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茶色いノート  作者: ふりまじん
近代魔術を語る
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時影、近代魔術を語る 75 行進曲

「もうっ(*`Д´)ノ!!!

なんで皆、予定通りに動かないかな…。」

作者は苛立(いらだち)(まぎ)れにスーザに『宇宙戦艦ヤマト』を演奏させました。


『宇宙戦艦ヤマト』は、1974年に放送されたテレビアニメで、太平洋戦争で沈没した戦艦大和をモデルに作られた宇宙船が地球を救う、壮大なSFアニメである。

このアニメのオープニングテーマ『宇宙戦艦ヤマト』は、阿久悠先生が作詞を担当された、今でも人気のあるアニソンである。


少年アニメとして作成されたこの曲には、『プロセインの栄光』のような派手なシンバルも笛の音もありません。


一見、こちらの曲の方が、男性的で猛々しく感じてしまいますが、

実際は、高音域の管楽器の音の響く『プロセインの栄光』の方が、遥かに実践的であることを、ベルサイユ宮殿に昭和のアニソンを轟かせながら作者は解説してくれました。


「仕方ありませんでしょう?

ここは歴史のカテゴリー。タイムパトロールの禁忌(タブー)と同じく、意識的に史実を変えることはできませんから。

もし、そんなことをすれば、読者の信頼を失いますし、最悪、感想欄で指摘をされますからね。」

私がすまして釘を刺すと、作者は渋い顔で納得した。

「感想欄…わかっているわよ(;_;)

でもっ、私は、モーツァルトとマリーの話でもって行きたかったんだもん。


まさか、軍隊のマーチは軍楽士が作曲するなんて、知らなかったわ(T-T)


私の時代は、戦争の話はみんなしたがらないし、

パチンコのテーマソングまで堕ちた『軍艦マーチ』ですら、不快だからと排除しようと考える大人がいたんだもん。


ちなみに、軍艦マーチの作者は、瀬戸口(せとぐち)藤吉(とうきち)先生なんですって。

スーザと同じく海軍所属の軍楽士で、

この『軍艦マーチ』は、wikipediaによるとミャンマーの公式軍歌らしいわ…。

日本じゃ、パチンコ屋ですら流れなくなったのに…複雑な気持ちだわ。


でも、そんな事、学校でも家庭でも習わないもん。知らなかったわよ…。


大体、『軍艦マーチ』どころか、『宇宙戦艦ヤマト』の歌だって、下手をすると太平洋戦争の説教に繋がる危険な歌だったんだから。

はぁ(´ヘ`;)


私は、アニソン時代なんだもん。

マーチだって、モーツァルトとかベートーベンが作ってるって思ってたわよ(///∇///)」

作者は、ぼやきながらグダグタになる。



マリー・アントワネットがまだ、マリア・テレジアのそばで恋を夢見る少女の頃、オーストリアに一人の天才少年が登場するのです。

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト


『トルコ行進曲』を作曲した彼は幼少の頃、神童と呼ばれシェーンブルク宮殿に招かれ、転んだ自分に手をさしのべたマリーに


「大きくなったらお嫁さんにしてあげる」


と、かわいいプロポーズをしたんだとか。

それが真実か伝説なのかは分からないが、

モーツァルトと音楽を愛する中欧の楽士からしてみれば、国の名前を軽蔑の言葉として……


オーストリア女


などと断頭台に立つマリーに侮蔑(ぶべつ)の言葉をぶつけたフランス市民を良くは思わなかったと考えたのだ。


何があったとしても、一国の…しかも、大国のプリンセスである。

そんな女性から、死に際しての最低限の敬意すら感じられない処刑の光景は、プリンセスを殺される側の国からしたら、心地の良いものではないだろう。


しかも、生まれた国を(さげす)みの代名詞に使われたのなら、なおさらだ。

異教徒のオスマントルコの人間ですら、そこまではしなかったに違いない。


事実はともかく、新しく頭角を現した市民と言う人達をよく思わない人はいたのでは無いだろうか?


そんな事を考えながら、作者は、フランス人をビビらせる行進曲を考えていたのだ。


シュトラウスやら、リスト達と。


しかし、マーチを作るのは軍楽士。


物語の行く末が微妙に変わって行くのです。


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