時影、近代魔術を語る 73
馬車の馬の毛色を間違えてしまいましたm(_ _)m
これは、イメージによるもので、前回は予備知識が無いところで、皇帝の馬車、というイメージで白馬にしましたが、プロセインを調べていて、貴族より、武士のイメージになってきたので黒い馬で書いてしまいました。
基本、この手の間違いはあまりしない、と、本人は思っていたので、少し興味深かったです。
馬や馬車など、無意識の象徴と関わるものは、面白い間違いをするものです。
と言うわけで、この間違いはこのままで。
美しい毛並みの黒馬に引かれた黒塗りの馬車に作者はついて行くように歩き出しました。
「つい、『魔法の呪文』に気がいくけど、
この枠は、ナチスの話をしなくちゃいけないのよね?
私、笛吹き男の話を思い出しながら、
ヒトラーとヒムラーを思い出していたわ。
二人とも、少年漫画のマッチョヒーローにはなれない容姿みたいだから、
笛吹男の存在には、勇気を貰ったと思うのよ。
笛吹男って、目が良くて、頭の回転が早く、指揮官の指示と状況を認識して行動しなければいけないし、
最後まで逃げることも、
殺されるわけにもいかないから、
体は小柄で、メンダルだけはぶっ飛んだ男前で、どこか頭のネジが飛んでるような人物だと思うの。
恐怖心が強い人や、共感力が強い人間には、こんな仕事は無理だわ。
戦場のど真ん中で、自分を殺しに来る人間から逃げながら、笛を吹くなんて…。
誰かが、笛を吹き男が戦場の英雄だって、そんな事を私に教えてくれた気がするけど…
あまり、体格に恵まれなかったヒトラーやヒムラーも、そんな風に励まされたのかもしれないわ。」
作者は、寒空の中、表情一つ変えずに行進する大柄の兵隊に遅れながらもついて行く。
丸っこいアジアのオバサンと並んで行進する兵士は、しっかりと訓練された行進を披露しています。
彼らは滑るように前進するのです。
その滑らかな動きに、ふと、機械的な流動性を感じるのですが、
横でチョコチョコ歩く作者と比較すると明らかな違いがわかります。
彼らは肩の位地が一定なのです。
普通、人は歩くたびに体が上下します。
その上下運動をなくし、音もたてずに歩く兵士は、確かに、日常から外れた不気味さを感じます。
良く、『カツカツと靴音を勇ましくたてて』などと軍人を表現してしまいますが、
戦場において、自らの位置を知らせる行為は、破滅行為です。
プロレスラーのような、屈強な大男が、大河のように静かに流れるように行進する…。
大河ほど水の音がしない
と言う言葉を思わせる重みと強さを感じます。
しばらくすると、ベルサイユの中央のホールに
ドイツ連邦の様々な旗がはためき、
その中欧に、カール大帝からの黒鷲の紋章を誇らしくかけたドラムが皇帝を称えるリズムを響かせる。
作者と私はその様子を少し外れたところから見つめていました。
楽隊の横には、ステックを誇らしげに持つ髭の男が美しい立ち姿で未来の皇帝陛下の馬車を迎えます。
ヨハン・ゴットフリート・ピーフケです。
「wikipediaを調べていて、愕然としたわ…
この人、ガチの人だった(T-T)」
作者は、ピーフケの号令と共に、荘厳な音の響きが新たな帝国と皇帝の為の空気を作り出すのを見つめていた。
ヨハン・ゴットフリート・ピーフケ。
彼は、普仏戦争にも楽団を率いて参加した、軍楽士なのでした。