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茶色いノート  作者: ふりまじん
ダ・ヴィンチの偽コード
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ダ・ヴィンチの偽コード 13

イケメンのキャラになりきって、はじめて知ったのは、よく漫画で揶揄されるイケメンのおかしな行動を、ついついしたくなると言うことだ。


イケメンの自分を遠目で見つめる少女達にイタズラにウインクしてみたり、悩ましいポーズで気を引いてみたり…


いや、確かに私は、モテた経験はないが、ゲーム世界なら…伝説のあの場所で、沢山の少女達に想いを告げられたことならある。


多分、そのゲームの世界でも、私は美青年だったに違いないが、始めの冷たい態度があるので、少女達は、私の人柄を(まあ、作られた善意ではあるが)愛してくれたのだと思って、イケメンの自分に酔うことはなかった。


が、この世界は私の法則で成り立っているので、ガチで私はイケメンだ。


しかも、具体的にその様子を思い浮かべ作り出すのだから、自覚の仕方が違うし、ちょっと、ハマってしまう。


で、イケメンの生活を知らない私は、成金ならぬ、成イケメンとして、なんとも下品な行動をしてしまいたくなるのだ。


これは、発見だ。


などと、遊んでしまううちに、主人公の奈美にキャラを渡す前に、ガブリエルのキャラが、面白イケメンと言う残念な性格に定着しそうだ。


逆に、物静かに私の後ろを歩いているピノの方がイケメンみたいじゃないか!

まずい。非常にまずい。


私は落ち着いて、アヴィニョンの何処かの通りを時計台広場へと向かって歩き出す。


ルネッサンス期のアヴィニョンの街の概要を調べていたら、一年たっても話が進まないので、とりあえず、現在のアヴィニョンの地図を片手にルネッサンスの町歩きをする。


クリスマス・マーケットでググると、沢山のヨーロッパの賑やかな店をみることが出来るが、ドイツの何処かの町では、中世あたりから続く市場もあるようで、教皇庁があったアヴィニョンのマーケットも、それなりの歴史があるのは、十分に想像できる。


私は石畳の道を歩きながら、しばらく物思いにふけった。


私、ガブリエルは何者なんだ?



そろそろ考えないといけない。

いつまでも、イケメンなんかに浮かれていては、本編が終わるのが本当に今年のクリスマスになりそうだ。


私はテンプル騎士団に関係する血筋の男だ。

だから、騎士団に関係する何かをするために、わざわざこの街にやってきたのだ。


おっと、ここで説明だ。


アヴィニョンにある大学は、アヴィニョン大学。法学関係の由緒ある大学で、ガブリエルが在籍し、ノストラダムスが通う予定の大学だ。


さて、私の話に戻そう。

ガブリエルは、御先祖の騎士の何かを受けて行動するわけだが、テンプル騎士団が活躍したのは150年くらい昔の話だ。

現在…1517年には、法王はローマにいらっしゃるし、アヴィニョンは平和な街だ。

私だって、100年も経ってないんだとしても、御先祖様から太平洋戦争を持ち出されて、連合軍に仕返ししろと言われても困るが、ガブリエルだって、いまさら、150年も前の恨み言を言われたところで当惑するはずだ。


なにしろ、この時代のヨーロッパ人の寿命は短い。

平均30代で死んでしまうらしいから(どおりで親がいない昔話が多いはずだよ)、そんな恨み言に付き合っている暇なんてない。

17才なら、人生の折り返し地点じゃないか。


早いところ恋をして、結婚して、

楽しいことをやっておかなければ、生まれた価値なんてないじゃないか!


ルネッサーンス(^_^)/□☆□\(^_^)


と、当時の貴族は短い寿命のために、退廃した生活をおくったらしい。


が、ガブリエルには、それは許されない。


ああ、思い出したぞ。


そうだ。私は商人の息子だ。

それは、フランスと法王の追っ手から逃れるための仮の身分ではあったが、今では、しっかりと定着して財産もある。


私は花の都フィレンツェの大商人の次男。ガブリエルだ。


勿論、メディチ家とも交流がある。


それでは、私があの光あふれる美しき街で、享楽に落ちながら浮かれポンチに生きられなかった理由を次回お話ししよう。


し、調べないと…ヘ(゜ο°;)ノ


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