時影、近代魔術を語る 48
「この辺りの話を始めると、説明がハレーションをおこすから、
とりあえず、蒟蒻とラピタ人の話をしたいと思うわ。
ラピタ人はね、ソロモン諸島で発見された民族でね、紀元前1300年代から太平洋の辺りで暮らしていたようなの。
うろ覚えだけど、後に南アメリカへと向かったと聞いた気がするわ。
で、彼らが海洋を旅した舟が、大木を切り出した丸太舟だったので、
それが、日本に度々現れる虚ろ舟ではないかと思ったのよ(-_-)私はね。
なんか、そんなん、昔、考えて殴り書きをしてあってね…
ああ、よく、UFOと話題になる、美人のついた虚ろ舟は、時代が違うんだけど、これも、なかなか面白い展開になるんだけど、まあ、それは、別のはなしで。
とにかく、ラピタ人の事を調べていたらね、ニューカレドニアの土器が名前の由来だってヒットしたんだ(-_-)」
作者は、遠い目で淡々と語る。
「ところで、ニューカレドニアの語源、しってる?」
作者は、突然、私に聞いてきた。
「ニューカレドニア。新しいカレドニア、ですか。」
私は、そこで検索をかける。
そこで、wikipediaから、驚きの事実を知る。
カレドニア…古ラテン語で、グレートブリテン島の北部を表す地方の名称。
つまり、スコットランドに当たるのだ。
「なかなか、面白くなってきましたね。
妖精の話で登場したピクト人。発見者は何か、似たようなものを感じたのでしょうか?」
「ネットをザラッと調べると、1774年イギリス人のクック船長が、スコットランドの地形と似ているのでつけたらしいわ。
似ていたのが、人では無かったのが残念だけれど、まあ、これは、これで頭に入れて、話を八十に…第一次大戦後の西洋にもどすわ。」
作者は、そう言って一度言葉を区切った。
「第一次世界大戦に、日本は連合国の仲間だったの。
つまり、戦勝国だったの。
そこで、ドイツは太平洋に領地があり、ドイツが戦争に負けたことで、ニュージーランドを含む太平洋諸国に日本が進出するのよ。
ここで、太平洋…ラピタ人と、ドイツ人、日本人がニュージーランドで重なりあうのよっ!!
これ、見つけたときに、鳥肌がたつほど興奮したけど、文にして、人に説明するとなると、難しいわ。」
作者は、ため息をつく。
でも…私には分かるのです。この事実から広がる物語の世界が。
第二次世界大戦で同盟を組むドイツと日本。
『エストレリータ』の始まらないSF。
『近代魔術』のクローリーやメイガースの話。
この冬に調べた事柄が、この辺りでエネルギーを得たように動き出すのです。
1970年代に発見されたラピタの土器は、こちらの北条の…はじめのエタ作品『ノストラダムスをしってるかい?』に、どう影響して行くのか…。
文章として、上手く説明は出来ないのですが、
それは、私たちには、物凄い発見であったのは間違いないのです。
「まあ、読んでる人は…何を言ってるか、分からないかもしれないわね(´ヘ`;)
私、もっと、感動して貰えるように書けると思ったけど、失敗したかもしれないわ(T-T)
でも…、謎だった南アメリカとナチスのUFO研究について、少しだけ、納得できるようになったと思うわ。」
作者は、そう言ってため息の代わりに、残りの紅茶を飲み込んだ。