしいところです。
「コーヒーありがとう。そうなんだよ。どうしよう?本物の私のキャラのベルフェゴールが登場なんて(>_<)」
作者は頭を抱える。そして、それは、私にも由々しき問題です。
メフィストが居なくなったと思ったら、次はベルフェゴール…TS美少女風味なんて、許せるわけは無いのです。
「そうですね。あちらは落選しましたし、もとより、『パラサイト』のブックマーク読者へのサービスですし、結末はあるのですから、一気にその話で終わらせてみたらどうでしょう?」
そう、1つが終われば次のイベントがあるのです。
うかうかしている場合では無いのです。
「それは…多分無理(>_<)
ベルフェゴールを退散させなきゃ、話は終わらないし、多分、その為には、中東と、悪魔にされた神々の話が必要なんだと思うからっ。」
作者はそこで深くため息をつく。
「確かに、厄介な話になってきましたね。」
「うん…剛をベルフェゴールとして話に呼び行けたのも13日…見事な伏線みたいなんだけど…ただの偶然なんだよねぇ…」
作者は、偶然に嫉妬するように不貞腐れる。
「まあ、それも、才能、とも言えますよ?」
私はコーヒーのおかわりを入れた。
あの知的美少女ベルフェゴールに、この役は渡すつもりはありません。
作者をコーヒーで癒すのは、私の務めなのですから。
「そんな才能…いいね1つ分の価値もないじゃない(>_<)
もうっ、でも、ここはちゃんとしとかないと。
悪魔を使うのって、気を使うのよ?」
作者は膨れっ面で私をにらむ。
「確かに、悪魔とは、人間の内面のネガティブな部分を刺激して召喚しますからね。
魔術、と、言うより心理学的に気を付けたいキャラですね。」
そう、物語を書くと言う行為は、鏡に向かって『お前は誰か?』を問う様なもの。
都市伝説では、ゲシュタルト崩壊をしてしまうそうですが、物書きもまた、心を病んでしまう場合も無いとは言えませんから、気を付けたいところです。
「何いってんのよっ、小説で小銭儲けをしたかったら、ベルフェゴールやメフィストフェレスなんかの人気キャラは、しっかり押さえとかなきゃダメでしょうが!
いい?ネットじゃ、誰でも投稿できる分、似たり寄ったりの話になりがちなんだから、ちゃんと理解して、扱ってるアピールは必要なのよっ。
異世界に行って、1発当てたいなら、ちゃんとしなきゃダメなんだから。」
作者は真面目な顔で私をみる。
多分、この人は精神崩壊の心配は無さそうです。
「わかりました。まあ、気は進みませんけど、お付き合いはしますよ。」
私は少し迷惑そうな顔をして、とても浮かれた気持ちでパイを焼くことにした。