時影、近代魔術を語る 168 ベルリンソナタ
夏の終わりのくすんだ青空を作者は見つめていました。
客船のベットにエルベ川の水を含んだ爽やかな風がそよいでいました。
「時影、あなたから言ってくれる?」
作者はベットに寝ながら私に話しかけてくる。
「ダメですよ。ここは、作者の貴女から、そして、昼寝なんて止めて、身なりを整えてくださいよ。」
私は、呆れる。
作者は、照れ隠しのため息をついて、身なりを整えはじめた。
私は、お茶の準備を始める。本日はダージリンのセカンドフラッシュを。
ダージリンは、二度の収穫が可能で、春のものはファーストフラッシュ。
夏のものはセカンドフラッシュと呼ばれています。
ムニェルニークの思い出にワインのゼリーを。
準備が整う頃、作者もシャッキリとして登場しました。
「準備は出来ましたよ。」
私は、声をかけました。
作者は少し照れたように、見えない読者に頭を下げた。
「ネット大賞…一次通過しました。
色々、すいませんでした。」
作者は一気にそう言って赤面したまま、テーブルに座った。
「すいませんって、何か悪いことをしているみたいですよね?」
「したじゃない…グダグダ愚痴ってさ(T-T)」
「ああ…ウサギは寂しいと死ぬんでした…」
「いやぁぁ°・(ノД`)・°・」
作者は暴れる。
「恥ずかしくなるなら、初めからやらなきゃ良いでしょうに。」
私もため息が出る。
「私だって、入選するって分かったら、もう少し何とかしたわよぅ。今、頑張ってるじゃない(T-T)
もう、これで終わりかもしれないし、二次選考に向けて、なんか、やった感をださないといけないわ。」
作者は渋い顔でお茶をすする。
「やった感って…そんな言い方をするから誤解されるんですよ。」
私は、この先が心配になる。が、作者は私の台詞に噛みついてくる。
「いいのよ、やった感で!
いい?一次選考って、なんか、今回通過したけど、来年は無理かもしれないのよっ。
分析するに、パンデミック…ウイルス関係だから、たまたまカテゴリーで引っ掛かった感じなんだもん。
こんなラッキーは、来年はないわ。
だから、今、二次選考に必死でかけるweb作家を体現しておかないと、次は無いかもしれないのよっ。
それに、ここで頑張ったって印象を読者に焼き付けておけば、グランド・フィナーレの学園ものに、ポイントをくれるかもしれないじゃない(´Д`)」
「そんな、打算が駄々もれしている貴女を応援する読者がいるとは思えません。」と、私は、深々とため息をつく。「何度も言いますが、『パラサイト』を完結させて、まずは、二次選考を通過することを考えましょうよ。」
ええ…そんなこと、言ったところで無理なのでしょうが。
「かっ…考えてるわよ〜だから、休み中改編していたわ。最新話を書かなきゃ、浮上できないもん。
あと1ヶ月。あと20話。8月までに埋めたいわよ(T-T)。」
作者は威嚇するように私をみる。
「そうでしたね。」
私は、必死で書いていた作者を思い出して苦笑した。
「多分、二次選考に残れるのは、1割。と、言っても100件は無いと思うわ。
でも、ここからは減って行くだけだから、まずは悪目立ちせず、生き残り、そして、選考者の望む何かをアピールするのよっ。」
作者はやけっぱちに叫んでいますが、いつになく正論です。
「確かに。」
とりあえず、同意しました。
「で、よ。多分、我々は、感染やパンデミックのカテゴリーで残ったんだと思うから、この辺りを分かりやすく、説明する方向で話を改編して行かなきゃいけないわ。」
作者がやる気の真顔になる。
「はい。この一年、明治から現代まで、ウイルスについて調べてきましたし、
北宮家の三代の人物がいますから、この辺りで説明するのは可能でしょう。」
私は、『パラサイト』の作中の生物学者を思う。
「うん。2019年の話だけど、こっちで森鴎外を書いていたから、なんか、それを持ってくれば、2022年の話になるし、
ここに来て、2022年に結核で亡くなった鴎外先生を調べて良かった気がするわ(T-T)。」
作者は緊張したように唇を引きながら天井をみる。
「まあ、でも、まずは、『パラサイト』を書き上げて行きましょう。」
私は、そう言って笑った。
読んでくれてありがとう。
ネット大賞一次選考に通過しました。
少し前まで、本当にグダグダで、ここのアクセス数に元気を貰いましたm(_ _)m
報告するのも気恥ずかしいのですが、うさぎの話とかしておいて、知らん顔もなんなので、ここでお礼を言います。ありがとう。
とりあえず、二次選考に向けて頑張ってきます。
たまにグダグダ言いにくるかもしれませんんが、どうかスルーしてやってください(⌒-⌒; )