番外ダ・ヴィンチの偽コード 12 アマポーラ
シナモンの香りに包まれながら、私達は物語の続きを作り出して行きます。
作者は、赤いシフォンのドレスを揺らしながら、妖精をダブルのスーツを着た強面の男性に変身させました。
彼は、1920年代のモダンボーイよろしく、白い帽子に軽く手をかけて作者に会釈をすると、沢田研二バージョンの『AMAPOLA』を歌いだした。
「さて、この流れて、1920年代の世界に戻るわよ(T-T)。
もうね、色々書いていて、頭、ぐちゃぐちゃなんだけどね(T-T)。
この曲は、映画『ワンス・アポン・ナ・タイム・インアメリカ』のカバー曲として有名になったと、記憶してるわ。
はぁ〜(T-T)
私、これは、ヘロインの密輸のギャングものだと思っていた。けど、違っていたわね。」
作者は深くため息をつきます。
「映画『ワンス・アポン・ナ・タイム・インアメリカ』は、ユダヤ系移民の少年と禁酒法のお話ですから。
ヘロインの密輸の話は映画『フレンチ・コネクション』になりますね。」
私は、苦笑する。
物語の時系列では、ワンス・アポン・ナ・タイム・インアメリカの方が先ですが、
映画の上映は『フレンチ・コネクション』の方が先です。混乱したのでしょう。
「そうみたいね(´ヘ`;)
アマポーラ(ひなげし)なんて主題歌だったし、つい、間違えちゃうわ。」
「ひなげしは、麻薬成分は含みませんよ?」
私は苦笑する。芥子はヘロインの材料でもあります。
「うん…。まあ、たまに、芥子が混ざるときがあるらしいから、気を付けた方が良いみたいだけれど…。
なんか、あまり、良いイメージはないわよね。
花自体は、可憐で、イラストなどでは良く使われるんだけど、ね。
でも、赤い芥子の花は、その美しい姿と、毒性から、小説でも悪女のように使われたりするし、
ギャング映画のテーマソングで、芥子を想像させる歌だと、つい、フレンチ・コネクションの方を思い浮かべちゃうわ。」
作者は、芥子の花びらのような薄いスカートをふわりとなびかせる。
「ギャング映画…お嫌いですよね?」
私は、アクション映画全般が苦手な作者を思って方をすくめる。
「うん…私も、良くはわからないけど、好き嫌いがあるのよね…『ゴットファーザー』とかも、ちょっと苦手かな(-_-;)
でも、同じように残酷な『ハンニバル』とかは視聴できるのよ〜
ついでに、『極道の妻たち』の岩下志麻さんも好きだったわ……
その違いが分かれば、色々、書けるものも増えるんだろうけどね(T-T)」
作者は、深くため息をつく。
「そうですね。でも、無理しなくても……書くものは沢山ありますから。」
「そ、そうよね(;O;)
もう、やだぁ〜。『パラサイト』が終わらないと先に進めないんだよ。
はぁ……、今、深夜アニメで、薔薇戦争のやつをしてるんだよ〜
なんか、凄く駆け足でね、気になる人が居るはずだし、ここいらで、ジャンヌダルクも動かしたいわよ。
大賞は無理でも、別サイトで、小金は稼げそうじゃない?
とりあえず、500円、稼ぎたいわ(;O;)」
作者は、500円に興奮して叫ぶ。
もう、スーパーのポイントに負けたのが、よほど気になるのでしょう。
「500円とはいわず、どうぞ、100万円を目指してくださいよ。『パラサイト』で。」
私は、肩をすくめる。
作者は、不満げに私を睨んでから苦笑した。
「なろう生活ももう、4年。そんな果てしない夢なんて、見てる暇はないわよ(T-T)
とにかく、私の話にクリックしてくれる人を確実に拾う…これだけよ(T-T)
無駄な希望は持たず、
でも、ビックマウスを楽しみつつ、
小さなハードルをクリヤーして行くのよ。
まずは、500円。
そのためにもっ、
『パラサイト』の完結は、大切だわ。
既に、18万字はあるんだもん。
ここで落選しても、別サイトで、小銭を稼げるわっ……。
と、言うことで、私は、パラサイトのキャラ、雅苗の持ってきた、新たな説に乗ったのよっ( ̄^ ̄)
彼女の説では、森鴎外が関連してくるんだもん。
先生が亡くなったのも、今から100前。
1922年7月なんだから、2019年の無限ループから、これで別れられるかもしれないんだもん。」
作者は、希望に顔を歪ませながら天をあおぐ。
「まあ……、頑張りましょう。」
私は、去年の秋のデジャブを見ている気持ちになりながら、そうれだけ言いました。
作者は、そんな私に苦笑をする。
「本当に、適当なんだから。でも、これ、あながち間違いでも無さそうなの。」
作者は、少し、困った顔で話始めた。




