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茶色いノート  作者: ふりまじん
近代魔術を語る
322/499

番外ダ・ヴィンチの偽コード 10

シナモン。独特のかおりを持つ香辛料。

体を暖める効果があります。

少し、多目の砂糖入りのミルクティーは、混乱する作者の気持ちを慰めてくれるに違いありません。


「良い香りね。」と、作者は一口、ミルクティーを含んで話を続けた。

「シナモンやニッキは、子供の頃は、あまり、好きでなかったわ。でも、なんでかな?最近は、シナモンティーが飲みたくなるの。」

作者は、嬉しそうにカップを両手で包んだ。


「今は…風邪もひけませんから、無意識に体が欲するのかもしれませんね。

シナモンの仲間は、中国では漢方薬に使われていますし。」

私は、作者の隣でミルクティーを飲む。

「シナモン…これも、芥子と一緒で、原産は地中海辺りらしいわ。」

作者は、再び、『アマポーラ』を再生する。


「古代エジプトでは、ミイラ作りに使われたみたいですね。」

「うん、随分、古くから使われていた薬草(ハーブ)らしいわ。ギリシアに伝わると、アポロン神に捧げていた地域もあるらしいわ。

もし、それが本当なら、ノストラダムスも飲んだかもしれないわね。」

作者は、楽しそうに私を見る。


私は、肩をすくめて、ウインナーコーヒーを作る。

仕上がりにシナモンステックをさして。


「これも…ギリ、アウトですが、ノストラダムスなら、紅茶より、コーヒーかもしれませんよ。時代的に。」


そう、ヨーロッパにコーヒーが広がるのは、ウイーンにトルコ軍が攻めてきてからです。


「何でもいいわ。そこまで言うと、ワインが本命な気がするもの。」

「アルコールはダメですよ。」

私は、作者に釘をさした。

酔っぱらっている場合ではありません。


「いらないわよ〜。私が、欲しいのは、アルコールじゃなくて、小説の先行きよ(>_<。)


もうっ、何だろうね…『パラサイト』、あれ、登場人物が増える度に、新しい説を持ってくるんだよ(T-T)


もうさ、西条八十の初めの話でまとまって欲しいわよ(T-T)」

作者は、ウインナーコーヒーを手にすると、やけコーヒーをするように、一気に飲みはじめる。


そう、私たちの連載中の『パラサイト』

この物語は、初めはパンデミックの予感が漂う、一万字の物語の予定だった。

が、本当のパンデミックに遭遇し、西条八十の都市伝説をふざけて使ってるようになるのが嫌で改編。


八十の新しい解釈を手に、改編するも、ネット大賞二次選考落選となりました。

そこから、2ヶ月、ある程度、まとめて、10回の大賞にエントリーしたと言うのに、ここに来て、また、この作者(ひて)は、新しい説を持ち込んでくるのです。

「だったら、惑わされずに、初心貫徹したらよろしいでしょうに…変な欲を出すから、面倒に巻き込まれるのですよ?」

私は呆れる。

「うるさいわね(>_<。)

仕方ないでしょ?雅苗の話は……彼女の話で繋げて行くと、止まっている『通り魔』の先ができてくるんだもん(T-T)


『通り魔』が決まると、『祓魔師』の世界も決まってくるんだもん。


大体………。」

と、作者は一度、絶句して、天井を仰ぎ見る。


「大体…こちらの話もかかってきていたんだわ。


少し前、『インディージョーンズ』と聖杯の話なんてしていたからよ。


この物語の背景には、ナチスの聖杯探索のエピソードがモデルとして使われているわ。


オットー・ラーン


後に、ナチスの聖杯探索の為に、プロバンスを調査する彼は、1920年前後、一体、どうしていたのかしらね?

多分、学生だった彼もまた、カタリ派の謎について、吉江達と、何かを、見聞きした…可能性もあるかもしれない……。


なんて、考えちゃったら、もうさ、色々と話がくっついてくるんだもん(T-T)」


作者は、私に苦笑いを向ける。

私は、肩をすくめて、それに答えた。


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