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茶色いノート  作者: ふりまじん
近代魔術を語る
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時影、近代魔術を語る 130 ベルリンソナタ

静かな夜に響くのは、佐藤隆さんのベルリンソナタ。


と、言っても今回は私のピアノ演奏です。


作者は、混乱する気持ちを沈めるように部屋の中をくるくると歩き回ります。

我々は、色々な未完を抱えていますが、今は、ファンタジーの短編を優先しなければいけないのです。


それなのに……。


ため息が出ますが仕方ありません。

他の方は知りませんが、私の作者は平行に色々な話を広げていないと話がまとまらないようですから。


読者も迷惑でしょうが、作者だって、こんな面倒な性分には生まれたくはなかったはずなのです。


もう、3年。


小銭稼ぎが大好きな作者は、1円も稼げないまま現在に至るのです。


それが、ここに来てやっと、お金になるサイトを見つけて自分の文章の価値を知る機会がやって来たのです。

それを放って、二次小説枠で混乱するのは、辛いことなのです。


私は、曲を弾きながら、声をかけるタイミングをはかっていました。


が、そのタイミングは、作者の方が作ってくれたようです。


曲の終わりを感じたように私の近くにやって来て、作者は静かに立ち止まりました。


私は、ピアノを弾き終わると穏やかに作者を見上げました。

作者は、困ったような笑いがおで私に言いました。

「どうしよう……スカスカのテンプレ文がかけないよ(T-T)」


「では、書かなければよろしいでしょ?」

私は、呆れながら見た。

私の作者は2022年の江戸川乱歩のデビュー100周年を前に、なろうのテンプレを極めるべく…

そして、なろうの影響力を調べるべく

版権が切れた江戸川乱歩の作品で、なろうテンプレに挑戦しようと考えていた。


が、そんなものは、一銭にもならない趣味のような、息抜きのような企画なので、とりあえず、去年からの未完を先に何とかして欲しいのです。


「簡単に言わないでよ〜(>_<)

私だって、これは趣味で、お金にならない作品だと思うわよ。

と、言うか、私の文すら差し替えがきくように考えていたのよ。

挿し絵師の為のテンプレ文を考えていたんだもん。

いつもは、なろう作家はスカスカの文で、絵師に助けてもらって売り上げが決まるとか、ネットで言われているらしいけど、


コロナでコミケも開かれない現在、挿し絵でなろうから書籍化を狙えるテンプレを作ろうと考えていたの。


短編でね、もとの話の起承転結の4枚の挿し絵に、なろう作者のオリジナルを起承転結の4枚を足して8枚。


電子化が進むけれど、イラストはやはり、印刷物を好む人が多いし、

江戸川乱歩のファンは、年配者…紙の本の世代が沢山いるでしょ?


文庫版なら、大きさが同じだから、現在持っている江戸川乱歩の本のブックカバーに差し替えとかも出来るから、

そう言った需要もとれるテンプレが出来ると思ったのよ……。


で、まずは『人間椅子』で少し考えていたんだ。


あれは、椅子に隠れる男の話だから、部屋の状況が分からないでしょ?


音や匂い、息づかいで想像させながら、挿し絵が映える話が出来そうだと思ってね。


私、今回は減らそうとしたのよ…


短い文章で、なろう掲載部分から、様々な国の言葉に上手く翻訳できるように工夫してね、

日本語が苦手な海外からの人達でも手に取りやすいそんな文章を考えていたわ……。

でも、無理みたいだよ(>_<)」

作者は深くため息をつく。

確かに、そんな感じで色々考えていたようですが、今頃になって、何を言い出すのやら。


「何を…まだ、2月じゃないですか。結論をだすのはまだ早いでしょうに。」

私は笑った。

作者はそれを苦々しく口元を歪めて見つめる。


「うん…確かに、2月だよ。でも、『パラサイト』だって…去年の今頃は、そんな事、考えてたじゃない(;_;)


私、文章を減らそうと考えているわ。


でも、『ベルリンソナタ』に興味をもってもらえるエピソードも考えているの。

三通り位、ベルリンを絡めた乱歩の話を考えていたわ…。


本来は、この近代魔術…のエピソードを使いたいから、1888年辺りを舞台にしたかったなんて思いながら、それでも、1922年にエピソードをもてる『祓魔師…通り魔』のキャラを使おうとか考えてね。


あはははっ。いやぁ、それが、とんでもない展開になっちゃって…その上、コイツが面白そうなんだよ…

でも、簡単に作れないから、手を出してはいけないと思うのよ(-_-;)


で、この設定が頭から離れないから、少し吐き出したいのよ。

聞いてくれる?

聞いてくれたら、とりあえず、落ち着けると思うから。」

作者は懇願するように私を見た。


私は立ち上がり、作者に微笑んだ。


「ええ。お望みなら一晩中でも。

その前にコーヒーでも入れましょうか。

砂糖とラム酒を少し…

きっと、気持ちも落ち着きますよ。」


私の言葉に、作者は安心したように軽く表情を緩ませて私の後をついてくる。「うん。今日は生クリームもたっぷり入れたい気持ち。」

「それは…カロリーオーバーだからだめです。」

作者の嬉しそうな台詞をダメ出ししながら、私は、新しい設定について思いをはせた。


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