番外ダ・ヴィンチの偽コード6
ふっ…( ̄ー+ ̄)フッジャンニ・スキッキ…
作者は少し壊れぎみの不気味な笑顔を浮かべていました。
「オレンジソーダです。これを飲んでスッキリしましょう。」
私は、作者の肩に手をかけた。
作者は私を見上げて、子供のように頷いてソーダを飲んだ。
「ありがとう(T-T)」
作者はソーダを飲み終わると私に礼を言って話を続けた。
「疲れたわ……もう、ジャンニとダンテで、中世イタリア、貴族と来て、ここで、始めに適当に書いていた『レクス』が頭を回るわ(T-T)」
作者は涙目で私を見る。
『レクス』は、習作の習作として作ったキャラクターですが、閲覧数とポイントを貰えた作品で、いつか正式にお話を作ろうと作者が考えていたものでした。
「ふふっ、『プロバンスの赤いしずく』ですね。懐かしいです。」
私は、埋もれずに作者に思い出して貰えたレクス達に祝福を贈りたくなります。
「笑い事じゃないわ(-"-;)
今は、ネット大賞を戦っているのよっ!
ガチの小説家志望の奴らと(>_<)
一次選考だって、通過できるか分からないし、
2回目で、完結できてない時点で、マイナス背負ってるんだもん。」
「では、まずは書いてみるしかないのでは?」
「それが、出来ないから困るんじゃない(-"-;)
なんか、つまった感じになるんだよね……。 」
作者はそう言って考え込んでしまいました。
私は、バイオリンを取り出しました。
チャイコフスキーの名曲『ワルツ 眠れぬ森の美女』です。
小さな頃のロマンティックな童話は、きっと、作者に夢とやる気をくれるに違いありません。
「私、『レクス』を考える前は…昭和の少女小説が読みたくなって、『プロバンスの赤いしずく』を作ろうとしてたんだわ(-_-;)
まさか、それが、100年戦争のむさい話になるなんて…考えたくは無かったわ。
でも…思えば、『レクス』は昔の少年活劇みたいだし、上手く書き上げさえすれば……AI手塚先生に作画をしてもら得るかもしれないわ(>_<)」
作者は嬉しそうに笑いますが、これは現実逃避です。
「そうですよ。1930年風味の冒険活劇は、今でも人気がありますからね。」
次に、私は、『インディージョーンズのテーマ』を弾きました。
大胆で華やかな曲調が、気持ちを一気に持ち上げてくれます。
「1930年ものの冒険小説かぁ。でも、まずは、1430年ものに取りかからないと(T-T)
1930年、無怖公の跡取り、フィリップ殿下の金羊毛騎士団創設のお話を考えないと。」
作者は諦めたようにぼやき始めました。