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茶色いノート  作者: ふりまじん
近代魔術を語る
257/499

時影、近代魔術を語る 134

カレル橋の上で作者は私に笑顔を向けると、楽しそうに説明を始めました。

「はぁ…何と言うか、本当に面倒だわ。

次の(つまず)は、このカレル橋よ(T-T)

知ってる?カレル橋って昔は違う名前で呼ばれていたんだって。」

作者はそう言ってため息をつく。

「そうでしたね。昔はプラハ橋と呼ばれていて、1870年ヨーゼフ一世の時代から。」

「そうなのよ(T-T)なんか、48年革命から混乱していて、プラハも荒れていたらしいわ。で、ヨーゼフ一世は、国を新しく継ぐにあたって、街の整備をするんだけどね、1850年代からウィーンやら、何やらを整備。勿論、プラハも整備されて行くわ。

端の名前の改編も色々と意味深ではあるわよね?」作者はそう言って私を見つめる。

「1970年。普仏戦争がプロセインの勝利に終ったとしですね?(ダウト!1871年終戦)」

私の言葉に作者は(うなづ)く。

「うん。プロセイン改め、ドイツ帝国の驚異から国を守るためにオーストリアとハンガリーが結び付くわ。」

「オーストリア=ハンガリー帝国ですね。それでしたら、普奥戦争の方が近いでしょうね。」

「うーん( ̄〜 ̄;)どっちでもいいけど、普仏戦争はドイツ帝国の成立もあるから、驚異は倍じゃないかな( -_-)

まあ、隣の皇帝、自国の市民。ヨーゼフ一世の憂いはつきないわね。

ウィーンの街の整備もしているみたいだから、プラハについても、戦争や紛争を考えての街づくりを考えたのだと思うわ。」

作者はプラハの夕闇を見つめる。

カレル橋では、大道芸人や露天で遅くまで賑わっているのが通常ですが、空想のこの世界では二人きり。

少しだけ肌寒さが強く感じます。

「そろそろ、宿へとむかいませんか?」

私は、鼻を赤くしながらヴルタヴァ川を見つめる作者に声をかける。

「ええ、そうね。」

と、疲れたように呟いて作者は話始めました。

「私、プラハなんてよく知らなかったわ(T-T)

チェコなんて、私は生涯いけない土地だとおもっていたもの。」

「東西冷戦の鉄のカーテンが、心の地図に重く引かれていましたからね。」

「うん。まさに『ベルリンソナタ』の世界観よね(´ヘ`;)

だから、ベルリンの壁が取り払われても、ソ連がロシアに変わっても、プラハについてなんて知らなかったし、知ろうともしなかったのよ。」

作者は白い息を吐き出しながら苦笑する。

「まあ…名古屋ですらなかなか行けない身の上ですからね。確かに、チェコは異世界なみに遠いですね。」

「あら、異世界は名古屋より手軽だわ。

目を閉じて空想するだけで行けるもの。

でも、チェコは、実在する世界っは、空想するのは難しいのよ。」

作者は真面目な顔で答えるので、なんだか笑ってしまいます。

「なに笑ってるのよっ、もうっ。」

「すいません。でも、こんなに上手に空想できるじゃありませんか?」

私は、カレル橋の石畳の一つ、一つを踏みしめる。

この橋を始めに建設をしたのは、カール4世です。

とても聡明な皇帝で、プラハ大学を創設したり、アブィニオンの法皇をローマへと帰還させる為に尽力されました。


この橋はとても丈夫で、丁寧に作られていて、プラハの観光の目玉であり、

様々な伝説が語られています。


「ふっ…それは、『魔法の呪文』が未完だものっ。

一年近く、こんな事していれば…色々、無駄な知識もふえるわよ…(T^T)

もうっ、この橋にはね、伝説の剣が隠されてるらしいわ。本物の『勇者の剣』よ。そして、プラハに危機が訪れるとき、勇者の呼び掛けに答えて敵を倒すんだって!!

凄いわよね。なんか、ラノベ…って感じでさ。

なんか…そんなプラハの伝説とかを拾っちゃって、色々、混乱したわよね。」作者はため息をつく。

「楽しんでいた、の、間違いでは?」

私は、少しからかうように言ったので、作者は責めるように、あまく睨む。


「そんな事、無いわよ…。もう。はぁ…まあ、ここいら辺りで、ショパンやら、リストが頭を回るんだわ。48年革命で翻弄された、パガニーニの二人のファンであり、天才音楽家がね。」

作者は苦笑する。

でも、その顔は、疲れてはいても、目は輝いていました。


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