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茶色いノート  作者: ふりまじん
近代魔術を語る
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時影、近代魔術を語る 181 時代の新秩序

「だからこそ…ではありませんか?

西洋では、早くから女性の財産権は部分的ではありますが、認められていました。

けれど、それは、財産目的の低俗な男性に狙われる事でもありました。」

私は、作者に答えました。

「そうね、(´ヘ`;)ジルドレのお父さん、強引に結婚させては、土地や財産を奪っていったのよね…。」

作者はため息をつく。

そう、中世の姫の結婚は、夢物語のようなロマンチックなものではありません。

軽くwikipediaに目を通しただけでも、ジルと縁談が持ち上がったお姫様が不審死をしています。

「そうですね、跡取りが女性だけでは、他家になにをされるかわかりませんから、どうしても、男として、ジャルジュ家を支える人物が必要だったかも知れませんね。」

勿論、養子を親族からもらい受ける選択もあったでしょうが、と、思いましたが、それは言いませんでした。

「オスカルって、ミドルネームに『フランソワ』ってあるんだけど…昔は、フランスって、意味だと思っていたわ…

でも、フランクとか、フランソワって『自由』って意味もあるんだよね。

オスカル様のお父様も…色々考えていたのかもしれないわ。」

作者はそう言って、メフィストのアカペラの『バラは美しく散る』に耳を傾ける。

こう言うとき、恥を知らない色男は羨ましいです。

でも、やはり、この曲は鈴木宏子さんの少し緊張感のある、清楚な女声が一番似合う気がします。


「そうですね、アンドレは一つ違いですから、もしかしたら、7年戦争で父親が亡くなり、母親が出産と共になくなったのかもしれません。

ジャルジュ将軍は、勇猛果敢に戦った部下の事を思って、実質、屋敷に引き取る形にして…彼の事があったから、アンドレをサポート役とする事で、上手く切り抜けられると考えたのかもしれないですね。」

メフィストは、抑揚をつけながら、甘く囁いた。

「確かに、そうかもね。もしかしたら、アンドレのお父さんって、身分が高い人かもしれないし、ジャルジュ将軍の親友だったかもしれないわね。

それなら、オスカル様が、小さな頃に男としての成長が無理だと感じたら、アンドレと戸籍をチェンジ出きるし。

でも、オスカル様は、男子として美しく成長して…7年戦争の決着が見えた頃、アンドレと初めて会うのよっ( ´艸`)

なんか、ロマンチックよね?

7年戦争は、ハプスブルグ側が負けちゃうわ。

それによって、フランスとオーストリアは、絆を強めようと婚姻同盟に力をいれて…それは、マリーの運命を大きく変えることになるのねっ。」

作者は、難しい顔をしながらぼやいた。


「それは、ワシントンも同じでしょうね。」

と、私は話始める。作者は、ベルバラの美しい世界から目覚めたように苦い顔で私を見つめる。

「ワシントン…(-_-;)」

「そうです。7年戦争が、彼の初陣のようです。

その頃、既にフリーメンソンのメンバーだったようです。」

私の説明をつまらなそうに聞いていたメフィストは、縦笛を取り出して『薔薇は美しく散る』を演奏する。

「メーソン(-_-;)面倒くさいわぁ。

ベルバラの世界がムーになってく(T-T)

でも、遊んでばかりいられないもんね…

『パラサイト』も『魔法の呪文』も終わらせないといけないし(T-T)


ワシントン…測量士を目指していたみたいだから、こんなところから、メーソンに入ったのかもね。

ネットで、ブラックカードが無いと入れないとか見て、皆で笑っていた事を思い出すわ。

この頃は、まだ、入会の条件も低かったのかもね。

借金ばかりのモーツァルトとか、ワシントンも家柄は悪くは無いみたいだけど、そこまで金持ち…って感じじゃないし。」

作者は、真面目な顔で馬鹿な事を考えています。

「どうでしょうか?」

私は、言葉を濁しました。作者は、フリマ仲間のツヨシさんの話を始めると脱線するので気を付けねばいけません。


「まあ、よくわからないけど、測量士っていえば、チャイコフスキーとか、ヨーゼフ シュトラウスとか、音楽家に転身した測量士もいたし、なんか、近いものがあるのかもね。」

作者が真顔で話す。

ふと、昔、ヨーゼフについて語り合った事を思い出した。

私は、小鳥を呼び寄せると、馬車に止まらせて『鍛冶屋のポルカ』を歌わせた。


懐かしい思い出が広がります。

が、作者は、顔をくしゃくしゃにして苦笑いを始めました。

「どうしました?」

「いや、この曲聴くと、『魔法の呪文』を思い出すんだよ(T-T)

あれも…そろそろ動かさないとね〜」

作者の苦悩はまだまだ続きそうです。


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