時影、近代魔術を語る 52
「バカと天才は紙一重と言うけど…
私も、このムーブックスの本に夢を見せてもらったわ。」
作者は温かい紅茶にワインと砂糖を混ぜた…シベリアン・シェルパティーを片手に自暴自棄に呟いた。
「この紅茶…香りが良いですね。」
私は温かい赤ワインの紅茶を見つめて呟いた。
ムーブックスの話しなんて、私には繋げられそうもありません。
ただ前回の、「太陽の石」の件は著者の並木先生の間違いでは無いと考えられます。
この後の五島勉先生の記事の写真の下に、
1997年7の月…
と、あの有名なノストラダムスの予言詩のフレーズが間違っていましたから。
さずがに、五島勉先生の写真の下に乗る文章を、著者が間違うとは思えないからです。
「しかし…、こんな奇跡的な出会いって無いわよね(-_-;)
普通、誤字って怒るものだけど、
マニアの目線でみると、誤字こそ貴重なものは無いわよね(^-^)」
作者は力なくわらう。
「そうですか?」
私は作者の顔を見ながら問いかける。
この人が…おかしな間違いに引っ掛かる度に、終わりが見えないエタの沼に引きずられる気持ちになるのです。
「そうよ。
だって、並木先生の本に出会わなかったら、きっと、『太陽の石』と大阪万博を関連付けたりしなかったと思うもの。」
作者はリラックスしたような笑顔で私をみる。
「………。並木先生は、あなたと出会いたく無かったかも知れませんよ。」
私は、この近代魔術の記事のように、長々とこのムーブックスの本を語る作者を思って頭が痛くなる。
本当に、今の連載を何とかしなくては…いけないのですよ。
「まあ、仕方ないわよ。ムーブックスには悪いけど…
って、私が悪いの?私は、間違いを信じて赤っ恥をかいた本人なのに?
(///∇///)なんか、納得できないわ。
私は、この本を読んで、wikipediaより正確だって信じていたんだから。
もうっ、私、作者なのに、1970年に『太陽の石』が発見される異世界に足を踏み入れていたんだわ。
この年は、大阪万博のあった年で、
『太陽の石』と言うワードで思い出すのは、
岡本太郎先生の『太陽の塔』
この、『太陽の塔』にもミステリーがあるの。
それを思い出して…私、嬉しくってゾクゾクしたわっ。」
「私は、嫌な予感にぞくぞくします。」
私は冷めた視線を作者に向ける。
なにか…いやな予感がします。
「岡本太郎先生の『太陽の塔』はね、現在は、大阪の万博公園でみられるのだけど、
太陽の顔が3つついてるの。
正面の顔が二つ。
後ろに一つ。
そして、地下に一つあったらしいの。
本来はこの四つの太陽がそろう作品なんだけれど、地下の太陽だけが、いまでも行方不明なのよ。」
作者は目を見開いて私をみる。
「現在では、その『地下の太陽』は、復元されていますよ。」
私は困り顔で作者をみる。
作者は私の顔を不満そうに睨みながら、
「そう!復元品で、当時の作品はいまだに見つからないのよ。
そうして、太陽は四つ!」
ばぁぁぁん!!と、ばかりに親指を折って四つを表現する作者の姿を、なんだか可愛らしく感じながら、私は続きを拝聴する。
「四つの太陽…これは、1970年見つかった『太陽の石』に描かれた終末の太陽の数字と一致するじゃーないかっΣ( ̄□ ̄)!
と、しばらく、頭がそんな話にやられたわ(;_;)
これは、ルパン三世のスペシャルでやれる内容だって思ったわ。
ルパン三世のアニメ化が1971年らしいのよ。
あながち、関係が無いわけでもないし、
行方不明の『祈りの太陽』をめぐって、1970年代の異世界のアクション…
なろうとコラボのルパン三世スペシャル…
ああっ。みたかったわ(^・^)」
作者は懐かしいものでも語るようにそう言った。
でも…
私は、太陽の石の発見年月が間違いで良かったと思っているのです。
まずは、パラサイトを終わらせませんと…
こちらにも、妖怪ブクマハガシさんがやって来ますからね。
はぁ…