時影、近代魔術を語る 158 ベルリンソナタ
午後の日差しがムニェルニーク城を照らしています。
私と作者は、ブルタバ川とエルベ川の合流地、ムニェルニークに到着しました。
ここは、歴史の古い町で、チェコのワインが有名な場所らしいのです。
と、言うわけで、少し日は高いですが、ワインを求めてワインセラーへと歩いているのです。
「こじんまりとしてるけど、結構、綺麗な街よね。」
作者は、辺りを見回しながら嬉しそうに言いました。
「1274年から、ボヘミア王妃の街として知られたようですから。
農業も盛んで、ジャガイモやトウモロコシなどもとれるようですよ。」
「そうね、なんか、思っていたより、ホテルとかも可愛らしい感じで、アトラクション遊園地に迷い混んだみたいだわ。」
作者は、少し不安げに呟く。
「城内には、飲食スペースもあるようですし、ワインセラーもあるようですよ。急ぎましょう。」
私の言葉に作者は頷く。
「そうね、プラハ観光の日帰り候補の街なんだって、ムニェルニーク。
でも…私たち、ここにつくまでに、春から夏に変わってるわよ(T-T)」
作者はボヤく。
「まあ…仕方ありませんね。また、短編なんて書いてるのですから。」
私は呆れながら呟いた。
そう、色々と作品が増えるなか、私の作者はまた、公募に短編を投稿していた。
「仕方ないじゃない。音できくと良いって作品を募集されてたんだもん。
私、音声用に文章直して評価されたんだから、頑張りたかったんだもん。
あんまり、上手くはいかなかったけど…(〃▽〃)」
作者はやけっぱちにボヤき、私に膨れっ面を押し付けながらこう続けた。
「でもっ、ローファンタジーに投稿したわよ!
苦節4年目にして人気ジャンル(T-T)…
長かったわ…そして、人気ジャンルは渋いわ。」
「渋い?」
「うん。人気ジャンルだから、人がいっぱいいて、見てくれると思ったの。
人気ジャンルにさえ投稿すれば、100アクセスとか、簡単なんだと夢見ていたわ。
ふふふっ…そんなもんは夢だって…幻だって、思い知ったわよ(T-T)
不人気ジャンルとか、過疎ジャンルと言われても、ヒューマンとか、歴史のお客さんのが優しいわ。」
作者は真一文字に口をつぐんで、人気ジャンルをかみしめる。
「まあ、仕方ありません。
読者も多いですが、作者も投稿していますから、内容もありますが、とにかく、更新して埋もれないようにしないと、行けませんでしたね。」
私は、がっかりする作者を励ます。
「そうね、人気ジャンルをには、人気ジャンルの作戦が必要なのね。
エッセイとかのぼやきを聞いていた時は、良くわからなかったけど、あそこは、何か、投稿者を混乱させる魔物がすんでるわね(-_-;)
私も、つい、活動報告で『読んでくれ(T0T)』と、叫びたくなったもん。
感想とかも、貰っても、うまく返せなくて苦手なのに、なんか、欲しくなるのよ、感想…
怖いわ…人気ジャンル。
ギャンブル場に迷い混んだように、場の雰囲気に飲まれるわ。」
作者は深く反省しながら頷く。
「そうですね、感想は…まだ、ハードル高いですよね。」
私も頷いた。
「まあ、はじめは、失敗するもんよ。でもっ、こっちのネタは仕入れたわよ。
まあ、ワイン飲みながら話そうよ!
チーズとか、つまみも旨いものがいっぱいあるみたいだし。」
作者はそう言って、元気を取り戻して歩き出した。