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茶色いノート  作者: ふりまじん
魔法の呪文
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悪霊9

「まあ、今回は色々、収穫はあったわ。」

作者は気を取り直して明るく話す。

「『フラッシュ・ゴードン』を初めとしたスペースオペラ、クトゥルフ神話とラブクラフト。

心霊研究と超能力実験。

確かに、大収穫ですね。」

私は笑った。

「うん。そして、検閲…

なんで、急に乱歩が、少年探偵団の話をし始めたのか…理解できたもの。」

「はい。検閲によって、探偵小説は書けなくなったようですから、児童小説や教育書の部門に移行せざる、おえなかったのですね。」

私の言葉に作者は笑った。

「そうね。でも、横溝先生はファミリーものや、時代劇…『人形佐七』なんかを書くのよね。

ここに、童心と共に執筆する乱歩と、大人の目線で物事を考えていた正史と、対照的な印象を受けるわ。」

作者は嬉しそうに笑う。

「では、貴女は乱歩派ですね。」

と、私が話すと、作者は暗い顔で不満げにこう言った。

「それが出来たら…今ごろ、児童小説で一発あててるよ(T-T)…」


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