ダ・ヴィンチの偽コード 16
中見 利男先生の「ダ・ヴィンチの暗号を解読する」と言う題名の本を片手にルネッサンスのイタリアを想像してみる。
この本も、やはり、100円で買った古本だ。
100円の古本には後がない。ここで売れなければ再生紙になるわけで、私はこのサバイバルな本棚の本をみるのが好きだ。
私は100円で買うのだが、この本は、確かに誰かが定価で買い求め、夢を見た本なのだ。 が、しかし、このテの謎本は、決して書いてあることをまるっと信じてはいけない。
どんな有名な出版社から出されていたとしても、だ。
なので、私は一応、ネットでもサラリと調べてはみる。が、私もうっかりものなので使うときはくれぐれも気を付けてほしい。
が、怪しくても、中見先生はプロの作家なので、ダ・ヴィンチファンの心を鷲掴みにする構成をしているから、伝奇を作るなら、寧ろ難しい本より参考になることもある。
で、とりあえず開く。
ダ・ヴィンチコードでは、ダ・ヴィンチの絵に暗号が隠されたことになっているので、カラーの名画が載っていたりして、なかなか楽しい本だ。
良くは知らないが、西洋の昔の絵画には、俳句のようなルールがあって、描かれる静物や構成にも意味があるらしい。
ダ・ヴィンチコードがはやったのも、そんな西洋の文化が根底にあるんだと思う。
が、しかし、母国である日本の百人一首に隠された愛の言葉も見つけられない私には、絵画の暗号なんて…ハードル高すぎるわ。
そんなもんが分かるなら、推理カテゴリーを制覇できるに違いない。が、そんな実力は無い。
が、それより、この本、初っぱな、第一章がバイブル・コードの話で、聖書の歴史が懇切丁寧に書かれていて、忘れかけていたもう一つの連載を思い出させてくれた。
ああ、そうだ。最近かいていないけど…
マルティン・ルターの話も作ってたんだ…
忘れたわけでもない。気にはしてたんんだ。
こちらは、こちらで、考えないといけない事柄がある。で、書けなくなる。
それは、題名。
「ラノベ作家と予言の書」
こっちの話は、ノストラダムスよりは楽に話を考えられた。
こっちは、憑依の話なので、憑き物が消えれば解決なんだけれど、この題名。ラノベ作家は主人公だとして、予言の書をどうするか悶絶した。
本当、題名は大切だ。おかしな題をつけると、痛い目にあう。
短くすれば、予言の話がでないし、
長くするのは面倒くさい。大体、長くすれば予言の書が出てくるわけでもない。
それに、無理矢理出せたとしても…
それが面白いとは限らない。
なんだか、はじめての連載で混乱し、テンパっていた私は、ノストラダムス…の連載のあらすじに色々書いていて(今でも恥ずかしいが、取り外すタイミングもわからない)
ここで、知らんぷりして題だけ変えるのも気が引けた。
なんとなく、聖書の話なんだから、ヨハネの黙示録なんかの話でお茶を濁そうかと考えたけど…
中見先生の本には、「ラノベ作家と予言の書」の巻く引きのヒントが沢山隠されていた。
正直、バイブル・コードについては良く理解できなかったが、その時の私には、エタり脱出のWordの方がありがたかった。