時影、近代魔術を語る 51
「こ、今回はっ、私のせいじゃないからねっ(~_~;)」
作者は並木先生の本を片手に文句を言いました。
「別に…誰も貴女を責めたりしないじゃないですか。」
私は真っ赤な顔でブーたれる作者をなだめる。
「うん…そうだよね。
でもっ、八十にクローリーの失敗があった後だもん。
嫌だわ(T-T)」
作者はそう悲鳴をあげて、諦めたようにつづけた。
「前回、沢山の方に読んでいただいて、ついでにクライマックス感があふれるそんな文章でしたが、
残念な間違いがありますぅ(T^T)
ここで、やっぱり(* ̄ー ̄)
と、笑った読者!
あなたの、オカルト知識は素晴らしいわ(T^T)
誉められて嬉しいかは、知らないけど。
そう、『太陽の石』の発見された年代が間違っています(;O;)
正解は多分、1790年。
wikipediaからナショシオまでネットを調べて、そうらしいと思いますっ(>_<)
でも、今回は、『[決定版]2012年マヤ予言の謎』1版の80ページに書いてありますから、私の勘違いではありません。
ので、訂正はしないでおきますよ。」
作者は見えない読者にshoutした。
「もう…、そんな恨みがましく言わなくても。」
私は変顔でわめく作者を見ながら笑ってしまう。
「恨みがましく…言ってる気はないわよ。
でも、昨日、wikipediaで年代の違いを見つけて、私、ずっと、並木先生を信じて調べたのよ?
だって、ムーだよ、ムーブックスなんだよぅ!
何を間違えたって、あの『太陽の石』を間違えるなんて考えられないんだから。」
作者はムーについての長い信用を顔一面に放出しながらわめく。
「まあ、猿もムーも木から落ちる時もありますよ。(´ヘ`;)
いいじゃ、ないですか。
あなただって、随分と読者に甘やかされているのですから、
一度、間違いをつかまされたくらいで…大人げない。」
私は呆れてため息をつく。
「あら、並木先生は運がいいわよ。
これが、ローファンタジーで作品化されて、日刊ランキングに載ってから、
誰かに指摘されたとしたら、
私、きっと、むきになって並木先生とムーを信じて喚いたあげく、
論破され、なろうの奈落に並木先生と落ちることになったかもしれないんだから。」
作者はやれやれ顔で私をみました。
ローファンタジーの日刊…その心配は無いと思うとは…口が裂けてもいえません。
いつの日か、人気ジャンルのランカーになる。
それは、なろう作者の夢なのです。
でも、たまに、この人はへんなところで純真に間抜けな反論をし、爆死するので、確かに、よかったのかもしれません。
私の作者は、小さな頃、肉屋に貼られた五木ひろしのポスターを見て友達に
「五木ひろしだ!」
と言い、友達に「いつき」と読むのだと言われて、
「五は、『ご』って読むんだよ。
先生がそう言ったもん。
だから、ごき ひろしでもいいんだよ。」
と、近所の肉屋で喧嘩をし、
家族にその不満をぶつけて大爆笑された、そんな過去があるのです。
その勢いで、擁護されて爆死したら、確かに、巻き込まれた方は迷惑です。
7年も昔の、
しかも、コンビニ用のペーパーブックを引っ張り出されて、
なろうの人気ジャンルで誤字をこじらせるなんて…印刷会社も迷惑です。
「でも…楽しかったわ。
一日無駄にはしたけれど、こんな間違いに偶然あうなんて、
ある意味奇跡だもの(-"-;)」
作者は感慨深く頷く。
「確かに…、こんな間違い、あまり無いですよね。」
私は同意した。
『太陽の石』と呼ばれたこの遺物は、90年代からなにかとオカルト界で話題になりました。
ノストラダムスの予言とオカルトブーム、超古代文明のカテゴリーで、ミステリーから漫画まで、色々と題材になった遺物なのです。
そして、この説明にモヤモヤされている方も、
その記憶、あながち間違いではありません。
作者も意固地になってしまったのは、
1978年テンプロ・マヨールのウィツィロポチトリ神殿から、巨大な円盤が発掘された、その記憶と混同したからです。
翌年、1979年、月刊ムー創刊の流れが、記憶を混乱させるのだと思うのです。